続・困った人😰

前回同様、相当面白おかしく話を盛っています。
あくまでフィクションです。
前回はコチラ
https://king.mineo.jp/reports/219011

年末。

お仕事最終日は、朝イチで営業所長のオチも御利益もない挨拶を聞いたら解散。
掃除を始めるヤツもいれば、食堂兼会議室で一年の活躍を互いに讃え合いながら呑むヤツもいる。
弊社恒例の、フリーダムな世界。
そんな中、会議室の片隅にあるキッチンで黙々とお酒のつまみを拵えているところへ、新人の葛原くん（仮名）登場。
缶ビール片手に、ほろ酔い状態。
「あっ、河嶋さん！ぼくたちの為におつまみ用意してくれてたんですね！次は何か出てくるんですか？楽しみだなあ」

ヘラヘラ笑ってないで、ウソでもいいから『手伝いましょうか？』の一言でも言ってみろ！

「あ、それはそうと……ぼく、クリスマスイブに告白して……彼女が出来たんですよぅ」

知るか、ば○やろう！
邪魔だから、あっちへ行って自慢してこいっ！


ひと通り支度を終えて、盛り上がっている輪の中に入ろうとしたその時、一つの異変に気付いたんだ。
葛原くんが、周りのみんなからボロカスにディスられている。

恐る恐る輪の中に入って話を聞いてみると…

・葛原くんは、婚活中らしい
　（前職があるのでそれなりなお歳。適齢期と言えなくもない）
・婚活アプリやお見合いパーチーを駆使
・で、イブの告白に至ったらしい

問題なのはそこからだ。
曲がりなりにも婚活系のイベントなりアプリで活動していたんだから、無事にお相手と巡り会えたんならめでたしめでたし、が当然だと思っていたんだけど……
なんと葛原くん、それ以後もお見合いパーチーに参加しているし婚活アプリも退会していないらしい。

「いや～、ぼくのポテンシャルってまだまだこんなもんじゃないと思うんですよね～」

は？

横山ホットブラザーズだ。大阪市指定文化財（本当だよ）だ。

おーまーえーはーアー○ーかー

後輩ちゃん
「それ知っちゃうと、あたしのことが一番大切なんじゃないんだって……悲しい気持ちになりますよねぇ」

同僚の西さん
「けしからんっ！貴様はアラブの王様気取りかっ！真面目に婚活している人に対する侮辱である！」

顔面凶器、めちゃんこ顔が怖い上司
「俺の娘がそんなチャラい男に弄ばれたら……生きていることを後悔するくらい反省してもらうだろうな」


周りのみんなに全否定された葛原くんが、何かに縋るような目でこっちを見ている…
「河嶋さん、ぼくを助けて下さいよぅ」

知るかよそんなこと。
自分で蒔いた種なんだから、自分でどうにかしろ。


『わたしは、別に葛原くんの生き方を否定したりはしないよ』
一同唖然。
『ただ……君は「相手の気持ちを慮る」ということは考えたことはあるかい？』
「え？意味わかんないんですけど」
『君が二股だか三つ股だか…いくつ股があるのか知れないけど、君に振り回されて弄ばれる人の気持ちになって考えてみろってことだ。ていうか「ぼくのポテンシャルってまだまだこんなもんじゃない」って言ったけど、こんなもん呼ばわりされる相手の身にもなってみろ』

「でも……ぼくが彼女と付き合い始めたからって理由で他の子との繋がりを断ってしまったら、その子たちが悲しむじゃないですかぁ」
ここまで来ると、グランドスラム級のアンポンタンだ……
『この先どうするかは君の自由だ。人を傷つけるなり、逆に殴られるなり斬られるなり刺されるなり訴えられるなり…好きにすればいいよ😁』
「そんなぁ…」

「あ、このことは本社の子たちにはナイショですよ！バレたらぼく、本社の子たちと仲良くなれなく……」

……
君に幸あれ……😮💨