MVNO関係の記事３件

日経ITpro「格安スマホ、一瞬で淘汰される危うさも」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/032400098/032400001/?rt=nocnt

…NTTコミュニケーションズ、インターネットイニシアティブ（IIJ）、ケイ・オプティコム、楽天の上位4社で50％以上を占めています

…一方、総務省の調べでMVNOの事業者数は668社（2016年12月末時点）まで増えています。市場構造としては、大手がシェアの過半を占める一方、1万契約以下の契約数のプレーヤーが600社以上いるような2極化が進んでいると言えます。

…MVNOが“ミニMNO化している”という批判もありますが、ユーザー目線で見ると必要なことでした。ユーザーにとって比較軸はどうしてもMNOになります。消費者のニーズに沿ったものを用意すると、自ずとMNOに似てしまう側面もあります。

→後で出てくる日経記事での石川氏の見解と真逆のことが書かれている

日経トレンディ「海外でのスマホ利用で大手と差　MVNOの落とし穴」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1018922/040300076/?rt=nocnt

…普段の通信料を安くしたいからといってMVNOのサービスを選ぶと、海外では大手キャリアと同様の国際ローミングサービスは受けられないという落とし穴があるわけだ。出張が多いなど海外で手軽にデータ通信を利用したいなら、安易にMVNOのサービスを選ばない方がよいといえる。

…もちろん、MVNOのサービスを使っていても、別途通信手段を確保さえすれば、海外でデータ通信を利用すること自体は可能だ…現地でデータ通信用のプリペイドSIMを調達することだ。実はこの方法が最もデータ通信料金を安く抑えられるので、海外旅行の中・上級者にはとても人気が高い。

→上記二つの記述は矛盾しているように思える。

日経「回線接続料引き下げを喜べない格安スマホの懐事情」
ジャーナリスト　石川　温
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14941240V00C17A4000000/

…2016年度に適用するパケット接続料の引き下げを公表した。前年度に比べ、NTTドコモが14％減、ＫＤＤＩが10.6％減、ソフトバンクが17.6％減となっている。

…ＭＶＮＯの関係者は「接続料の引き下げを歓迎したいところだが、その分を利益に回したいのが本音。すでにかなり無理な設計に基づく料金プランになっている。これ以上の値下げを期待されるのは勘弁してもらいたい」と苦しい台所事情を明かす。実際、多くのＭＶＮＯは赤字経営だ。とはいえ、１社が値下げに踏み切れば、対抗策としての値下げは避けて通れないだろう。

…しかもＭＶＮＯといえども、最近はブランドの認知度を高めることが求められる。有名タレントを起用した大量のＣＭ投下を余儀なくされる。「タレントを使ったＣＭを大量投下すると、黒字化の計画が数年先延ばしになる」（ＭＶＮＯの関係者）

…独自のショップを展開したりするなど、コストはかさむ一方。すでに数多くのＭＶＮＯが疲弊した状態にある。

…ＭＶＮＯはオンラインのみの販売で、低コスト体質を保つのが本筋だったはず。それが今では高コスト体質の企業になりつつある。そもそも格安スマホはキャリアのスマホに比べて通信料金が半分～３分の１程度しかない。つまりは収入も半分～３分の１しかない。それでキャリアと同じことをしようとするのは、所詮無理な話なのだ。

…だから「格安」以外の訴求ポイントが必要なのだ。海外に目を向けると、米国ではクレジットカードや銀行口座を持てない移民をターゲットにしたＭＶＮＯが根付いている。欧州では、国際ローミングに強いＭＶＮＯが市民権を得ている。日本の場合、格安でしか訴求できていないため、市場に手詰まり感が出てきてしまっている。

…また、ＭＶＮＯにとってやっかいな存在が浮上してきた。ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルや、ＫＤＤＩの関連会社が展開するＵＱモバイルだ。米アップルの人気スマホである「ｉＰｈｏｎｅ」を販売し、キャリアに負けない広告宣伝費を使って、格安スマホ市場を席巻している。ほかのＭＶＮＯが対抗する策は皆無に等しい。

…キャリアに対抗しようと、ＭＶＮＯが身の丈に合わない無理な経営をしてしまうと、結果としてキャリアに飲み込まれる恐れがある。

…国策で無理やり、料金値下げをあおるのは結構だが、ようやく根付いてきたＭＶＮＯ市場が、数年のうちに混乱しないように、一度冷静になる必要もありそうだ。

→ほとんどがmineoにも当てはまる話。MVNO事業者にとって平成29年度は勝負の年になるか？