ホトトギス

朝
目覚めが叶った空は
曇りながらも
優しい気配
鳥も朝の喜びをキャッチしている
花も喜びの朝を迎えている
私の育てている御花に
〝ホトトギス”という名の花がある
次々と迎えた朝毎に
花を咲かせて見せてくれた
ホトトギス
それも
花季の終わりに近い
きっと
此の朝に咲いたホトトギス辺りで
今季は終わり
ふと憶うのは
ホトトギスの君との出逢いの日
切花状態で
売られていた君を
私は
すぐに手に入れて
家の花瓶で眺めていたけども
君を何とか本当の意味で
私のものにならないかな､と
勝手に惚れ込んで
切花だった君に根っこが
生えてきますように､と
一心に祈り倒したんだよね
君は優しいから
こんな私の祈りを受諾してくれ
根っこを出してくれたんだよね
あの時は
嬉しかった
嬉しかったけど翌年も上手く
生育してくれるかな？､､なんて
私は君を手放したくなくて
心配したんだよね
君は
本当に優しくて
それ以降
毎年ホトトギスの花
咲かせてくれるようになった
憶えば、憶えば
君とあの切花売り場で出逢ったの
何年前だった？
5、6年は簡単に経過してるかな
そんな優しい君
そろそろ
今年のお花を全部
咲かせてしまった､､よね
此の朝の君が
今季の最期かな､､
切花状態で終わる予定だった君に
根っこを生やして下さい､と
無茶なお願いをした私に
ホトトギスの君は
本当に､本当に
優しくて
〝ありがとう”
君が余りに素敵で
手放したくなくて
一度
君に尋ねようと思ってたこと
君の名は〝ホトトギス”
其の名前
誰に付けてもらったの？
そんなこと､､

　　　　一そんなこと想う此の朝一