「バリバリ財布」のバリバリ音をスマホのタッチ決済時に鳴らしたい

『財布をバリバリさせないとタッチ決済できないスマホケース』を作りました。

「なに言ってるの？」

あ、はい。ですよね。順を追って説明しますね。

バリバリ財布。

開閉部分にマジックテープが使われており、開けるときには「バリバリッ」と豪快な音を響かせる、あの財布。

同時に、「彼氏に使ってほしくない財布」として揶揄されがちな代物でもあります。アスキーアートで有名ですよね。

たしかに、「小・中学生が持つ財布」といった印象が強いこの商品。だからこそ、フォーマルな場で恋人が使っているのを見ると「あ…」と冷めてしまうのも頷けます。

僕も、小学生ぐらいまではバリバリ財布を使っていました。しかし、やがて色気付くようになると、「えっ、この財布、“あちゃ～”なんだ…」と気づき出し、非バリバリ式へと鞍替え。いまではもう、財布どころかスマホでキャッシュレス決済がメインですからね。さらには「現金支払いはダサい」という新しい価値観も生まれているらしく、このままだと財布そのものがダサいと言われる時代が到来してしまうかもしれません。

………しかし、それでもレジでスマホ決済をしているとき、ふと、こう思ってしまうのです。

と。

だって…！ だって僕には…！「ペイペイ♪」とか「ワオン♪」とか、洗練された電子決済音よりも…。「バリバリッ」のほうが馴染み深い決済音なんだから…！そう、自分にとって、あのバリバリこそが決済音の原点。原始。原始決済。

そして冒頭の話に戻ります。

ならば、タッチ決済のセンサー部分に、あのバリバリ財布を装着させてみよう。そうすることにより、スマホでの決済時に強制的にバリバリ音を響かせることができるってこと。

「強制的に」と書いてしまいましたが、僕にとってはその決済方法こそがプライスレス。

…まぁ、そもそもの「デート中の相手にドン引かれる」はなにも解決してないんですけども。構わん。相手泣かせて、音鳴らせ！ イエア！

まずは……

改めて、バリバリタイプの現物

このマジックテープ式の財布、見つけるまでに近所の100円ショップを5～6軒まわりました。このタイプの財布、100均ならどこでも売ってるとばかり…。昨今におけるマジックテープ式財布の需要の低さを痛感しました。

100均の製品開発担当者さん、まだ、あります、バリバリ財布のニーズ。バリバリ財布を現役バリバリで使いたい男、ここにいます。何卒。

とはいえ、自分もマジックテープを手にするのは久方ぶり。

…………。

…………。

はいはいはいはいはい。うんうんうんうん。はいはいはいはいはい。

コレですな。コレ。

この、手荒にベリベリと面ファスナーを引き剝がす感触。そして、バリバリの響き。コレなんすわ。あの頃、僕が何度も耳にした、郷愁の音色（メロディー）。

マジックテープを剥がす行為って日常的に何度もやってるのに…。不思議ですね。財布のマジックテープは、心なしか、音が違って聴こえます。「想い出補正」と言われたらそれまでだけど…。補正できるほどの想い出が、このバリバリ財布にはある。それで良いじゃないですか。そういうことじゃないですか。僕たちって。

あとそんな恥ずかしくないな。

いま部屋で一人の状況だということを差し引いても…。このバリバリ行為、そんなに恥ずかしくない。

たしかに、学生のころだったら…。自分が使うのはもちろん、周りがバリバリ財布を使ってるのを見たときには「うわ～…」とノットフォーバリバリだったけど…。僕も、もう30歳を超えてるし…。

この行為への羞恥、なんも感じない。コンビニぐらいだったら平気でバリバリできると思う。これを機に、普通にバリバリ財布持ち歩こうかな。値段安いし、耐久性も高そうだし。僕たちはバリバリ財布から始まり、やがてバリバリ財布を離れ、それでも最後はバリバリ財布に回帰する。

ミニサイズのバリバリ財布を作る

というわけで、ようやくここからが本題。バリバリ財布をスマホケースに装着させます。

僕が使用しているスマホのタッチ決済のセンサー部分はココ。このあたりにバリバリ財布を装着させればOKってことです。

しかし、元の財布をそのまま貼り付けると不格好になってしまうので、ミニサイズのバリバリ財布を作っていきましょう。

素材はオリジナルのバリバリ財布をそのまま流用。財布にハサミを入れるの、なんかちょっと嫌だな…。縁起的な意味で…。

おいおい、これじゃバリバリ財布じゃなくてバラバラ財布かいw ……こういうユーモアを臆面もなく言える年齢になりました！！！ たすけて！！！

普通のチャコペンじゃ色がつきにくいのでボールペンで線を引きます。

本筋とまったく関係ないけど、このデザインの定規、懐かしくないですか！？ 小学生のときにもらう定規ってこれでしたよね。そして先生は超ロングバージョンを使ってた。

パーツは布用の両面テープで貼り合わせ。

バリバリ財布の核（コア）となる面ファスナーも慎重に貼り付けて…

せっかくだからチェーンを通す輪っか部分も作って……

完成！

どうしたって違和感はバリバリだけどさ…。それでも、なんとなくバリバリ財布っぽく見えますよね？ よしゃよしゃ。

財布部分は観音開き仕様になっており、開閉することによってタッチ決済部分が露出します。文字通りのおサイフケータイすぎる。お金は一切入らないけど。

ちなみに、ウェレットチェーンもつけられます。やっぱり、バリバリ財布はチェーンがあってこそ！

さて。そんなこんなでバリバリ財布は無事に完成しました。あとはこの財布を実際に「適したシチュエーション」で使ってみましょう！

バリバリ財布スマホケースの使用イメージ

某日、都内のとあるバーにて――

ボクはたかや。今日は気になる女性を誘ってBARにやってきた。30回断られ続けてようやくOKしてくれたんだ。

恋は、おかめ納豆。粘り強くいかなくちゃ！

「今日は来てくれてありがとうね…」

「隣にキミがいるだけで、お酒も格段に美味しくなるね」

「シャンプーの種類、変えた…？」

一夜漬けで頭に叩き込んだそれっぽいトークを繰り広げるボク。

（撮影に協力してくれた知り合い。「ボクが口説こうとするので、ゴミを見るような目で見てください」と演技指導させていただいた）

開始数分で口説き文句のレパートリーも尽きた。自分の人生、BARで女性を口説く体験、皆無すぎる。

考えうる限り、一番バッドなセリフチョイス。

予定ではこの口説きパート、あと10分ぐらい続けるつもりでしたが、耐えられる気が本当に全然しないので会計パートに移りましょう。

ぼったくりすぎるだろ。手持ちのキャッシュじゃ全然足りないので、キャッシュレス決済をします。

……………。

………………………ええい！

気ん持ちいい～～～～。

静寂の店内に、バリバリ財布のバリバリ音が響く、響く。

お洒落な雰囲気をぶち壊すバリバリ音。この店内において、もはや自分はソリスト。バリバリ音のソロプレイヤー。

お洒落なBARの店内で…ということも相まって、なんというか、「いま、すごくいけないことをしてるな」という気分になります。快感。背徳感。絶頂感。

最高ですなぁ！

バリバリ財布とスマホ決済を組み合わせると楽しい

タッチ決済も完了

そんなわけで。多くの人にとって懐かしの「バリバリ財布」を、スマホのタッチ決済と組み合わせてみました。まぁ、やったことはちっちゃい財布を作って、スマホのケースに貼りつけただけなんですけど。

スマホのキャッシュレス化が進み、ますます財布の使用頻度が減ってきている昨今。だからこそ、あえて、スマートじゃなかった決済方法に立ち返ってみるのはいかがでしょう。

あと、最近の若い人の間では「彼氏が会計時に電子決済音を響かせて蛙化した」って話もあるらしいです。ならば、もっと蛙化しそうなバリバリ音を前フリに使うことにより、相対的に電子決済音をうやむやにできないでしょうか。……無理あるか。

編集：ノオト