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スマホ用VRゴーグルのおすすめ3商品を実機比較!100均で買える商品との見え方の違いも紹介します
PC・ガジェット・AV機器などの解説や評価を行なうフリーライター。趣味は旅行・キャンプ・登山・海の沖のほうで泳ぐこと。
<目次>
フリーライターの湯浅です。
皆さんは「VR」をご存知ですか? 「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と和訳されています。ゴーグルのような機器を顔に装着して、まるで現実世界のような視界を体感できる仕組みのことです。
10年くらい前に、簡易型のスマホ用VR「Google Cardboard」が発表され、私もそこからVRにハマりました。今では本格的なVRヘッドセット(後述)を愛用しているほどです。
でも、周囲にVRの良さを知ってもらおうとするときには、初期費用が少なくてすむスマホ用VRを勧めています。
そこで、現在販売されているスマホ用VRゴーグルはどんな感じなのか、4製品を試してみました。
(注意)VRゴーグルやVRヘッドセットには対象年齢の制限があります。製品によって異なるので、注意書きを確認してください。
1. スマホ用VRゴーグルとは?
「スマホ用VRゴーグル」とは、スマホをセットして顔に装着することで、VR体験ができるゴーグルのことです。
スマホで表示したVR用の映像を、実際に眼の前に広がっている映像のように見せる機構を持った機器が「スマホ用VRゴーグル」なのです。
1.1. VRゴーグル・VRヘッドセットは主に3種類
VRゴーグル・VRヘッドセットは、「スマホ設置型」「パソコン・ゲーム機接続型」「スタンドアロン型」の3種類があります。以下でそれぞれの特徴について解説します。
スマホとゴーグルの組み合わせでVRを実現するための機器が「スマホ用VRゴーグル」です。
ゴーグル内には左目用・右目用と2つのレンズが内蔵されており、画面が2分割されて表示されることで、立体的に見られるという仕組みです。さらに、スマホが内蔵しているジャイロセンサーを利用して、頭の動きに合わせて映像を動かすこともできます。
この後紹介する「パソコン・ゲーム機接続型」「スタンドアロン型」に比べると、簡易的なアイテムにはなりますが、手軽にVRを体験できるのが魅力です。
今回はこの「スマホ設置型」を実機使用して紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
VR映像を表示するための「左目用ディスプレイ」「右目用ディスプレイ」が内蔵されているタイプです。対応するパソコンやゲーム機に接続し、VR用のアプリやゲームを利用することができる、いわば「外付け液晶画面」。
パソコン用の「HTC VIVE Pro 2」や、プレイステーション5用の「PlayStation VR2」などが該当します。
スタンドアロン型とは、コンピュータとディスプレイが内蔵されているタイプ。Wi-Fiでインターネット接続し、その機種専用のVRゲームやアプリをダウンロードして利用します。
スマホやパソコンなしで利用できるため「スタンドアロン型」と呼ばれています。
「Meta Quest 3」「VIVE Focus Vision CE」などがあり、2024年に話題になった「Apple Vision Pro」も、公式には「空間コンピュータ」とされていますがVR機器の一種といえます。
1.2. スマホ用VRゴーグルの魅力
スマホ用VRゴーグルの1番の魅力は、価格の安さ。「パソコン・ゲーム機接続型」や「スタンドアロン型」のVRヘッドセットは、5万~10万円くらいが主な価格帯。一方で、スマホ用VRゴーグルは、およそ2000~5000円くらいと手頃な価格帯が魅力です。
さらに、VRゴーグルが軽く、電源がいらないというのもメリット。多くのスマホ用VRゴーグルは、スマホ画面をのぞくためのレンズがついているだけのシンプルな作りです。そのため、電子的や機械的な部品がなく、軽量で持ち運びがしやすいといえるでしょう。
ただし、「パソコン・ゲーム機接続型」や「スタンドアロン型」のように、両手の動きや歩行を感知する仕組みはないため、主な用途は「VR映像の鑑賞」といえます。
2. スマホ用VRゴーグルの選び方
スマホ用VRゴーグルはどれも同じような形状をしていますが、実は細かい違いがあります。購入時のチェックポイントを見ていきましょう。
スマホ用VRゴーグルは、内部にスマホをセットします。そのため、スマホが大きいと入らないことがあります。対応するスマホのサイズをチェックしておきましょう。
また、スマホケースやストラップを装着している場合には、その状態でセットできるかも確認おきたいところ。そのままセットできれば、使うたびにケースやストラップを脱着する面倒な作業を減らせますよ。
スマホのVRでは、音声はスマホのスピーカーから再生されます。それでも十分楽しめますが、よりリアルな没入感を楽しみたい場合には、イヤホンやヘッドホンの利用がおすすめです。
ヘッドホンを内蔵した製品なら、スマホのヘッドホンジャックに接続することで、ヘッドホンから音声を聞けます。
VRゴーグルの画面は、現実世界と同様に、視力が悪いとよく見えません。その場合には、以下のような対策が必要です。
メガネを着用する
メガネを着用してVRゴーグルを使う場合、メガネ対応のVRゴーグルが必要です。サイズが合っていないと、メガネが顔を圧迫して痛かったり、変形したりしてしまう可能性があります。
VRゴーグルのピント調節機能を利用する
ピント(焦点)調節機能のあるVRゴーグルなら、視力が悪くても補正できます。裸眼で装着できるので快適です。補正できる範囲は製品によって異なるため、自分の視力に合った補正ができるか確認しましょう。
コンタクトレンズを着用する
コンタクトレンズで視力を補正できていれば、VRゴーグルも問題なく利用できます。普段からコンタクトレンズを使っているなら、この方法もおすすめです。
それでは、スマホ用VRゴーグルの人気製品3種類を実際に試していきましょう。それだけでなく、100均で買える商品も1種類試してレビューしてみたので、併せてチェックしてみてください。
ゴーグルは実際に筆者が装着してチェックしていますが、装着の様子は現場にいたスタッフに着けてもらって撮影しました。
視聴するのは、ブライトサイドジャパンのYouTube動画「究極の360° VRジェットコースターでアドレナリン放出!」です。
ゴンドラのような形状のジェットコースターに乗るアトラクションのVR映像で、顔を動かして、上下・左右を360°見渡すことができます。VRゴーグルなしでも楽しめるので、スマホやパソコンでどんな動画か確認してみてください。
使用したスマホは、6.1インチの「Sony Xperia 10 VI (XQ-ES44)」です。
私は普段からコンタクトレンズを使用しているので、今回の視聴もコンタクトレンズを装着した状態で行いました。また、視力補正機能のあるVRゴーグルでは、裸眼でも試しています。
エレコムの「VRG-M02RBK」は、リモコン付属のVRゴーグルです。対応スマホは4.8~7.0インチと幅広いのが魅力。小型スマホの場合は位置を調整するアダプターも付属しているので、ズレる心配もありません。
左右のレンズのピント調節や、瞳孔間距離(目と目の間隔)の調整に対応しており、一人ひとりにあった調節が可能です。
また、形状にもよりますが幅142mmまでのメガネに対応しています。本体は280gと、今回取り上げた製品の中では最軽量である点も特長です。
付属のリモコンはBluetooth接続。画面上の任意の場所のタップや、「戻る」といった操作ができます。
スマホを操作したいときに、いちいちゴーグルを外してスマホを取り出すという作業が不要になるため非常に便利でした。
顔に接触する部分のパッドは薄く、やや硬めで、顔にしっかり固定できて痛みもない、ちょうどいい硬さです。パッドのカーブは、かなり彫りの深い顔向けだと感じました。
ゴーグルを保持するためのベルトはしっかりした素材で、長さ調節の範囲も十分です。
レンズは明るく、映像がクッキリ見えます。周辺部が歪むこともありません。ほとんど視界いっぱいに映像が広がっているため、とても没入感を得られました。
ピントの調節範囲が広く、視力がかなり悪い私でも、裸眼で楽しむことができました。普通サイズのメガネでも使用できましたが、やはり裸眼のほうがわずらわしさがなく快適に利用できました。
スマホでも、かなりの没入感・臨場感を味わえました。本格的なVRヘッドセットに比べると、レンズの枠が少し見えてしまってはいますが、それも気にならない程度です。
VRのほか、通常の2D映像を大画面で見ることにも使えるゴーグルです。小型スマホ用の位置調整アダプターも付属しているため、スマホがズレにくくなっています。
連動して動く両側面のツマミでピント調節、上面のダイヤルで瞳孔間距離の調節ができます。ピント調節は左右が連動しているため、別々の強度に補正することはできないため、左右の視力差が大きい人はメガネを使ったほうがいいでしょう。
上記の「VRG-M02RBK」と同様、幅142mmまでのメガネに対応しています。
レンズをVR用から2D用に交換すると、大画面用になります。
パッドの厚み、柔らかさともにちょうどよく、装着感は快適。パッドのカーブは、やや彫りの深い顔向けに感じました。
ベルトは今回の4機種の中では一番しっかりしており、耐久力が高そう。それだけにあまり伸びないので、頭周りが大きかったり毛量が多かったりする人は、きついと感じるかもしれません。
スマホを固定するための前面カバーが、スマホを入れた状態で閉じると外れやすくなっていました。これはカバーとスマホの間にあるスポンジの厚みのせいなので、スポンジが少しヘタってくれば閉じやすくなるのかもしれません。
明るく、ボケたり歪んだりしない映像で、しっかりVR映像として体験できました。
視力の調節範囲はやや狭め。私の視力では補正しきれなかったので、メガネを使用しました。
映像の迫力と臨場感は、上記の「VRG-M02RBK」とほとんど同じ。ただ、メガネを使っている分、鼻に当たる部分の圧迫感やメガネフレームが視界に入るのが気になりました。
視力の良い人なら問題ないのかもしれません。
なおVRとは関係ありませんが、ゴーグル内のレンズをVR用から2D用に差し替えて装着すると、セットしたスマホの画面を大画面として見ることができます。普通に表示したYouTubeやNetflixなどの映像が、大きく広がって見えるのは楽しい体験で、これは大きな付加価値だと感じました。
透光率99.7%と明るいレンズを採用したVRゴーグル。レンズは、長時間利用時の疲労を軽減するとされるブルーライトカット加工されています。
ピント調節と瞳孔間距離の調節が可能。ピント調節は左右連動で、左右別々の度合いに補正することはできないため、左右の視力差が大きい人は物足りないかもしれません。
極端に大きいメガネでなければ着用したまま利用できるので、裸眼でうまく見えない場合はメガネ着用での利用がおすすめです。
パッドはかなり硬めなのでグラつきなく顔に固定され、「顔を大きく動かして周囲を見渡す」ことの多い映像にも適しています。
パッドのカーブは彫りが浅めの顔に適していると感じました。パッドの硬さから、顔の形が合っていないと長時間利用時には痛くなるかもしれません。
ベルトはやや強度に不安があるものの、調節はしやすい構造。頭頂部に回すベルトが短めなので、頭の大きい人や髪の長い人は注意が必要です。
レンズはとても明るく、歪みもありません。映像はとても綺麗に見えるのですが、視界の中で画面周辺に「額縁」のように見えてしまう部分があり、視界としてはちょっとだけ狭めに見えます。
とはいえ、今回の映像ではほとんど画面の中央付近を注視するような内容なので、あまり問題ありませんでした。
街なかを歩くシーンのリアルさや、ジェットコースターに乗っているときのドキドキ感は損なわれずに味わえます。
前面のカバーが光を通さない素材になっているため、今回検証した他機種に比べて余計な光が入りづらいのも特長です。
ここまで、人気の3機種を検証してきました。
ここで気になるのが、「100均で買える格安VRゴーグルはどうなのか?」ということ。そこで、100円ではないですがダイソーの「バーチャルリアリティーゴーグル」(税込550円)を試してみることにしました。
ピントと瞳孔間距離は、どちらも左右個別に調節できます。ピントの調節範囲が広く、私の視力でもしっかり見えるところまで調節できたのは嬉しいポイントでした。
他の3機種と異なり、スマホはホルダーにセットしたあと側面から挿しこむ構造になっています。そのため、ホルダーにセットする際に中央の位置が分かりづらく(中央線はあるもののズレている)、スマホをぴったり中央にセットするのが難しく感じられました。
また、固定用の器具にスポンジが付いていないため、着脱やスライド時にスマホが傷ついてしまうのではないかという不安もあります。
装着してみました。
ベルトがやや薄めで耐久性が心配ですが、調節自体はスムーズにできます。頭頂部にかける部分がやや短いので、頭の大きさによってはしっかり固定できないかもしれません。
パッドは柔らかく、気持ちよく装着できます。パッドのカーブは、やや彫りの深い人向けと感じました。
鼻に当たる部分にパッドがないので大きめの隙間ができ、明るい部屋で使うとその部分から光が差し込んで画面に映り込んでしまうことがあります。
映像は明るく、周辺部まで歪みがありません。画面の周囲に黒い縁ができるため、映像部分がやや小さく見えます。
街なかを歩くシーンや、ジェットコースターに乗っているシーンなどで、その「額縁」は常に見えているものの、意外に気にならず臨場感を味わえました。これは、見えている部分の映像はとても綺麗だったからだと思います。
5.まとめ
現在はスタンドアロン型の本格的なVRヘッドセットを使用している私ですが、今回スマホ用VRゴーグルを使ってみて、意外な高画質に驚きました。
4製品とも、元の映像の画質そのままで観られており、「レンズを通して見ている」という暗さや歪みはほとんどありませんでした。製品間での見えかたにもあまり差がありません。
試しに、さらに高画質なスマホと高解像度な映像の組み合わせで使ってみても、同じくほとんど劣化なく観られました。しいていえばダイソーの「バーチャルリアリティーゴーグル」が、ちょっとだけ暗くなって輪郭が甘くなったかな、くらいの違いです。
映像が視界いっぱいに広がらず、「額縁」のように周囲の部分が見えてしまうという現象はどの製品にもあり、そこは製品ごとに差が出ていました。
この部分が小さいほど没入感が高まるわけですが、「VRG-M02RBK」→「VRG-2D3D02BK」→「binoa VRゴーグル スマホ用」→「ダイソー バーチャルリアリティーゴーグル」の順に小さかったように思います。
特に気に入ったのは、ピント調節の範囲が広くスマホのセットもしやすい「エレコム VRG-2D3D02BK」です。リモコンも便利でした。
ただし「ダイソー バーチャルリアリティーゴーグル」が、意外にちゃんと見られたことにも驚きました。スマホの位置合わせがやや面倒ですが、映像自体は綺麗に見られます。もし少しでもVRに興味があって、出費の点でためらっている人がいたら「何も考えずダイソーのVRゴーグルを買ってみて!」と言いたいです。


VRゴーグルが550円で100均で買えるなんて知りませんでしたmineoさんありがとうございます😊
それと自身の視界を完全に遮る物は怖い。
未来の車はVRで死角無しの視界を得て、
より安全に運転できるようになるのでしょうが。
立体映像を試しに見てみるだけなら、スマホ用ゴーグルもいいですね。私も過去に100円で紙の箱にレンズが付いたものを買ってことがあります。
専用機は、6DoF対応といって、自分の位置や頭の回転に合わせて、見える画像が変化するので、実際にその空間にいるような錯覚に陥ります。