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スマホを使わず、誰にも聞かず、指定された住所に行ってみる
1993年生まれ。ライター。記事の撮影はスマホのカメラを使うことが多いので、スマホがないと生きていけない。
マップ機能を使わず指定された住所に行く
ライターのたかやです。
皆さんは、スマホが存在しない時代の映画やマンガで、こんなシーンを目にしたことはないでしょうか?
電話口の相手から指定の住所を告げられ、その情報のみを頼りに目的地にたどり着く。
物語の展開的に大した重要性はないため、サラッと流されがちなシーンですが…。こう思わないでしょうか。
と。
僕は住所について深く考えずに育ったので、いまだに住所のルールがよくわかりません。「新宿区◯◯町」までは読み解けるけど、あとの数字「1-2-3」は…なに? どれがどこのなに?という状態。町名のうしろが1230みたいな桁違いな数字のケースもあるけど、あれはマジで意味がわからない。
なので自分の場合、行ったことのない場所へ行く際はスマホのマップ機能は必須です。
しかし今後の人生、スマホの充電切れや紛失、電波障害、災害など、思わぬトラブルに見舞われて「スマホが使えない事態」に陥る可能性はゼロではありません。
そんな“もしも”に備えて、「スマホを使わずとも、住所を読み解く術(すべ)」を身に付けておきたい。
そこで今回は、
「スマホのマップ機能を一切使わずに、指定された場所までたどり着けるのか?」
を検証してみます。
ルール
今回は編集部に協力してもらい、以下のルールを設けました。
要するに、「スマホや他人の力に頼らず、自力でたどり着け!」ってことですね。
皆さんならこのルールでどうやって目的地に向かいますか? よければ一緒にお考えください!
そして検証開始日の前日。編集部から指定の住所が書かれた紙が届きました。
ちなみに目的地は「着いたことが確実にわかる場所」だそう。なにそれ?
さぁ、スタートだ!
「品川区豊町1-16-26」
よりによって品川かぁ…。土地勘ないな~。
自分は中野区に住んでる上に、在宅での仕事が基本なので、品川区ってあまり行くことがないんですよね。「豊町」も初めて聞いた。ほうちょう? とよまち? なんて読むの???
まぁ、「品川」だし、とりあえず品川駅に向かえば間違いないことだけは確か。
よしっ、まずは品川駅に行ってみます!
まずは品川駅に到着。
改札を出てすぐ、駅周辺の案内図を発見。おしゃおしゃ!
幸先のいいスタート。それどころか、これ最短で終わっちゃうんじゃ?
……しかし
「豊町」が見つからない。
なんで??? 「豊町」の「豊」の字も見つからない。かなり小さい町ってこと? 地図にも表記されない秘境の中の秘境。それが「豊町」ってこと???
駅の案内図でなんとかする算段だったため、さっそく暗雲が立ち込める事態に…。
っていうか……
品川区じゃなくね?
えっと……それなら、品川区はどこ……?
あ!!! 案内図の端っこに「品川区」あった!!!
後日、調べてみたところ品川駅の住所は品川区ではなく、港区でした。上京して約8年経ちますが初めて知りました。引っかけ問題すぎるって…。
とりあえず案内図に書かれてあった「品川区」の文字の方向へ、徒歩で向かってみます。
道路工事の立て看板には区間の住所が書かれてるし、公園の入り口でも周辺案内図を発見しました。
そして一番分かりやすいのが電信柱!
後日調べたところ、電柱には街区表示板(がいくひょうじばん)と呼ばれる、その場所の住所を記載したプレートが取り付けられています。
街区表示板は法律によって設置が義務付けられているそうなので、現在地の住所が分からなかったら、とりあえず電柱を見ればなんとかなりそう! 法律ってすげー!
このプレートによって、いま自分が北品川にいることを確認。とりあえず、今度こそ「品川区」までは来れた! よかったー!
バスの停留所でも住所を発見!
普段だったら目にも入りませんが、案外、住所の情報って街中のいたるところにある。
とりあえず、さっきまで「北品川」にいて、いまは「東品川」なので、「じゃあこのまま進めば南品川だよね」と、方位磁石しかなかった時代の冒険家みたいなマインドで進んでいきます。
地域の掲示板も重要な情報源。掲示物には大体、近辺の住所や建物情報が書かれてるから。ヒントになりそうな情報はすべてメモしておきます。この写真だけ見ると、地域の催しに熱心な住民みたいですね。
そして、ここで次につながりそうなヒントが!
区民会館!!!
こういう区が運営してそうな施設なら、その区の詳細な地図がありそうじゃない!? あるある! ぜったいあるって!
というわけで、区民会館(地図上では「きゅりあん」と書かれているところ)へ。そしてその区民会館に辿り着くためには、最寄り駅の「大井町駅」に向かえばいい。
目的地への手がかりを探すため、
線路・踏切を見つける→大井町駅に向かう→区民会館へ
という道順を決めました。まずは線路と踏切だ!
途中、品川区の観光案内所を発見。
施設内で周辺の観光地図を入手。いよいよRPGじみてきたな…。この周辺地図を頼りに線路のありそうな方向へ進む。
あ……!
区役所だ!!!
道路標識で「区役所」の文字を発見。
区民会館を目指していましたが…。どう考えても、区民会館よりも区役所のほうが施設としての規模もデカい。だから、なんかデカい地図がありそうな気がする。
「区民会館」→「区役所」に目的を変更。行き当たりばったり感は否めないけど…それでも、着実に前に進んでいる…気がする!
途中、青物横丁駅の駅前で看板を発見。大井町駅の方向を再確認する。
大井町駅到着!
駅周辺の案内図に「品川区役所」の文字が! いいぞいいぞ!
そして、大井町駅から歩くこと数分……
品川区役所!!!!!!!!!
やった~!
果たして、「区役所なら区の詳細な地図があるはず」という目論見は当たっているのか…。というか、外れたら体力的にも精神的にもキツイから、あってほしい…! 頼む頼む頼む!
~10分後~
品川区の詳細な地図はあったのか……?
あった。品川区全体を網羅するバカでかい広域地図が。
なんなら目的地の「豊町1」も見つけた。
区役所!!!!!! 最高!!!!!!!!
マジで良かった~!
もうこの記事の結論ですけど、まだゴールしてないんですけども、もう先に言うわ。
「役所に行け」
ほんとそれだけ! こんなことなら、まず真っ先に区役所を目指すべきだったな…。いや、でもその品川区は最初から目指してたわけで、でも品川駅は品川区じゃなくて……。
とにかく! 「豊町」までの道順もメモしてきたので、あとは向かうだけ! 距離的にもそこまで遠くない。
ようやく、先が見えてきた~~~~!!! ああ~~~~!!!
そして、ついに「豊町」に入った!
うれしい…。さっきまで字面だけしか知らなかった場所に、自力でたどり着けると、こんなにも感動するんだ…。
ちなみに、後日調べたらこの町名は「豊町(ゆたかちょう)」と読むそうです。
「品川区」「豊町」まで来れた。あとはもう、この数字を頼りに進んでいくだけ!
とりあえず、まずは「1」を目指せばいいハズ(ちなみに、この1が「1丁目」を表すってこと、今回の企画で初めて理解しました…)。
いまは「2」だし、たぶん順番的にもそう遠くないと思うんだよな…。
「2」だから、その隣の区画が「1」なんだと思う。
といった予想は……
ドンピシャ!!!
「豊町1」に到着! よっしゃぁ! しかも「1-14」だから「1-16」とかなり近いじゃん!
そして、立て続けに「豊町1-15」「豊町1-17」「豊町1-18」を発見!
これにより、かなり絞り込めてきました。番地も数字の順番通りに連なっているため、「1-16」はこの辺りなハズ…。
そして、「1-16」っぽい場所がココ。でっかい公園です。文庫の森という名前っぽい。
ここがゴール?
しかし編集部曰く、目的地は「着いたことが確実にわかる場所」とのこと。じゃあ、公園がゴールじゃないよな。「確実」にはわからないし…。
公園の周辺ってこと?
でも公園周辺には「16」の街区表示板どころか、そもそも電信柱が見当たらないし…。
公園の周りで、ひたすら文字情報を探し歩いていると…
あ!!!!!!
あんじゃ~~~ん!!!
郵便ポストにも「ポスト所在地」として住所が書かれてるんですね。知らなかった…。
RPGや謎解きゲームでは「数字が書かれてる人工物はとりあえずチェックしたほうがいい」が鉄則なことを忘れていました。
つまり、現在地は「1-16-23」だから、目的地の「1-16-26」は目と鼻の先ってこと!
とりあえず公園周辺を回ってみる。
「着いたことが確実にわかる場所」って、そんなところ本当にある?
あっ。
あ!!!!!!!!!!
着いたことが確実にわかる場所だ!!!!!!!!!!
ついに「マップ機能を使わず、住所の情報だけを頼りに、目的地に行く」を完遂しました。目的地は「荏原消防団第6分団本部」でした。知らなすぎる。
……やばい。めちゃくちゃ達成感ある。挑戦前は、割とマジでたどり着けない可能性も考えてたから…。超うれしい。誰よりも自分を褒めてあげたい。
ちなみに乗換案内アプリの最短ルートだと、
- 西武新宿線・野方駅→高田馬場駅へ
- JR山手線に乗り換えて大崎駅へ
- 大崎駅から徒歩で目的地へ
とシンプルなルート。約1時間で到着するようです。
今回は大崎駅を通り越して品川駅まで行き、そこからひたすら徒歩で移動。約3時間で到着しました。やっぱり乗換案内とか地図アプリがあるのとないのとでは大違いだな…。
今回の気づきを整理するとこんな感じ。
- 電信柱や住宅の壁面には、その場所を記載したプレートが取り付けられている。
- 郵便ポストや自販機にも、現在地の情報が書かれている。
- 工事現場の表示板にも地名地番が書かれている。
- 駅の構内には周辺地図がある。
- 公園の入り口にも周辺案内図が設置されがち。
- 目的地の属する市区町村の詳細な地図が見たかったら、役所や役場に行こう!
- っていうか、普通に交番で聞こう!
- 品川駅の住所は品川区じゃない!!!
もし、なんらかの事情でスマホのマップ機能が使えなくなった場合は参考にしてくださいね!
〜後日〜
編集部「2月にまた同じ企画をやりませんか? 次の目的地は、北海道稚内市宗谷岬3。役所を使うのはNGで」
うん、やらない。
編集:ノオト
- ITガジェット
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堺市の南区・中区・西区は飛地魔境。町内の飛地が沢山。
これは一部解消された例ですが。政令指定都市になるまでは、泉ヶ丘駅にほど近い堺市南区の「和田東」がその北西の「和田」の飛地でした。
今でも和田は飛地だらけ。
もし、和田東が和田のまんまのときにやってたら、駅前の周辺案内を見てすごい迷子になっていたでしようね。
楽しかったです(๑•̀ㅂ•́)و
>> ガゴゼ さん
電車のみだと迷いそうなのが、福岡県小郡市山隈と福岡県朝倉郡筑前町山隈。駅はちょうど境のあたりにあって「山隈駅」。
隣町内で長く境が接している。
そんなに親切でない福岡県下の住居表示に(市町村書いてないよ)、そもそも田んぼだらけで建物が少ない。
mineoがあえて自分たちの商売道具使えないシチュエーションのこの企画するのmineoって感じで好き。信頼できる。災害とかで実際にありそう。警察や役所でも聞けるどころではないかもしれない。自分で何とかしなきゃって時の面白くてお役立ち企画ありがとうございました。
そして「こっちに行ったら近道かな」と言って変な道に入り迷子になる(笑)
行きたい場所も市役所や駅のようにわかりやすい場所じゃなく「私のアパート」なので道をきくに聞けない。
いつも近くの人に地図見せて「ここはどこですか?」と聞いてなんとか家に帰ってました
そう考えると便利な世の中になりましたね!
時間もかなりかかりそうですね。
お疲れ様でした。
青梅市だったら最悪遭難しますよ。
都道府県名書かないと2つあるし…
興味深い企画でした。
楽しませていただきました。
電柱とかに付けられいる街区表示板は、利用しています。
宗谷岬やってみたいです笑(冬以外と真夏意外)
とても楽しく読ませていただきました!!
思い込みで動くのは危ない事がよくわかりました。
もっとやって!!
紙の地図をたどるというのは今も昔も有効な手段ですが、中には同一の場所に二重に地名があるような場所もあって、お手上げになることもあります。時々報じられる京都府福知山市の事例はこちらです。
https://www.ryoutan.co.jp/articles/2024/02/95934/
30年ほど前の私の経験では、大阪府の熊取町なのだけれども貝塚市の住所表記もあるといったものがありました。
今回は今までと違って、面白い企画でしたね。
約3時間で無事に目的地に到着できまして、良かったですね。
昔は初めての場所へ行く時は、事前に地図や目標物を調べ、目的地付近に近付けば人に聞いていました。
今は事前にネットで調べ、目的地付近に近付けばスマホのマップ機能を見たり人に聞いたりしますね。
スマホ無しという前提にしても飛びすぎで
まずは「オフライン地図+GPS」の紹介があってもいいと思う
そして昔なら地図(本)、昭和なら交番に公共施設に本屋、平成でもコンビニには地図が置かれてました
というのがまず基本なのでは…?
無事に到着出来て良かったです😅
地図があれば何とか行けそうかな
今ではないとどうしたらいいのかわからなくなりますね。待ち合わせとかトライしてみて欲しいです!
2回目をやるなら京都でやって欲しいです。
住所に「上る」「下る」や「入る」が付く場所はどう行けば良いのかよくわかりません(^_^;)
私どうしてたかなぁ〜と思いました。
確か家にある地図で調べて、それでもわからなかったら本屋さんに行ってもっと詳しい地図で調べて…家族や友達や先生に聞いたり…とかしてたような…
私は調べるのが好きだったので、その作業が楽しかった記憶があります(ꈍᴗꈍ)
ほんとに進歩しましたよね。
たかやさん、楽しい企画ありがとうございます(θ‿θ)
今回はいろんな発見があって楽しそうでしたね
これはわかっていましたが誰にも
聞かずにたどり着くことができる
のかって。。たかやさんと一緒に歩
いて「そうだ区役所だ」のくだり
では2人でがんばろうね。の気持ち
になっていました^^;
幼い頃住んでいた町を探索したく
なりました🤗
何回も聞くのにすぐ忘れる
〒102-0071 東京都千代田区富士見2丁目10−2 飯田橋グラン・ブルーム
あと、こっちはさらに難易度高めかも!
〒540-0001 大阪府大阪市中央区城見2丁目1−5
とても場所探しの参考になりました。ありがとう!
田舎じゃ番地表示の看板なんて無いし、人に聞こうにも、誰もいない。
気にした事ねぇや
スマートフォンが普及する前は皆ポケットマップとか持てたよな
ブック型の地図は見方があるのだけど、もう見た事ねぇ世代がいても変しくねぇよな
必要ねぇもん
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#マイネ王10周年おめでとう!
>> rabauru さん
>今回は今までと違って、面白い企画でしたね褒めてる様に見せ掛けて辛辣w
現在仕事上で似たようなことをやることもありますが、区画整理が行われていないところでは悲惨な目に遭います。(^^ゞ