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大学病院。

ついにこの日が来てしまった。

行きたくない、ず~っとそう思いながら長い時間電車に揺られている。
田舎から都会へ向かい、電車を乗り換えて別の田舎へ向かう。ああ、面倒臭いったらありゃしない。
病院なんか大嫌い、クソクラエだ。近所のクリニックですらまず行かない。ちょっとした病気なんぞ市販薬でどうにかなるさ主義者。
そんなアタイが急に『大学病院で検査を受けるから一日有給休暇を取る』なんて言ったもんだから周りは大騒ぎ。
「何かの病気?」
「そんなに具合悪いんですか?」
うん。何かの病気だ。そうじゃないと医者には行かないよね。
具合悪い?アタイは全然心配していなかったんだけど、エラいことになってるんだ。

『心房細動』
それって病名じゃなくて死因じゃないの?
(あとで冷静になって調べたら、心室細動のほうが死因としてはメジャーらしい)
発見のきっかけは簡単。一日で三十キロ位歩いてもへっちゃらだった人間が歩道橋を登れない。心臓バクバク、息が切れる。視界が真っ白。
それが何日も続いたから嫌々クリニックに行った理由がそれ。
で、クリニックでイロイロ検査やら何やらをした結果
・心房細動ですね
・薬でコントロールしながら騙くらかして生活するのが第一案
・外科的治療『カテーテルアブレーション(焼灼)』が第二案
外科的な治療?
『心房細動』って、心臓に『動け!』って送られる信号が出鱈目なことになっているものらしい。で、それを解決するためにカテーテルを突っ込んでその信号回路を焼灼(温度を上げてやっつけてしまう)する処置、だそうな。その説明をクリニックで聞いた私は思わず余計なことを口にした。
「焼き肉……いや、心臓だから『ハツ焼』?」
「くだらない冗談はお止めになって下さい、河嶋さん」
「スミマセン…」

で、何やかんやと検討した結果(嘘。即答した)、そのアブレーションとやらを受けることにしたわけ。
今日はその前にやる検査(CT造影とかエコーとか)。
行きたくないけど行かにゃならんし検査せにゃならん。

『河嶋さまぁ、河嶋桃さまぁ。CT室二番へお入り下さい』
はいはい。そんなに大声で呼ばなくても聞こえてますよん。
(実は…本名は字は異なれど大女優と同姓同名だから、大声で呼ばれると結構恥ずかしい。運転免許の更新時なんか最悪だ)
慌ただしく説明を受けて、点滴を落とされながら機器の上に。こうなりゃ俎の上の鯉だ。煮るなと焼くなと好きにして頂戴。でも、優しくしてね。『秘密結社鷹の爪』で言うところの『キルミーソフトリー』だ。CTで死んだ奴ってあまり聞かないけど。
「いいですか、これから造影剤を注入します。造影剤は予め温めてあるので、喉や胸などに変な感覚を感じることがあります。我慢できない位気分が悪くなったらこのボタンをお渡ししておきますので、遠慮なく押して下さいね」
いま押せ、というダチョウ倶楽部みたいな下らない衝動を抑えつつアタイは嫌な音のする機器に飲み込まれていった。
大きなドーナツみたいな輪の中にアタイの身体が吸い込まれていく。
『河嶋さん、河嶋さん!』
どこかにあるスピーカから検査技師の声が聞こえる。

『機器の幅も高さも十分あるんで、肩をすぼめなくても大丈夫です!』
パブロフのイヌみたいな条件反射だ。技師さん、悪く思わないでね。

筆者注:この投稿には、医療に関する要素が多分に含まれていますが、全て筆者の思い込みと解釈に基づくものです。拙著を参考にして治療方針を決定したりすることは厳にお慎みください。
何かあっても一切責任は負いませんし、医療関係者を非難する意図もありません。寧ろ感謝していますよ。


30 件のコメント
1 - 30 / 30
誰にだって初めては有るけど、病気だけはいきなり始まる長い物語ですからねぇ。
「秘密結社鷹の爪」につい反応して良いねを押したけど、良いねって言う事件じゃないのでお大事に。
総統の「優しく殺して」は名言です
鷹の爪好きに悪い人はいないと頑なに信じているので、反応していただいたことをご厚意として有り難く頂戴します♪
病気のこと、お気遣いありがとうございます。
愚痴みたいなことに反応していただけるなんて…
なんか嬉しいですね。いい話題じゃないのに。

術前検査でしょうか。ということは来週あたり施術ですかね。
どうぞお大事に。

「優しく殺して」というとこれを思い浮かべます。
邦題は「やさしく歌って」でしたけど😅
昔のネスカフェのCMソングでした。
お大事になさって下さい。
私の妻も大学病院でカテーテルしました。不整脈手術です。検査とか色々大変でした。手術後説明を受けましたが、今の医療は進んでることに驚かされました。昔は外から切って手術して傷跡が残りますがカテーテルは足の付け根から管を通してやるので目立たないですね。すぐに退院できるし、頑張って下さい。
30キロ歩いてへっちゃらな人は
生粋の文系ではないような?

今回は検査編ですね。
手術編も楽しみにしています。いやおかしいか。
成功しました報告待っております😊😀
造影CTはさすがに撮影したことないですけど、2回ほどCTは撮影したことあります。

※1回目は猛烈な頭痛で→所見上問題なし。
 2回目は呼吸困難で
 →その後セカンドオピニオンで急性気管支炎の診断。

CTも撮影する機材によって健康保険上の診療点数が異なるはずなので、より精密に撮影できる機材(最近だと 320スライスかな?)で掛けるとちょっとお値段上がっちゃいます。

でも CTとか MRIを検査予約が必要だとは言え健康保険の範囲で撮影可能な国に生活しているというのはある意味幸せです。こればかりは感謝しかないですね。

※確か海外で CT撮ると¥100,000-近くかかるとか
 聞いたことあります。(アメリカだったかな?)
 昨年、右ひざ痛 でMRI取った時も確か¥7,000-位
 (3T MRIで撮影)だったので恵まれている国だと思います。
不整脈治療は外科的手術が一番効果的ですよ
殆どが良い結果です
ほっとくと本当に心房細動で亡くなってしまいますから早めに手術の決断を個人的にオススメします

>> ob2@花粉黄砂PM2.5🤧 さん

仰せの通りネスカフェですかね。
優しい曲です。今日はこれ聞きながら寝ようかな。
あと、病気のこと…お気遣いに感謝です。

>> parlng さん

お気遣いありがとうございます。
何気ない一言が、明日を生きる理由になるんです。

>> カイジ1205 さん

そういやウチの医者は最短三泊四日とか言ってましたね。周りはヤイヤイ言ってますが、思ったほど大変じゃなさそうですね。
とは言え油断大敵!心してかかります。
お気遣いありがとうございます!
頑張っていきましょ😄死ぬまで生きましょう😄みんな世界のただ一人なんだから😊

>> 杏鹿@………………………… さん

確かに歴史関係の資料やらルートマップ持って歩き回ったら……
ほぼ体育会系かも知れないです(笑)

アブレーション一発かまして、最終回は『感動の三十キロ歩いたぜヒャッハー編』にしたいですね。
お気遣いありがとうございます!

>> ばななめろん さん

健康保険適用じゃなかったら幾ら払わせられたんだう……
明細をもう一度確認します!

>> 1963-蠍座のオッサン さん

『死ぬまで生きる』
いい言葉ですね。
間違えても死なないように、強かに生き延びます。
人生にまだちょっとだけ未練があるので♪
怖いドキドキでしたね、
治療がんはばってくださいね。
語り方は最高にドタバタと、焦りな感じが伝わってよかったですよー😊👍

>> ポンコツ河嶋桃@🐢大洗女子カメ㌠🐢 さん

> 健康保険適用じゃなかったら幾ら払わせられたんだう……
> 明細をもう一度確認します!

健康保険の種類にもよりますが、国保なり社保(協会けんぽやら健康保険組合など)だったら基本は3割負担なので「その3.3倍」が保険診療での診療点数です。(1点=¥10-)

ちなみに以前右足骨折(足首の上あたり。太い脛骨と細い腓骨の両方とも骨折)のオペが 64,000点でした(手術技術点数、と考えてください。薬剤なり他費用は別)。

まあそれだけ費用請求が掛かったとしても、日本には「高額療養費制度」という素晴らしい制度があります。
年間の医療費が¥100,000-超えてしまった場合は確定申告して割り戻ししてもらってください。

※入院する場合などは「限度額適用認定証」を
 健康保険組合に事前請求しておくと、月額限度額が
 設定されます。(差額ベッド代、他諸費用など除く)
→大体の給与所得者であれば¥88,000-+TAX程度で上限のはず。

・協会けんぽの参考情報
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/
ポンコツ河嶋桃さん…こんばんは😃🌃

同じ造影検査を受けた後、カテーテルで冠動脈にステント(金属の筒)を留置しました。
造影検査の時は背中にカイロを貼られたみたいに熱くなりました🥵

カテーテル手術は、足の付け根から入れると尿道にチューブを入れられ、外すまでは寝たきりになります。
腕から入れると術後自由に動きまわれます。

私は腕からのアプローチでしたが、痛みもカテーテルが心臓まで入っていく感覚も全くありませんでした。(虫歯治療の方がよほど痛い😵💥)

可能なら腕から挿入してもらえれば楽ですよ。
医師からすれば、股の動脈の方が太いのでやりやすいみたいですが…🙄

>> niko6マーミー さん

お気遣いありがとうございます。
本人は真面目に淡々と書いたつもりだったんですが…
あとになって読み返してみると、コントの台本みたいですね…アハハ

>> Y. Daemon@ポリアモラス さん

ババ抜きとかポーカーも札切るの早いですよー(笑)

>> ばななめろん さん

色々と参考になります。
限度額認定証は大学病院を紹介された時に張り切って人生したのですが…
確定申告…領収書どこにしまい込んだかなぁ…

>> バズ、 さん

造影検査の時は本当に気持ち悪かったです。

カテーテルの方は、腕からやってくれい!と願う日々です。腕の血管が細いね~とよく言われるので『……』な状況です。
紹介状書いてくれた医者が『あそこのチームは日本有数の…』とか宣っていましたが、よくよく聞いたら自分がそこの出身だそうで。
そりゃ自分が所属してた所はエエように言いますわな…
治療できる症状で良かったですね❗🤗
1日…30キロ歩きましょ🎶
とりあえず生きてることに感謝だな。老化も病気だから若返らないとな。

>> レギュラー33 さん

『踏破しました』報告できるように頑張ります!

>> orz® さん

死んじまう前に気付いて治療開始できたことに感謝、ですね。ホント。
まだまだ老化に抗いますよ~っ!

>> ポンコツ河嶋桃@🐢大洗女子カメ㌠🐢 さん

私の腕もかなり細いですが大丈夫でしたよ。
腕の動脈の太さを画像診断で判定してもらえます。
担当医にお願いされるといいかと想います。

身内で患者を紹介し合うのは当たり前でしょうからね🙄
私は自分で納得できる病院・担当医を探して、主治医に指定で紹介状書いてもらっています✏️
それを拒否する医者は❌ですね🤔

>> バズ、 さん

たまたま、なんですが飛び込んだクリニックの医者がいわゆる
・評判も大変宜しい
・公開されてる成功率もなかなか
・自分が開業して抜けた時の後任が今の教授
・だから河嶋さん、教授を紹介しようか?
・僕も週1で大学病院に診察に行ってるから、
 宜しく、って言うとくわ
な感じでサクサク進みました。

余談ですが、開業祝いと思しきデカいホールクロック置いてある位だから関係も良好なんでしょうね…
とりあえず素直に感じたことは、嘘デタラメも大概にしろ。人はだな生きててふざけちゃいけない時があるのをいいBBAなんだから学習しましょう。そうじゃないと刀の錆になるでよ。
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