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30代後半になってフリーになり、副業を構成し直せば収入は大丈夫だろうと考えていた。当初、仕事は全く無かった。しかし時間だけはあるからブログで小説を書いてみようと始めた。
小学生の頃は作文が得意だったので、いつか時間ができた時に自伝を書きたいと思っていた。やってみたら誰かの目にとまり知らぬ間に漫画の原案になっていた。物書きの世界は厳しいと聞くから、そんな簡単に採用されていたとは驚くばかり。その前兆はあったが。
俺の小説は、スゴーイ大作でもないしアッと驚くようなストーリーじゃないです。でも誰かに俺の話を、どうしても聞いて欲しくて小説にしました。
楽しい話、悲しい話、笑っちゃう話、そして大事な約束の話。
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今までの人生で認められることは少ないが、初めて認められたのは俺が小学生の頃になる。
4年生の夏休みの登校日。集団下校の班(7人)での出来事。
班長と副班長を、やっていた男子達が昇降口前で集合時に整列せずに、じゃんけんか何かで遊んでいたのを担任教師が校舎の3階ベランダから見ていたみたい。
その時に整列して待っていた俺と俺の前にいた純子が班長、副班長に2学期から任命される。
俺は学業でも運動でも平均以下でクラスでは身長が高いだけのモブ役であった。純子も目立つ方ではなかったと思う。
身長が高い俺が先頭の方が、いいだろうと担任が言い出し班長に決まる。
班長が俺に変わって学校から前より早く帰ってくるようになったため、保護者から担任に確認の電話があったと俺と純子が呼び出される。
前の班長は下校中に毎回立ち止まって話し出して道草をしていたけど、俺に変わってから道草はしないから早く帰るようになったと担任に説明する。純子も同意する。
実際、前の班長は鬼軍曹だった。歩く時は軍隊のように足並みを揃える事を要求されていた。揃わないのが副班長に見つかると全員の歩みを止め、班長から叱責があった。
前の班長は成績が良く学級委員だった。水戸一高へ進学し大学へ行くと何度も豪語していたのを覚えている。今思うと「小さな池の大きな魚」だったのだろう。
身長の違いから俺は足並みを揃えるのに苦労し怒鳴られていた。そんな状況で心配してくれたのが純子だった。
純子「私の足の動きを見て同じに足を動かせば大丈夫だよ」と助言で俺は少しずつ改善していった。
それでも純子の服装によっては足の動きが見えないこともあった。
俺「長いスカートだと上手く合わせられない」
純子「ごめんね。スカートは短めにする」と気を使ってもらい俺も怒られずに足を合わせられるようになった。
ところで班長、副班長と言っても先頭を歩くか最後尾を歩くかの違いしかない。しかし班長は週に1度提出する下校状況を書かなければならない。
初めて認められたのはいいが、いきなりの班長指名で副班長の純子に協力をお願いする。
純子「一緒にやるならいいよ」と快諾してくれて、作文が苦手な俺はホッとする。
俺は下校から学童保育へ直行なので純子の家で一緒に書類を作ることに決まる。
純子の家は周囲を畑に囲まれたところにあった。平らな屋根の2階建てで、純子の部屋は2階にあり当時は珍しかったクーラーが付いていたのを覚えている。
純子と2人で書類を作成していたら中学生の姉が部屋に入ってくる。
姉「あれ?めずらしい!男子が来ている!はじめまして、純子の姉です」
俺「はじめまして!下校で一緒に班長と副班長をやることになりました」
姉「今の時期から?」
俺「はい、担任から急に任命され困ってます」
姉「それで2人の力を合わせるみたいな?」
純子「お姉ちゃん、邪魔しないで」
姉「ごめん、ごめん」
それで姉は出て行ったが、飲み物を持って再び登場。
姉「ゆっくりしていってね」
俺「はい」
気を使ったのか、すぐに自分の部屋に戻って行く。純子の話しで姉は水戸商業を目指しているという。
慣れてくると書類は数分で作成できるようになり、終わってから一緒に宿題をするようになる。純子は国語と社会が、俺は算数と理科が得意で、お互いに出来ないところを教え合う。
夏休み前に俺が班長になっていたら宿題の読書感想文で苦労しなかったかも知れない。この時に教えてもらった作文の基礎が今に繋がっている。
純子は学校の教材以外に姉の、お下がりで「進研ゼミ」を使っていた。その「進研ゼミ」が面白くて読ませて貰いに行くのが楽しみとなる。
学童保育で「科学と学習」を園長の息子が購読しているのを借りて読んでいたが面白くはなかった。
夏休みはもちろん、春休みも冬休みも俺は外祖父母宅に預けられていた。
叔父の結婚式があった春休み、祖父母の家に従姉妹が来て一緒に留守番となった。従姉妹は水戸商業に合格し入学前に高校から出された課題をしながら俺の宿題の進捗を見てくれた。
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イオンカードでゴールドカードが勝手に送付されてきた。基本的に10日と感謝デーにしか使わないが、n版の代金決済でも使ったらからだろう。無料のゴールドはセゾンカードに続き2枚目。
「人が嫌がることをしたら自分に返ってくる。人に優しくしたら、それも返ってくる」
俺は超能力か、どうかわからないが結果として良い選択をしている(それを自分は運が良いと考えることにしている)
結婚を約束して今も未婚の人、水戸二中の人、商業科の人、女子高の人、イルカや純子と後悔は残る。自分の選んだ道、後悔しても過去は変えられない。
俺自身の力だけで、今の状況に辿り着けた訳ではない。出会った人に助けられ今がある。人との出会い、その全てに意味がある。全ては繋がっている。必要な人には必ず辿り着くし必要ない人は別の人によって遮られる。
嫌われてもいい。でも付き合う人は選ぶ必要がある。無理に好きになってもらう必要も、分かり合う必要もない。男女では考え方や生き方が違うのだから。
どんなに好かれようとしても、俺を好きになるのかは相手が決めること。
嫌われないように時間と労力を注ぐくらいなら、好きでいてくれる人を大切にするべき。
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