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日本でもすっかり定着した「クラウドファンディング」。さまざまなプロジェクトから、新しいITガジェットが続々と生まれています。では、成功したプロジェクトの中で、最も多く支援金を集めたガジェットはどれなのでしょうか。
ガジェット系に強いクラウドファンディング運営会社の担当者に、注目の最新ガジェットや製品の特長、ユーザーからの反響、クラウドファンディングの上手な使い方について教えてもらいました。
お話を聞いたのは、CCC(TSUTAYA)グループの株式会社ワンモアが運営しているクラウドファンディングサイト『GREEN FUNDING』プロデューサー、吉原瞬さんです。
——GREEN FUNDINGについて、簡単にご紹介いただけますか?
GREEN FUNDINGは、CCCグループのクラウドファンディングサイトで、2013年にスタートしました。”未来の企画が集まる「デジタル上の⾒本市」“と称して、エンタメ、社会貢献、プロダクトの3つのジャンルで展開しています。
CCCグループに入っていることもあり、もともとエンタメ系が多いクラウドファンディングでした。おもに音楽や映画、アニメ、出版の応援プロジェクトですね。そこからガジェット系へ広がっていきました。
——いまはガジェット系がメインになっているようですね。
はい。2017年に発表した「骨伝導イヤホン」が1億円を超えるプロジェクトになったことで、ガジェット関係のご相談が非常に多くなりました。もちろん、エンタメや社会貢献も引き続き展開しています。
——GREEN FUNDINGの中で最も人気だったガジェットは何ですか?
「ViXion01」という、自動で目のピント調節をサポートする次世代アイウェアです。支援総額は約4億2,500万円に達しました。このプロジェクトは、弊社のパートナープラットフォームであるクラウドファンディング「kibidango」と共催しており、その合計金額です。
——4億円以上!すごい金額ですね。これはどういうものなんですか?
目のピントを合わせるときは、周囲の筋肉を使っています。でも目のまわりの筋肉は鍛えにくいので、歳をとると老眼になり、視力が落ちてしまいます。ViXion01はピントを自動的に調節するので、目を疲労させずに見ることができるのです。たとえば、どんなものでも顔に近づけすぎるとピントが合いませんよね。でもViXion01をかけた状態なら、近づけても遠ざけてもすぐにピントが合います。
「老眼なので、ルーペで新聞を読むのが大変」、「仕事で細かい作業をする必要があり、目を酷使して疲れる」など、視力に困っている方は少なくありません。社会課題をテクノロジーで解決しているガジェットなので、そういう意味でも反響が大きかったですね。
——なるほど。これは試してみたいですね。
2023年に好評だったのが、完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit」で、支援総額が約2億5,500万円となりました。
コロナ禍以降、オンライン会議などで耳にイヤホンを装着する時間が増えましたよね。でも長時間イヤホンを着けるのは疲れるし、難聴の原因になりそうだという心配もあり、耳に掛ける骨伝導のイヤホンが人気になりました。この「OpenFit」はオープンイヤー型で、耳をふさぐことなく聴けます。
——骨伝導イヤホンではない?
はい。骨伝導は耳の骨にあてて聞く形式で、それはそれで音の楽しみ方があるんですが、苦手な人も少なくありません。耳をふさぎたくない、でも音にもこだわりたい人にとって、「OpenFit」のオープンイヤー型が新しいアプローチとして受け入れられたのかなと思います。
——「イヤホン=耳の穴に入れるもの」というイメージでしたが、耳をふさぎたくないニーズも多いんですね。
——ほかにスマホ関連で人気のガジェットはありますか?
3Dオーディオが手のひらサイズで楽しめるポータブルスピーカー「Cear pavé(シーイヤーパヴェ)」は、私も聴いたときに驚きました。
「スマホとこのスピーカーさえあれば、自宅が映画館になる」といっても過言ではないぐらい、すごい3Dサウンドなんです。例えば、映画で銃を撃ち合うシーンがありますよね。このスピーカーを使えば、自分の目の前で銃弾が飛んでいるような臨場感を得られます。うちの社内でも好評で、ほとんどの社員が支援しました。
——そう言われると、実際に聴いてみたくなりますね。
もう1つ、スマホ関連で人気のガジェットが、ワイヤレスイヤホンAI翻訳機「Wooask M3」です。これを装着して会話をすると、相手の言葉が翻訳された状態で耳に入ってきます。
——これはスマホのアプリ上で翻訳しているんですか?
そうですね。イヤホン内のマイクで相手の言葉を拾って、Bluetoothを介してアプリで翻訳して、またイヤホンに戻すような形です。仕事で使用するシーンを想定した人が多く、個人はもちろん企業からの支援もありました。
——このイヤホンを2人で装着すれば、お互いの会話をスムーズに同時翻訳してくれる、と。未来を感じる製品ですね。他に面白いガジェットはありますか?
ちょっと変わり種で、「うまい棒ケース」はテレビの取材をたくさん受けました。大阪府枚方市の業務用アルミケースメーカーが作った、やおきんさん公認のケースです。
——なぜ作ろうと思ったんでしょうか?
幼稚園に通うお孫さんが、お楽しみ会でもらったうまい棒を食べようとバッグから取り出すと、中身が粉々になっていたそうです。悲しむお孫さんを見て、ケース作りのプロであるおじいちゃんが「うまい棒ケースを作ろう」と企画しました。
超早割価格でも1個16,800円とそれなりの価格だったのですが、最終的には150万円以上の支援が集まりました。枚方市の「ふるさと納税」にも採用され、クラウドファンディングが地方の企業を応援する事例になったので、個人的にも思い出深いプロジェクトですね。
——まだ利用したことがない人もいると思うので、簡単にクラウドファンディングの種類や利用方法について教えてください。
クラウドファンディングの種類は、大きく分けて「投資型」「購入型」「寄付型」の3つになります。
投資型は、銀行や不動産会社などが不特定多数から資金を集め、リターンとして現金や株式を提供するものです。
寄付型は、NPO法人や学校法人などが支援者から「寄付」の形で資金を集める仕組みです。リターンは原則ナシで、あったとしてもお礼の手紙や活動レポートなど非金銭的なものになります。
購入型が一般的に広く知られている形式で、「モノやサービスを事前予約販売するネット通販の一種」と認定されています。
——購入型でも、必ずリターンが得られるとは限らないですよね?
はい。支援には「ALL IN」方式と「ALL or NOTHING」方式の2種類があります。
ALL IN方式では、プロジェクト期間内に⽬標⾦額を達成しなかった場合でも、リターンのお返しは必須となります。仮に目標金額を100万円と設定して、1万円しか支援されなくても、リターンが必要になるのです。日本語で言えば「実行確約型」ですね。
一方ALL or NOTHING方式では、⽬標⾦額に対して1円でも足りなければ、⽀援者からの申込みはキャンセルされて全額返⾦されます。リターンも発⽣しません。ちなみにGREEN FUNDINGでは、ALL or NOTHING方式を採⽤しています。
——海外のクラウドファンディングでは、「お金を払ったけどモノが届かない」という話をよく聞きます。日本ではどうなんでしょうか?
おっしゃる通りで、私も海外のクラウドファンディングを利用しますが、いつまで経ってもモノが届かないことが多々あります。
ただ日本の場合は、ほとんどの人が「モノやサービスの購入」と捉えていますよね。法律にも触れる事象なので、日本では「プロジェクトが成功すれば、リターンを届ける体制になっている」と考えてよいでしょう。もちろんGREEN FUNDINGも、掲載にあたってきちんと審査、確認をしています。また、プロジェクト成功に向けて、2名以上のスタッフが起案者と一緒に伴走する形をとっています。
——ガジェット系のプロジェクトを支援する際のポイントがあれば教えてください。
ITリテラシーが高い方は、「Amazonや楽天で似たような製品はないか?」と探します。貴重なお金を出していただくわけですから、ぜひ調べて比較してみてください。そうすれば、納得感を持って支援できるかと思います。ちなみにGREEN FUNDINGは、日本国内の通販サイトにないものだけを掲載しています。
——国内のネット通販サイトに同じものがあれば、そもそも掲載しないということですね。
楽しみ方はネット通販と似ていますが、やはり未来の製品が楽しめる場所にしたいと思っているので。「ユーザーが喜ばないものは載せない」というのがモットーです。
あと、プロジェクト起案者に問い合わせできる機能がありますので、「この既製品と似ているようですが、異なるポイントは?」といった質問をしてみてください。問い合わせが多ければ、紹介ページをブラッシュアップすることもできるので、支援を検討している人のためにも良いかなと思います。
——なるほど。では、支援者からの問い合わせで印象に残っているものはありますか?
耳をふさがないワイヤレスイヤホン「ARC2」というプロジェクトを掲載した際に、「装着すると耳が痛くなるのでは?」という問い合わせが複数ありました。そこで、クラウドファンディング中にデザインをブラッシュアップして改良したんです。
その代わり製品の発送が遅れてしまうので、どうなるかと心配したんですが、「装着感が良くなるならOK」と、支援のキャンセルは1件もありませんでした。珍しいケースですが、クラウドファンディングならではだと思います。
——支援者からの意見のもとに、途中でデザインを改良した、と。一般販売の商品ではありえないことですね。
——支援が集まりやすいものなど、最近のガジェットの傾向について教えてください。
コロナ禍のタイミングでは、アウトドア関連のガジェットが流行っていました。あとは、少し先の未来を感じさせるものに支援が集まりやすいですね。例えば骨伝導やオープンイヤー型のイヤホン、スマートウォッチ、難聴の方向けのヘッドホンなど。とくに社会課題を解決するテクノロジーは、クラウドファンディングとの相性が良いと思います。
——今後はどんなガジェットが出てきそうですか?
2024年は、生成AIに関連したガジェットが増えそうですね。あとはAR(拡張現実)。スマホの画面から飛び出して、ARでよりリッチなコンテンツを楽しめるガジェットが生まれそうな気がします。
——めがね型のガジェットをかけて、スマホと連携するようなイメージでしょうか。
そうですね。「このガジェットとスマホさえあれば、どこでも映画館やオフィスになる」といった世界が実現するかもしれません。
——今後の予定や新しい取り組みがあれば教えてください。
CCCグループの強みを生かして、蔦屋書店や蔦屋家電で製品の展示および体験会を行っています。クラウドファンディングの紹介ページを見て良さそうだと思っても、やはり手に取って確認してみないと不安ですよね。「実際に使ってみてから支援したい」という人が一定数いるので、その後押しとして体験できる場所を増やしていこうと思っています。
正直、クラウドファンディングのガジェットには、「当たりはずれがある」「一か八かの勝負」というイメージがありました。でもGREEN FUNDINGの場合は、支援する前にお店で手に取ったり体験したりできるとのこと。これは嬉しいですね。
今後はクラウドファンディングから、世界を変えるガジェットが続々と生まれるかもしれません。気になった方はサイトをのぞいてみてください。
取材協力・画像提供:GREEN FUNDING(株式会社ワンモア)
編集:ノオト
個人的にはSIMを挿して使うラジオとか作りたいです。中国に雛形となる機械はあっても国内法規を守って出すには一定数の支援者が必要なので。
しっかり読んでみます。
ありがとうございます。
骨伝導🎧は以前から使っていました、本当に👂は楽でした♪
自動翻訳イヤホンは、翻訳を双方向でできるとベストですね!
外の音が閉ざされるのはとても怖い。
目を塞がれているのと同様ですから。
ガジェ好きにはたまらない企画です!
ありがとうございます!
老眼になる前に、若くして白内障になってしまって、眼内レンズのお世話になってます。焦点距離を意識せずに、もう一度クリアな視界で世の中を見てみたい(切望)
ええのんないかなぁ〜
ほんと不自由してます🥲
なんかいいのが世に出るのを期待‼️
お値段が・・・7万!大量量産価格で
もう少し安く
なんかしたりなっちゃったりしてね⁉
(声優・広川太一郎さん風)
近眼の老眼なので、かけたり、外したり
面倒なので。
全てが素晴らしいです。
市場に出回って安価になったら欲しいなー
いつもありがとうございます
希望が持てる良き情報ありがたいですね〜近未来に希望ありですね😉
あとは、お値段との相談カモ🦆💰💓
次は流行りの花粉症対策の鼻に係わる商品化を期待します。
アルミ製「うまい棒ケース」 技あり
https://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20231114-OYTNT50217/
>> _カブ さん
うまい棒を衝撃から守る!? 専用ケース発売に「これは欲しい」「愛を感じる」の声https://macaro-ni.jp/127476#heading-2448889
重すぎて* 違う意味で泣きそう😭
* 約300g
>> _カブ さん
うまい棒のり塩味https://www.yaokin.com/products_search/umaibo/item_M27035
内容量 6g
(ケースは約300gなので うまい棒50本分)
>> _カブ さん
ZIPPO 本物拳銃の弾【ジッポー】https://shop.zippotime.net/contents/item-6016.html
うまい棒ケースで 命拾い ということも
あるかもしれない(し ないかもしれない)
ありがとうございました。
「クラウドファンディング」の話を聞くたびに難しい話と思っていましたが「うまい棒ケース」の話を聞き少しわかりました。
イヤホン翻訳機の話もありがとうございました。
これからどんどんといい物がでるような気がします。