歯医者復活戦・DAY1

ここ暫く、歯医者に通っていました。
やっとのことで治療が終わったので、その顛末を例の如く『面白おかしく』フィクションでお届けします。

「あれ？今日はお酒が全然進みませんね……いつもは馬が水飲むみたいに吞んでるのに」
馬がどれだけ水を飲むのかは知らないけど、今日は飲食ともに全くダメな感じであることは間違いない。
理由は簡単、数日前から奥歯がズキズキ痛むから。
いわゆる親知らずってヤツ。
いい歳して、まだ一本だけ処置していない親知らずが残っていたんだ。口腔内で悪さをしない限り抜く必要もないと思って放置していたのが、今になって突然問題を起こしたワケよ。

飲み会を早々に離脱して、おうちで大人しくしていても痛みは治まらない。それどころか日に日に酷くなってきやがった。

自分の口腔内で何が起きているんだろう。

お仕事や車の整備で役立つかもしれない、と思って買ってあったUSB接続のファイバースコープカメラを会社のパソコンに繋いで、恐る恐る口の中に入れてみる。

『おぇっ😨』

PCのディスプレイに映し出される、おぞましい口腔内。
いくら自分の口腔内といえど、アップで見るのは結構エグい。
パンパンに腫れた歯茎の中に見える白いヤツが親知らずか……
でも、あんまりよく見えないな……

「か、河嶋さん！ナニやってるんですか！」

おうちでやればいいものを、お昼休みに会社でやったもんだから同僚に見つかった。
待ってくれ！わたしだって面白がってファイバースコープを咥えているわけじゃない。ただ、口の中がどうなっているか知りたくて……
「声かけてくれたら代わりに見るなり写真撮るなりしますやん……ほら、口開けて」
『うえっ』
吊されたあんこうみたいに、大きく口をオープン。
「ど素人が見てもわかるくらい、歯茎めっちゃ腫れてますよ……こんなになるまで放置してたなんて凄いですね」
『あががががが…（口を開けたまま）』
「それから、お手元にある歯痛の薬…！それ、歯茎が腫れた時には使えませんから」
『ふぁい……（やっと口を閉じた）』
「この醜態を営業所の連中に知られたくないなら、今晩すぐに歯医者さんに行ってください！いいですか？」
『ぐすん……』
「泣いてもダメですっ！」

というわけで、その日の夜に河嶋さんは歯医者へ行くことになりました。

ちなみに河嶋さんが使おうとしていたお薬。
歯茎に使ってはいけません。使用上の注意にちゃんと書いてあります。

虫歯の痛みには効果があったんだけどなぁ😰