「信じる」って変な言葉だと思う。
本当に心から信じていたら「信じる」なんて言葉はいらないだろう。
例えば、空気があると信じてるとは言わない。それは疑っているから信じるってことになる。
でも、「信じる」って言うのは信じたいという希望の言葉なんだろう。
---------------
【アイコンは大野晶】
大きい画像は大野とハルオの別れのシーンで指輪をプレゼントして泣いているところ。
指輪を渡してハルオと大野が一緒に泣いているシーンをマンガup!で読み返したら大野に折り畳み式自転車をあげた時を思い出した!ハルオみたいに指輪にするべきだったかも。あの苦し紛れの約束がある限り指輪を渡す機会はあると信じる。
出会いとなった大野からの手紙を貰った時は悪戯かと思ったぞ。あの頃の好きの気持ちは今も変わってないし、大野が俺の事を知ろうとしてくれたことが嬉しかった。今度は今の大野の事を俺が知りたい。
思い出を作ったことを大野は後悔していないだろうか?キスのような強烈な行為と共に海馬に記憶された出来事は忘却しないと言うから、あの約束も忘れていないと信じている。オマジナイも一緒に何度もした。いい思い出になったよ。
大野と一緒なら、きっと介護だろうが戦争たろうが乗り越えていけると自然と思える、お互いに心の支えになれたらいい。
大野との別れは察するに俺に迷惑をかけたくなかったのだろうと思う。俺の知る大野は配慮が出来る優しい人だからだ。
でも別れたからと諦められるくらいなら、それはきっと本当の恋じゃない。相手の気持ちばかり考えていては、いつか後悔する事になるだろう。
別れてから高野墓地に独りで行った。迷って目的の墓にたどり着けず報告は出来なかった。迷惑をかける状況が改善したなら俺を高野墓地に連れて行ってほしい。
------------
保育園での話。
俺は栃木県鹿沼市上殿町で生まれる。その後、引っ越して母と2人で水戸市松本町の貸家に住んでいた。
水戸市青柳町で新しく保育園を始めると個々の家に園長先生が出向き声をかけて回っていたそうです。当時の母は外に働きに出られずに縫製の内職で生計を立てていました。母は中学を卒業し富士紡績の小山工場に就職、夜は工場の私設学校で縫製や被服を勉強したと聞いています。
俺が大人になって戸籍を取って知ったが父親の認知は無く(母の意向らしい)、俺は私生児であった。
その保育園が開設して直ぐに預けられた。俺は3歳。母は保育園近くの食用油工場でパート社員で働き出す(収入は内職の倍に)工場の瓶詰ラインで働き出して1か月後、社長に仕事振りが評価されて事務所に配置転換となり正社員になったと聞く(収入は内職の3倍に)
一方、保育園では園児が増え1年もしないで自宅兼保育園では手狭になっていた。そのため米菓工場近くに建物を新築し移転。それに合わせて母は那珂市後台に引っ越し、俺は引き続き預けられていた。
移転になった保育園に、新しく女の子が入ってきた。その女の子は「まみ」と先生に呼ばれていた(漢字は覚えられなかった)
男の子が多かったため馴染めずにいた、まみに俺は「一緒に遊ぼう」と声をかける。絵本を一緒に読んだ。下を向いていて話す言葉は少なかったけど、絵本を読んだら笑顔になった。
その日から俺と一緒に遊ぶようになった。
滑り台で一緒に遊んでいると、まみが滑り台の上部から落ちそうになり支えた俺の方が落ちてしまう。
まみが泣きながら園長先生を呼んできてくれて俺は整形外科に連れて行かれる。骨折のため右腕はギブスで固定された。
園に戻ると、まみが心配そうに近づいてきた。
まみ「いたい?」と泣きそう
俺「泣かないで」
痛いのより手が使えなくて困っていた。
まみ「おてつだい」
俺「ありがとう」
まみが俺の使えない右腕分を補ってくれて助かった。着替えで服の上げ下げを手伝ってくれたのを覚えている。
自分の右手が使えない分は左手で補い、それなりに使えるようになったのは「怪我の功名」だった。
保育園で給食を出したいと園長から保護者に相談があり、調理師を探していることを知る。
母が富士紡績の寮にいた時に業務で調理師の免許を取っていた為、協力を申し出る。
その保護者会で、まみの母から「俺が保育園で仲良くしてくれ毎日楽しそうに保育園に行くので助かっている」と俺の母が聞いてきた。保育園が開園した頃から預けようとしたそうだが、まみが「行きたくない」と聞かなかったらしい。
まみの母より家に遊びにきてほしいと言われ母の仕事が休みの日曜に行くことになった。
毎週日曜の買い物はユニーからダイエー、最後に西友を回る。家から行きはバスで南町3丁目で降りて、水戸駅から国鉄で帰った。
ユニーのスガキヤでラーメンかダイエーのドムドムでバーガーを食べたり西友やダイエーのオモチャ売り場で遊ぶのが俺の楽しみだった。
日曜の午後に母に連れられて、まみの家に初めて行った。広い敷地に2階建ての家と車庫があり、隠れん坊をしたら見つけるの大変だと考えてしまう。
母は挨拶が終わると「帰りに迎えに来る」と言って買い物へ。
まみが自分の部屋を案内してくれて1つはベッドや箪笥があり、もう1つは本棚とテーブルがあった。部屋は2つあった。
緊張していた俺に、まみが「絵本を一緒に読みたい」と本棚から絵本を取り出してくる。
まみは、読んだ絵本の中で「織姫と彦星」が一番好きと言う。
一緒に並んで絵本を広げると腕のギブスが邪魔だった。何とか出来ないかと2人で試行し、まみを後ろから抱きかかえて座ることで解決。
絵本読んだ後、
まみ「いたいの、ごめんね」と急に言い出す。
俺「へいきだよ」
まみ「いたいのとんでけ」と俺のほっぺにキスしてくれた。
俺「いたいのとんでった」と言ったら2人で笑顔になった。
それから月に1回のペースで、まみの家に遊びに行った。
---------------
誰かが俺を引っ張りあげてくれて自身も出来る事をしただけだが、この場所に俺は辿り着くことが出来た。悪くはなかったと思う。
結婚を約束した人、水戸二中の人、商業科の人、女子高の人とイルカと後悔は残る。運命なら磁石みたいにお互いを呼び合う。
約束は守られない事が多いのが普通なのだろう。守られた約束は美談となるのは、そのせいなのかと感じる。
今からどうすることも出来ないから忘れないように文章にしている。自分の選んだ世界、後悔しながらも生きていく。
人との出会い、その全てに意味がある。出会いで助けられた分、俺も誰かを助けたいと思っている。
(PWわ704)
過去30日分の新着情報を表示しています。