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無料で漫画を読める「ジャンプ+」は、どうやって漫画家に還元してるの?編集長に聞いてみた

ニシキドアヤト

ライター:ニシキドアヤト

1991年の2月に生まれた、フリーのWEBライター。お風呂に入ると手がシワシワになる不思議な現象に対して、「不思議だなぁ」と思っている。趣味はネット徘徊。

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マイネ王をご覧のみなさま、はじめまして。
ライターのニシキドアヤトです。
変なステッカーをパソコンに貼っていて申し訳ありません。

突然ですが、みなさんはマンガ、読んでますか?
僕は昔も今もめちゃくちゃ読んでます。もうめちゃくちゃです。
学生時代も勉強そっちのけで読みまくっていたので、危うくその後の人生もめちゃくちゃになりそうなくらいでした。

今はスマホなどでも電子書籍でマンガが楽しめるようになり、我々の娯楽としてさらに身近な存在になりましたよね。

そんな時代に乗り遅れるなと言わんばかりに、様々な出版社や企業がマンガアプリ・サイトに参入し、その数は爆裂に増え続けています。

その中でも僕が個人的に一番重宝しているマンガアプリは、マンガ界のトップオブトップである『週刊少年ジャンプ』を発行している集英社が運営するマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」です。

ジャンプ+は連載中の作品が初回無料で読めるという、こちらが逆に「大丈夫か?」と聞きたくなるくらい太っ腹な機能があるので、今人気のある作品もすぐに最新話まで無料で追いつけるんですよね。
※ジャンプ+で連載中のオリジナル作品に限る。

普通、他のアプリでは過去の話は課金が必要だったり、逆に最新話を読むのに課金が必要だったりするのですが、「ジャンプ+」は全部無料。こわ。

だって普通は、連載中の人気作品こそ読者からお金を頂戴する絶好のチャンスだと思うじゃないですか。なのにそれが無料って......。

アプリもマンガも無料なのに、どうやって運営しているの? マンガ家さんにはちゃんとお金が入ってるの? マンガ家さんは儲かってるの? もしかして、無賃金でマンガ家さんを馬車馬のごとくコキ使うことによって成り立っているのでは......? そうなんでしょ?! ねぇ?!

など、考えれば考えるほどヒステリーを起こしたヤバい奴みたいな思考になってしまいます......。
気になる.......。


ジャンプ+編集長に話を聞きにいく

気になり過ぎてこのままだと本当にヒステリーを起こしてしまいそうなので、ジャンプ+を運営している集英社さんにやってきました。

すました顔をしていますが、昔から読みまくり、マンガ読者として英才教育を受けた『週刊少年ジャンプ』を発行している集英社に来てめちゃくちゃ喜んでいます。

となりのやべぇ人は株式会社人間の社長、花岡さんです。

僕の知り合いの中でも特にマンガ好きということで同行してもらったのですが、もうこの時点で後悔しはじめています。会社名も表情も髪型も全部やべぇな。

「花岡さんはジャンプ+の中で、どの作品が特に好きですか? 僕は『阿波連さんははかれない』、『魔都精兵のスレイブ』、最近はじまった『SPY×FAMILY』なんかがお気に入りです」

©️遠藤達哉/集英社

凄腕スパイ<黄昏(たそがれ)>は、より良き世界のため日々、諜報任務にあたっていた。ある日、新たに困難な司令が下る…。任務のため、かりそめの家族をつくり、新生活が始まるのだが!? スパイ×アクション×特殊家族コメディ!


「連載終了してしまったけど、『ROUTE END』、常にランキング上位にいる熱い忍者マンガの『地獄楽』、それと特におっぱいが大好きなので『終末のハーレム』は最高ですね!」

©️賀来ゆうじ/集英社

最強の忍として畏れられ、抜け忍として囚われていた画眉丸は、打ち首執行人の“山田浅ェ門佐切”から無罪放免になる為の条件を突きつけられる。その条件とは極楽浄土と噂の地で「不老不死の仙薬」を手に入れること…!! 生死を悟る忍法浪漫活劇!


「その顔で『特におっぱいが大好き』なんて騒がれると警備の人に怪しまれてしまうので、早速お話しを聞きにいきましょう」

今回お話しを伺うのはこの方。
「少年ジャンプ+」編集長の細野 修平さんです!

細野さんは2000年に集英社に入社し、『月刊少年ジャンプ』に配属。『ジャンプSQ.(ジャンプスクエア)』を経た後『週刊少年ジャンプ』の副編集長を務め、2年前に「少年ジャンプ+」の編集長に就任したとのことです。

すごい......! 根っからのジャンプ編集者だ......!


「細野さん、本日は編集長というお忙しい立場でありながら、本当に貴重なお時間をいただきましてありがとうございます!」

「いえいえ、今日はよろしくお願いします。なんでも聞いてくださいね」

「はい! 早速お聞きしたいんですが、ジャンプ+のマンガ家さんは儲かってるんですか?

「割とストレートにきますね」

「だっておかしいですよ! 連載中の作品はすべて初回無料で読めるし、有料の作品を読むために必要なコインも毎日アホみたいにバラ撒きまくってるじゃないですか!」

「いや、まぁ、はい......」

「マンガ界のトップオブトップという地位にあぐらをかいて、『ウチで描けば知名度が爆上がりよ? その代わりタダで描いてね』なんて言ってマンガ家さんを奴隷のように扱っているんじゃないんですか?!」

「とりあえず落ち着いてほしいし、安心もしてほしいんですが、しっかりマンガ家さんには還元していますよ」

「そうなんですか? でも、無料で公開していたら還元も何もないのでは?」

「めちゃくちゃ疑ってくるじゃないですか。ウチからマンガ家さんに還元しているものとして、当たり前ですが原稿料、そしてコミックス売り上げの一部・ユーザーが使用した有料コイン利用額の一部、マンガの最後に入っている広告収入の半分をお渡ししています」

「ホッ......よかった。しっかり原稿料払っているんですね!」

「ウチをなんだと思ってたの?」

「ちなみにいやらしい話なんですが、ジャンプ+の原稿料はおいくらくらいなんですか?」

「よくそんな笑顔で聞けるな」

「原稿料に関しては読み切り作品だと新人でも1ページ9,000円~。連載になると1ページ12,000円~お支払いしています。もちろん実績のあるマンガ家さんにはさらに増額させてもらっていますよ」

「え、新人でもその原稿料って、業界的にめちゃくちゃ高水準なのでは......?」

「そうですね。そこにさっき申し上げた広告収入やコミックス売り上げなどを加算すれば、生活に困るようなことはないと思います」

「週刊連載で18ページとして、月に72ページ......。9000×72すると......648,000円! そこに広告収入とかも加算されるんですよね」

「加えて言うと、ジャンプ+で連載中の作品から好きなページをTシャツにプリントして購入できるというサービスがあるんですけど、そこでTシャツが売れればその作品の作者さんにそちらの収益の一部もお渡ししています。とはいえ、仕事場の家賃やアシスタント代など諸経費もけっこうかかりますからね」

「Tシャツのプリントは面白いサービスですよね」

「よかった......。馬車馬のごとく働かされているマンガ家さんなんていなかったんだ......」

「本当にウチをなんだと思ってたの?」

より多くの作品を見てもらうための工夫

「現在、『少年ジャンプ+』で連載されている作品って、かなりの数がありますよね」

「そうですね。60作品弱はあるかと思います」

「60近く! 『週刊少年ジャンプ』の倍近い作品数ですね」

「そこがウェブのいいところで、ジャンプではどうしても連載枠の取り合いになってしまうんです。しかし、ジャンプ+に関してはそういった連載枠の上限がないので、面白い作品はドンドン追加しています」

「なるほど」

「さらに、ジャンプ+には誰でも自作のマンガを投稿・閲覧ができる『ジャンプルーキー!』というサービスもあるので、読める作品数は本当に多いですね」

「実質、枠は無限ということなんですね」

「枠は無限でも、我々編集者が無限にいるわけではないので、現状の連載数からドカンと作品を増やすというのは難しいところですが」

「それだけ作品数が増えてくると、どれを読めばいいか迷ってしまう読者さんも出てきそうですよね」

「そこはかなり気をつかって試行錯誤していまして。日別更新のランキングや、読んだ作品を評価することのできる『いいジャン!』数でのランキング、あとこれは最近はじめて好評なんですが、男性と女性というランキング表示もして、少しでも多くの作品が目に留まるよう工夫しています」

「本当だ。男女別のランキングがいつの間にかできてる」

「男性ランキングで『2.5次元の誘惑』や『終末のハーレム』といったお色気系が上位にあるのは分かりやすくていいですね」

「お色気系はやはり人気ですね。お二人も好きでしょう?」

「「そりゃあ、まぁ......ねぇ......?」」

新人の発掘方法

「『少年ジャンプ+』では、どのようにして新人さんを見つけてくるんですか?」

「やはり持ち込みとかが多いんですかね」

「少年ジャンプだと持ち込みが多いんですが、『少年ジャンプ+』では『ジャンプルーキー!』からの引き抜きが一番多いですね。ルーキーに投稿してくれている人は元々ジャンプ+に興味をもっている方が多いので、話も進みやすいです」

「みんな『少年ジャンプ+』での連載を目指して頑張ってるんだなぁ」

「あと、出張編集部というものもやっています」

「出張編集部?」

「はい。編集部が出張して作品を見させていただきますよ、という。大きいところでは、『コミティア』というオリジナルの同人誌即売会にブースを出しています」

「そんなこともやっているんですね」

「他にも、専門学校へ行って持ち込み原稿を見せていただくなど、実はいろいろしています」

「めちゃくちゃ窓口を広げているんですね。なんというか、勝手なイメージなんですけど、新人発掘ってクローズドな感じでやっているのかと思ってました」

「今は本当に誰でも作品を発信できる時代ですからね。その分、新しく素晴らしい才能は自分たちでも足を運ばないと発掘できなかったりもするので......」

マンガの編集者という仕事

「僕、本当にジャンプ+には感謝しているんです。ジャンプ+のおかげで毎週『あ、今日はあのマンガの更新日だな』みたいな楽しみがめちゃくちゃ増えたんですよ。本当にありがとうございます」

「そういってもらえると嬉しいですね」

「最後に細野さんにお聞きしたいんですが、やっぱりジャンプの編集者という仕事は大変ですか?」

「急にバカみたいな質問をしだした」

「そうですね。でも、大変さより楽しいことの方が圧倒的に多い仕事ですね。マンガ家さんってみんな天才なんですよ。この仕事以外で、こんなにたくさんの天才と出会える仕事は他にないんじゃないかな」

「めちゃくちゃいいフレーズだ......」

「本当にいろんな刺激をマンガ家さんからはいただいているので、我々も『少年ジャンプ+』をより良いサービスにして、みなさんに還元していきたいですね」

「マンガ家と編集者の素敵な信頼関係だ......。細野さん、今日はお忙しい中本当にありがとうございました!」

最後に

というわけで今回は「ジャンプ+のマンガ家さんは儲かってるの?」という疑問を集英社さんに直接問いただしに行ったわけですが、儲かっていないどころか超高水準での報酬体制でした。

「初回が全話無料で読める」というビックリなシステムも、様々な試行錯誤から生まれたアイディアだったんですね。

本誌にも負けず劣らずな素晴らしい作品の数々が読める『少年ジャンプ+』で、みなさんもぜひ様々なマンガの世界に触れてみてください。

読んだあと、「いいジャン」を押すのは忘れるんじゃないぞ!
面白かったらコミックも買うんだぞ!!

というわけで今回はこの辺で。

ニシキドアヤトでした。


ニシキドアヤト

ライター:ニシキドアヤト

1991年の2月に生まれた、フリーのWEBライター。お風呂に入ると手がシワシワになる不思議な現象に対して、「不思議だなぁ」と思っている。趣味はネット徘徊。

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コメント 13

びっくりしました!!
漫画家さんてどれくらい稼いでいるのかと思っていたので、リアルな金額で本当にびっくりでした。★*☆(*^▽^)/★*☆♪構成にストーリーに枠取り等色々考えられていて、本当に天才‼

ふーん( ´Д`)y━・~~
おじさん興味ねーーー!!!

ちゃんと作者さんに還元されてたんですね。
良かったです。😊

ジャンプ+というサイトがあることすら知らなかったのですが、原稿料についてなど含めて、色々勉強になりました。

早速アプリダウンロードしてみました!(((o(*゚▽゚*)o)))
素敵な記事ありがとうございます!

uchiwonandato.jpg

ここが面白かった!

ジャンプ+ダウンロードしてみてみたくなりました!情報ありがとうございます😊

今、バクマンをアニメで見ているので、時代は変わるのね~って思います。

爽やかな笑顔でのゲス質問(褒め言葉)が素敵すぎます。
疑問を忖度なく叩きつける、失礼にも程がある展開(褒め言葉)につい笑ってしまう…
誰が一番儲けてるの?とか更にゲス質問もしたんだろうな、とか絶対掲載できなかった物もたくさんあるだろうな、とか推測しながら楽しく読ませて頂きました。
似たような疑問持ってたのでスッキリして
これからも楽しくマンガ読ませて頂きます。

稲垣選手ばりにニコリともしない編集長が素敵w

ジャンプ+の定期購読者な私が通りますよ。
ε=ε=(o ・ω・)oブーン

ジャンプ+は漫画のクオリティや量も素晴らしいですが、アプリとしても秀逸だと思います。
他の漫画アプリと比べても軽いし、オフラインでも閲覧できるのは本当に秀逸。

不満を言えば「なんで週刊少年ジャンプに限定するの?」って事。
集英社の他の漫画雑誌もこのアプリに集約して欲しいです。
大人の事情もあるんだとは思いますが・・・。

まずは「ヤングジャンプ 定期購読デジタル」と「となりのヤングジャンプ」でイミフに迷走しているヤンジャンのデジタル版を救ってあげて欲しいw
ブラウザで閲覧するのは重いし、となりの・・・アプリは使いづらいし。

同じ集英社として是非。

漫画の時代の変化が読み取れる内容で面白かったです。

TVアニメの方を中心に見ていて漫画の方はあまり読まないのですが
「ジャンプ+」私もチェックしてみたいと思いました。(^^

連載終了の基準が欲しかったなあ

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