「信じる」って変な言葉だと思う。
本当に心から信じていたら「信じる」なんて言葉はいらないだろう。
例えば、空気があると信じてるとは言わない。それは疑っているから信じるってことになる。
でも、「信じる」って言うのは信じたいという希望の言葉なんだろう。
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【アイコンは大野晶】
大きい画像は大野とハルオの別れのシーンで指輪をプレゼントして泣いているところ。
指輪を渡してハルオと大野が一緒に泣いているシーンをマンガup!で読み返したら大野に折り畳み式自転車をあげた時を思い出した!ハルオみたいに指輪にするべきだったかも。あの苦し紛れの約束がある限り指輪を渡す機会はあると信じる。
出会いとなった大野からの手紙を貰った時は悪戯かと思ったぞ。あの頃の好きの気持ちは今も変わってないし、大野が俺の事を知ろうとしてくれたことが嬉しかった。今度は今の大野の事を俺が知りたい。
思い出を作ったことを大野は後悔していないだろうか?キスのような強烈な行為と共に海馬に記憶された出来事は忘却しないと言うから、あの約束も忘れていないと信じている。オマジナイも一緒に何度もした。いい思い出になったよ。
大野との別れは察するに俺に迷惑をかけたくなかったのだろうと思う。俺の知る大野は配慮が出来る優しい人だからだ。
でも別れたからと諦められるくらいなら、それはきっと本当の恋じゃない。相手の気持ちばかり考えていては、いつか後悔する事になる。
別れてから高野墓地に独りで行った。迷って目的の墓にたどり着けず報告は出来なかった。迷惑をかける状況が改善したなら俺を高野墓地に連れて行ってほしい。
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自分の右手が使えない分は左手で補い、それなりに使えるようになったのは「怪我の功名」だった。
保育園で給食を出したいと園長から保護者に相談があり、調理師を探していることを知る。
母が富士紡績の寮にいた時に業務で調理師の免許を取っていた為、協力を申し出る。
その保護者会で、まみの母から「俺が保育園で仲良くしてくれ毎日楽しそうに保育園に行くので助かっている」と俺の母が聞いてきた。保育園が開園した頃から預けようとしたそうだが、まみが「行きたくない」と聞かなかったらしい。
まみの母より家に遊びにきてほしいと言われ母の仕事が休みの日曜に行くことになった。
毎週日曜の買い物はユニーからダイエー、最後に西友を回る。家から行きはバスで南町3丁目で降りて、水戸駅から国鉄で帰った。
ユニーのスガキヤでラーメンかダイエーのドムドムでバーガーを食べたり西友やダイエーのオモチャ売り場で遊ぶのが俺の楽しみだった。
日曜の午後に母に連れられて、まみの家に初めて行った。広い敷地に2階建ての家と車庫があり、隠れん坊をしたら見つけるの大変だと考えてしまう。
母は挨拶が終わると「帰りに迎えに来る」と言って買い物へ。
まみが自分の部屋を案内してくれて1つはベッドや箪笥があり、もう1つは本棚とテーブルがあった。部屋を2つ使っていた。
緊張していた俺に、まみが「絵本を一緒に読みたい」と本棚から絵本を取り出してくる。
まみは、読んだ絵本の中で「織姫と彦星」が一番好きと言う。
一緒に並んで絵本を広げると腕のギブスが邪魔だった。何とか出来ないかと2人で試行し、まみを後ろから抱きかかえて座ることで解決。
絵本読んだ後、
まみ「いたいの、ごめんね」と急に言い出す。
俺「へいきだよ」
まみ「いたいのとんでけ」と俺のほっぺにキスしてくれた。
俺「いたいのとんでった」と言ったら2人で笑顔になった。
それから月に1~2回、まみの家に怪我が良くなるオマジナイをしに行った。
その頃、保育園で大人になった自分を絵に書いたことがあった。
まみの絵は、看護婦さんを書いたと言う。
家に遊びに行った時に、どうして看護婦なのか聞いた。
まみ「いたいところ、なおしてあげたい」と俺の腕をなでる。
俺「ありがとう」
まみ「俺君が、すきなの」と唐突に言う
俺「まみが、すきだよ」
まみ「ほんとうに?」
俺「ほんとう!」
突然、まみからのキスが唇にくる。ちょっと驚いたけど嬉しかった。まみの部屋で2人だけの時に好きを確認するように何度もした事を忘れられない。
ちなみに俺自身の描いた絵は覚えていなかったけど「二階建ての家を複数描いていた」と、今も交流がある園長先生から聞いた。
七夕の時期に園で願い事を短冊に書いたことがあった。
短冊に、まみは「俺君の、およめさんになる」俺は「まみと、けっこんする」と書いてあったらしい(園長先生談)
時は流れ卒園。俺は小学生になっても放課後に学童保育で同じ保育園に通っていた。調理師の協力の件もあって保育料はタダにしてもらっていたそう。
学童保育は俺と園長先生の長男しかいなかったから園児達と一緒に過ごした。小学3年生から、その長男の始めた進研ゼミを一緒にやったのを覚えている。
まみとは別々の小学校に通い始めるが、まみの家に遊びに行くのは続いていた。
まみは、学童保育にはいなかった。
小学二年になった頃から、まみからキスしてくれなくなった。それでも俺から、ほっぺにキスすると拒否はしなかった。
お互いに嫌いになった訳ではなかったが次第に、まみの家に遊びに行かなくなった。
時は過ぎて俺が高校生になり保育園へ遊びに寄った。その時に園長先生が見せてくれた高校生の、まみの写真は「堀ちえみ」に似ていた。大成女子高の制服を着ていて、看護婦を目指しているという。
俺が大学を卒業し千葉県の工場へ就職することを園長先生に報告しに行った。まみは病院に就職、そこで出会いがあり結婚したと教えてもらう。
園長「俺君と結婚すると思ってたよ」と俺が忘れていた保育園の七夕での話は、この時に聞いた。
まみとの出会いは、骨を折ったり人を好きになったりと初めてを体験をする運命だったのだろう。
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誰かが俺を引っ張りあげて、俺自身も出来る事をしただけだが、この場所に俺は辿り着くことが出来た。悪くはなかったと思う。
結婚を約束して未婚の人、水戸二中の人、商業科の人、女子高の人とイルカと後悔は残る。
今からどうすることも出来ないし忘れないように文章にしている。自分の選んだ世界、後悔しながらも生きていく。
人との出会い、その全てに意味がある。出会いで助けられた分、俺も誰かを助けたいと思っている。しかし制御しきれない人は助けられない
(PWわ704)
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