車内出産

妻を診察に連れて行く車内でお産が始まり、路肩に車を止めて介助。
「我慢できない！生まれる！」妻が叫び、スパッツが見たこともない程にモッコリと…。慌ててスパッツを脱がせる。叫ぶ妻、そして赤ちゃんの頭だけが出ている光景に愕然する。
この状態で病院にいくのが良いのか、119へ、間に合うのか、窒息？死んじゃう？様々な思いが駆け巡る。
「産め！がんばれ！」何が正解か分からないが、今の状態は危険だと本能的に感じ叫んだ。そして妻が叫び、うつ伏せの状態で赤ちゃんが出てきた。妻はあまりのショックにガクガクと体を震わせ放心状態…。
赤ちゃんは、動かない…泣かない。
！羊水！吐かせなきゃ！叩く？どんな強さで？窒息？死んじゃう？何が正解なんだ…無我夢中で背中を何度か叩く。
「ふぎゃぁ」泣いた！
え？　一回しか泣かない。
その後も何度か叩くが泣かない…
叩き方が弱い？逆さまにしないと駄目なのか？背中は動いてる、呼吸できてるようだが、どうしていいか分からない。救急車を待つより病院に向かった方が早い。119に電話。車内で赤ちゃんが産まれたこと、呼吸はしているようだが、一度しか泣いていないこと。これから病院に向うから病院に連絡してほしいと伝え、車を走らせる。
赤信号が長かった。
この状況なら信号無視しても許されるのではないか？事故ったらどうなる？
ハンドルを持つ手の震えが止まらない。
病院につく、救急車と救急隊員、医者、看護婦が待ち構えている！
停車すると真っ先に医者がへその緒を切った。赤ちゃんを布に包み抱いて駆け出す看護婦。救急隊員にタンカーで運ばれる妻。
そして残される私と助手席に溢れる羊水と何かの膜。脱力して動けない。何も考えられない。

赤ちゃんは低血糖をおこしてたようで、NICUに入院。ただ母子ともに命に別状はないそうだ。

一旦は安心しつつも、いつ不幸に転ぶか分からなかった状況を思い出すといまでも鳥肌が立つ。
Mother, and son Happy birthday.
パパは少し疲れたよ。。

追記
幸せのお裾分けというより、経験のお裾分け。
誰かの糧になればと思いつつも、書込直前でビビって書き逃げするつもりでしたが、励ましのメッセージを頂いたのでコメントONにしてみました。
嬉しい！でも怖い…

追記
皆様コメントありがとう御座います。
母子ともに安定しており、一安心です。
出産時の泣きが弱かったのは、NICUに入ることになった低血糖のせいかも。そうであれば、呼吸が確認できたところで叩くのを止めて正解だったようです。抱くのさえ怖い新生児を叩くなんてことを良く出来たなと…。
パニックにならなくて本当に良かったです。。

追記
皆様から激励頂き誠に恐縮ですが、何もなければ出産時も控室で無事に出産できるよう祈るのが精一杯です。
控室で待つパパさんにも出産の無事を祈る大丈夫な役目があると思います。
次回があれば、そっち側で頑張りたいです！