Mobile World Congress 2017レポート

このたび、私含めmineoから3名がスペインのバルセロナで開催されたMobile World Congress 2017（開催期間：2017年2月27日～3月2日）の視察に行ってきました。今回はその報告です。

私自身初めての海外視察で、英語がほとんど喋れないのですが・・・想像以上に英語を喋れないことがハンディキャップとなりました。最大限集中して耳を傾けていると、幾分は単語が聞き取れて大よそ理解できるのですが、少しでも気を抜いてしまうと、まるでお経にしか聞こえてきません。今回はペラペラの上司に甘えさせてもらいました。
こんなにも英語を勉強しようと思ったことがないほど惨めな思いをしたので、帰国後、熱が冷めないうちに本を買って勉強しています。さらに、オンライン英会話をしようと考えています！

Mobile World Congressとは？

さてさて本題のMobile World Congress（以下、MWC）についてです。MWCとはなにか？というと、簡単に言えば、世界最大級の携帯電話関連の見本市です。

スペイン・バルセロナで4日間にわたり開催され、世界約200カ国が参加し、2,300を超える企業がブースを展開しています。なんと今年初めて来場者数が10万人を超えたようです。
各国の携帯電話会社、端末メーカー、ソフトウェアメーカー、コンテンツプロバイダー、販売会社が集結しているとんでもなく巨大なイベントです。東京ドーム、ビッグサイト、幕張メッセ、など何個分かわからないくらいの規模です。

会場入り口はNFC

こちらの写真は会場の入り口で、厳重に警備されています。この写真では入り口が狭く見えますが、この入り口レーンが横に何列も並んでいます。

2種類の入り口がありました。
ICタグ内蔵の参加証とパスポートで入場できる通常の入り口と、予めNFC対応のスマホで顔写真等を登録しておき、NFCリーダー（写真右側）にタッチしてデジタルバッヂとして入場する入り口に分かれています。
もちろん、私はデジタルバッヂで入場しました。やっぱりデジタルは便利ですね。FelicCaではなくNFCなので、日本の自動改札のようなスピードはもちろんないです！

これに関係する話として、ヨーロッパは特に、キャッシュレス化が進んでいるのを肌で実感できました。
今回、空港で1万円だけ現金に両替しましたが、1週間ほど滞在しても数千円分しか使いませんでした。
ちょっとしたカフェはもちろんですが、マクドナルドも当たり前のようにクレジットカードです。日本ではあまり考えられませんが、露天にあるお土産屋でもクレジットカード決済端末が普通にあります。MWC会場内のジュースを買う自動販売機（下の写真右）ももちろんクレジットカードです。

先日、日本の電子マネー決済金額が初の5兆円突破というニュースがありましたが、日本は現金主義の文化が残っているのか、シェアとしてはまだまだ低いようです。
私はiPhone 7にしてからはもっぱらApple Payを使うようになり、日常の買い物もほとんどクレジットカードですので、日本でももっとクレジットカードが使える環境が増えて欲しいなと思います。
ラグビーW杯や東京五輪もあるので、徐々に増えていくのを期待しています。このクレジットカード決済にも通信が使われていますので、そのあたりでmineoも関われたらなと考えています。

MWC会場内の様子

余談が長くなりましたが、会場内は朝からたくさんの人で溢れていました。
出展しているブースを大まかに分類すると、端末、5G、クラウド、IoTという感じです。

まず私が個人的に衝撃をうけたのがこちらのHUAWEIです！

HUAWEIはMWC開幕前日に発表会があり（写真左）、その発表会の壮大さに驚いたのですが、なんと、MWCでも超特大のブースを3箇所も展開しており、まさに今の勢いを感じるものでした。

右の写真はHUAWEIのメインブースです。世界各国の衣装を着た女性が入場ゲートで入館チェックをするという、おもしろい演出をしていました。日本はもちろん着物を着た女性でした。
よくわかりませんが、とりあえずお金はかかっているようです。

今回注目すべきは新商品の発表です。
mineoでも「P9lite」、3月3日に発売したばかりの「nova」というHUAWEIの端末を展開しているので、皆さんも比較的馴染みがあるかと思います。ヨーロッパではかなりのシェアをもっていて、現在世界シェア3位にまで登りつめており、Appleを抜く勢いと言われているほどです。実は日本国内でのシェアもどんどんと上がってきているようです。HUAWEIさんには失礼ですが、そこまでとは知らなかったです・・・

そして今回、新商品として発表されたのは写真にもある「P10」です！

デザインも良くなりましたが、特筆すべきはライカレンズを搭載したカメラ機能です。写真がものすごく綺麗でした。P10 Plusも発表され、個人的にはそのPlusが欲しくなったのですが、現時点では日本での発売は決まっていません。日本での発売が決まった際には、mineoでの取り扱いも検討しているようですが、高価格帯端末なので悩んでいるようです。（FCだんご@運営事務局 談）
PANTONEとコラボしていてグリーンカラーもあったので、取り扱われるといいですね。


こちらはHUAWEI WATCH2。比較的カジュアルなデザインのものが多かったです。

写真では少しわかりづらいですが、2枚目の画像のとおり片方のバンドを外すとSIMが入るようになっていて、単独でLTE通信が可能となります。個人的にはこれにmineo SIMを入れて使いたいなと思います。

端末からはもう1つだけ。
MWCで最優秀スマートフォン賞をとったSONYの「Xperia XZ Premium」を紹介しようと思いましたが、すでにさまざまな記事が出ていますのでここではあえて割愛して、代わりに、NOKIAのガラケーです！

私は事前に知らなかったのですが、NOKIAのブース前を通ると、ものすごい人だかりができていました。
なんとか中に入り込んでみると、何ともNOKIAらしいケータイが展示されていました。私が携帯電話を持ち始めた頃を
思い出しました。恐らく皆同じような気持ちで触っていたと思われます。

どういう意図をもって発売されるのか定かではありませんが、会場ではかなりの注目を集めていました。
NOKIAといえばかつては世界トップのシェアでしたが、Microsoftが買収。NOKIAロゴが消滅し、フィーチャーフォン事業が売却され、スマートフォン事業も縮小。そんなタイミングでスマートフォン、フィーチャーフォンを発表したNOKIAが復活するのかどうか、といったところのようです。
かつてのNOKIAを取り戻すという意思表示なのか、それとも戦略なのか、時代は繰り返すと言われますが、スマホ疲れから、癒しのガラケーの時代がくるのか・・・
いずれにしても、通信が2.5Gということで、日本では対応していないので発売はされないようですが、既に世界各国ではかなりの台数の販売予約がされているそうです。

次に5Gです！
エリクソンのブースをまわることができました。こちらも非常に興味深いデモをやっていました。

5Gによる遠隔運転のデモです。右下のMr.ビーンに似た男性が座っているのが運転席で、足元には車と同様にアクセルとブレーキがあります。なんとなんと50kmも離れた場所にある車を5Gの通信によって遠隔操作ができる、というものでした。信じられません。これが5Gの力か・・・と少し感動しちゃいました。若干の遅延はあるようですが、本当にその場で車を運転しているかのように、ほぼリアルタイムで遠隔操作していました。

他のブースでも5Gは今回かなり盛り上がっていて、商用化に向けたデモが各所で行われていました。近い将来、想像できなかったようなことができるのかもしれません。楽しみです。


最後にIoT！
少し地味ですが、オランダの会社の事例が個人的に興味深かったです。IoT向けの通信技術LPWAを活用したゴミ箱の事例です。LPWAとは、簡単にいうと、低消費電力で広いエリアをカバーできる無線ネットワークのことです。

これがそのゴミ箱です。このゴミ箱の中にセンサーがついています。
センサーでゴミがいっぱいになったことを検知して、通信で連携され、ゴミ回収が来る、というものです。いたってシンプルですが非常に画期的だなと思いました。
日本はゴミ箱が街中に少ないなと感じています。東京五輪に向けて、こういったスマートゴミ箱なるものが街中にあると非常に面白いなと感じます。
また最近ニュースで宅配が話題になっていますが、宅配BOXにも応用できないかなとも思います。

最後に、、

今回はスケジュールも比較的きつきつで、ゆっくりとブースをまわる時間があまりありませんでしたが、それでも、これから生まれるであろうさまざまなサービスの根幹となる技術を目で見て体感できたことが何よりも刺激的でした。
英語さえもっとできれば、興味あるブースでの説明を聞き、質問もできたことを思うと非常に悔しさは残ります。
リアルタイムに翻訳できるようなサービスが早くできないかなと思いました…笑
自力でも習得して覚えます！
そして、この目で見たものをmineoのサービス向上にも繋げられるよう頑張りたいと思います！

長々と書いてしまいましたが、皆さんからのご要望があればMWC以外の番外編記事も書きたいと思います。
ありがとうございました。