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あれは、小学5年生の頃。放課後、友人と歩いていたときのことです。
「なあなあ、『かけてはいけない電話番号』って知ってる?」
「何それ、知らない」
そう答えると友人は、自由帳の端に書いた10桁の数字を私に見せて、続けました。
「これはドッペルゲンガーの電話番号。『もしもし』って言ったら、自分とそっくりな声で『もしもし』って返してくるねん。ちょっと、そこの公衆電話からかけてみいひん……?」
そうして私たちは、公園の近くにある電話ボックスにふたりで入り、ドキドキしながら、その「ドッペルゲンガーにつながる電話」の番号を押したのです。
はい、こんにちは。しまだあやです。毎度思い出話にお付き合いいただき、ありがとうございます。
ということでみなさん、 この世の中には「ドッペルゲンガーにつながる電話」のような、不思議な電話番号がいくつかあることをご存知ですか?
たとえば、かけると女の子が出て、クイズを出してくれる電話番号。かけるとおじさんが出て、宇宙からのパワーを送ってくれる電話番号。これらは全て、私が小学生の頃に友人から回ってきて、よく公衆電話から電話をかけ、遊んでいた番号です。
それから25年以上が経ち、公衆電話を使うことはなくなりました。通話は今もするけれど、メールやLINEなどでのやりとりがメインになりました。
そんな先日、小学生と遊ぶ機会があり、公園横の電話ボックスが目に入ったとき、ふとあの日のことを思い出しました。
今、あの電話番号はどうなっているのかな。
かければ、電話を取ってくれるのかな……?
「なあなあ、『かけてはいけない電話番号』って知ってる?」
今日は、私が小学生の頃にかけた不思議な電話番号に、今の小学生ともう一度かけてみて、今もつながるのかどうか、今の小学生はどう感じるのか、そしてあの番号は何だったのか……など、「かけてはいけない電話番号は今?」を調査してみたいと思います。
※この記事に掲載している電話番号は、2023年8月の取材当時に確認したものです。かけ間違いには十分ご注意ください
……と、ミステリアスに書き始めてしまいましたが、実際はワイワイ調査しましたので、ここからは明るく元気に進めていこうと思います!
調査に協力してくれるのはこちら、小学5年生の「はっぱ君」です。
「リカちゃん電話」は、リカちゃんの声が聞けるテレフォンサービス。1968年からは現在と同じく、テープによる自動応答だが、それ以前はスタッフが個別に対応していた。 |
開設のきっかけは、タカラトミー本社にひとりの女の子から「もしもし、リカちゃんいますか?」と電話がかかってきたこと。当時、電話に出た女性社員が「彼女の夢を壊してはならない」と機転を利かせて、「わたしリカよ」と答えた。 これ以降、リカちゃんとお話できるという噂が子どもたちの間に広まり、同様の電話が殺到。専用回線を設け、しばらくはご近所のパート主婦やアルバイトの女子高校生が対応した。 |
しかし、個別対応が追いつかなくなったため、1968年10月、テープに吹き込んだ声が流れる方法に変更。公式的に「リカちゃん電話」のサービス開始となった。応答用テープに吹き込むリカちゃんの声を担当したのは、アニメ『アルプスの少女ハイジ』のハイジや、『キテレツ大百科』のコロ助の声でおなじみ、声優の杉山佳寿子さん。 |
2代目の声優、大野まりなさんによると、リカちゃん電話の収録は、たくさんの情報を1分半ほどにおさめるというもので、早口かつ編集ナシの一発録りだったらしい。「これを30年もやっていた(初代)杉山佳寿子さんはすごい」とコメントを残している。 |
元々はアナログ出力していた音声だったが、現在はデータで管理や設定を行い、時間帯で内容を変えている。たとえば昼にかけると「こんにちは、今日はいいお天気ね」。夜だと「あら、あなたはまだ起きてるの?」「早く寝ましょうね」など。 |
時代と共にリカちゃんの世界観も変化しており、電話の内容もトレンドに合わせて変わる。たとえば、昔は「王選手が本塁打記録をつくった!」というのもあったそうだが、今はメイクや好きなお菓子の話などをする。 |
音声品質確認用の番号で、自分の声が相手にどう聞こえているかを確認するためのもの。 |
「株式会社ESP科学研究所」の石井普雄さんという方が開設した電話。電話では「宇宙パワーを送ります」とのことで、1分ほど石井さんご本人の声が自動音声で流れる。その声を聞くことで、体の痛みや不具合が改善した人が、いるとかいないとか。 |
なお、石井普雄さんは1993年に他界され、現在は娘さんが引き継いで、電話番号を維持しているらしい。 |
ちなみに、電話の内容はCDにもなっているらしい。CDのタイトルは『繁栄』、尺は62分。「お仕事の繁栄に大いにご活用ください」とのこと。 |
長野県の「野尻湖ナウマンゾウ博物館」では、1986年4月より、ナウマンゾウの声を聞くことができるテレフォンサービスを行っている。博物館では、野尻湖発掘で出土した化石や遺物を展示。中でも、ナウマンゾウの歯の化石は50頭分ほど発見されており、日本を代表するナウマンゾウの産地となっている。 |
はっぱ君と試した電話番号は、他にもいくつかあります。が、残念ながら「現在使われておりません」となる番号が多かった……。ただ、全部を伝えすぎるのはネタバレになっちゃうので、敢えて結果は書かずに、ご紹介します!
「かけてから5秒ほど待つと、おばけから電話がかかってくる」と言われ、やってみるとまじでかかってきて、当時はビビり散らかした。 その後、自分の携帯電話を持つ年齢になり、携帯ショップのお姉さんに言われた「111にかけてテストしますね」で、無事呪いが解けた。
つながるとお経が聞こえてくる電話番号。小学生の頃、仲良しのお寺さんが般若心経を上手に唱えられるとラムネをくれたので、この電話で練習を試みた。でも、092は福岡県の番号。ナウマンゾウと同じく、すんごいスピードで10円玉が落ちていくのでやめた。
「判断力を試すテストを行います」という謎のメッセージが流れる電話。誰が何の目的で行っているのかわからないけれど、それを言われた瞬間、自分がどういう行動を取るのかを試されてる気分になるし、なんか哲学的で、好き。
「あなたは嘘をついている」という謎のメッセージが流れる電話。さっきの「判断力テスト電話」と下2桁が違うだけなので、同じ人が開設したのかな? もしそうなら、77と98の間にある番号が何電話だったのか気になる……。
20年近く前、かつて存在した携帯電話の事業会社が、データ通信用に用意した番号。「4」が連続する番号であるところや、コール音が鳴った後にすぐ切れて不気味だというところから、「貞子電話」の呼び名に発展したみたい。
そしてそして。最後にもう一つだけ、私が個人的に大好きな電話番号を紹介します。かけると、世界中どこからでも「広島の音」に触れることができる電話番号です。
これは、彫刻作家・岡本敦生さんの「Earth Call- Hiroshima(地球電話-広島)」という作品。広島市現代美術館内にあります。3コ-ルほどでつながり、偶然近くに人がいれば、その人が電話を取ることもできます。美術館は公園の中にあるので、「スマホの音声ボリュームを上げると、かすかに鳥のさえずりが聞こえた」という証言も。素敵だよなあ……。
一部脱線もありましたが、まとめると、企業がサービスとして開設したものや、テストのために使用する電話番号が多く、中には噂話として広がる途中で、尾ひれが付いていったものもある……という感じでしたね。
さらに「かけてはいけない電話番号は今?」という視点では、「リカちゃん電話」のリカちゃんは、あの頃よりバリエーション豊かな生活を送っていそうでした。「ドッペルゲンガー」は、反応がキレッキレになってエコーのように。「宇宙のパワー」のおじさんは、当時すでに天国へ。でも受話器の先からは、今も昔も変わらぬ声が聞けました。「ナウマンゾウ電話」も博物館のサービスということがわかったし、長野に行くことがあったら、今度は博物館の中の彼らに直接、会いに行ってみたいな。
公園に近くて、下があいてるタイプの電話ボックスで、健康な小学生が30分くらいじっとしてるって、そりゃ蚊にとったら最高な環境やわな……。
ということで、このあたりで調査を終わりたいと思います。
「懐かしいな〜」というみなさん、久しぶりにかけてみてはいかがでしょうか? お子さんがいる方は「リカちゃん電話」や「ナウマンゾウ電話」などを一緒に楽しんでみてもいいかもしれません。ただ、一般の方のご迷惑になってしまうような番号のかけ間違い、そして、公衆電話からかける際の蚊には、十分にお気を付けて……。
以上、「かけてはいけない電話番号は今?」でした。
じゃ、薬局行ってきます!!!!!
昭和世代に「かけてはいけない電話番号」というものがあったとは、初めて知りました。
子供の頃は、電話を掛けることは極たまにしかなかったです。
テレホンカードを何枚か保管していますので、試しに「宇宙のパワー電話」や「ナウマンゾウ電話」に掛けてみても良いかなぁと思うのですが。。。
はっぱ君、蚊に刺されながらの調査ありがとうございました。
電話でその時点のヒット曲が延々と流れる番号もあったなあ。
友達に教えてもらった時早速かけて流れてた曲はチェッカーズの「神様ヘルプ」でした(古い!!)
あと、少し進んでたグループの子達は「混線電話」にかけて、「回線の雑音に紛れて偶然つながった人(主に男性)とおしゃべりしたー」なんて会話聞きました。
今で言うと「出会い系」なんでしょうか。
宇宙のパワー電話はかけた憶えが…
スマホに慣れていると、公衆電話の受話器は確かに重い(笑)
公衆電話、最後に使ったのいつだろうというぐらい、全く使ってないけど、テレホンカードは1枚だけ持ってるので、使えるかわからないけど、試してみたくなりました。
>> しまだあや さん
しまだ様ライターさんからお返事を頂けるなんて思ってもいなかったので、ビックリ&とても嬉しかったです。有難うございます。
歳の離れたかわいいボーイフレンドがいて羨ましいです。
企画の内容の楽しさもさることながら、はっぱ君のお蔭で昔の思い出を追体験出来ました。とてもいい記事でした。
はっぱ君が遠方在住&学校もあるので会える機会も難しいようですが、いつかまたこのような楽しい企画でお会い出来る日を楽しみにしています。
楽しく読ませていただきました
お腹いたい。
メリーさんの都市伝説、小6の娘は「あっ、それ聞いたことある」って言ってたのでオカルト好きかどうかでまた認知度が変わってくるのかな?
この記事に載ってる電話番号、知らないものもたくさんあるので試してみたくなりました( ˶>ᴗ<˶)
たまに先着順の応募に使ってました。
回線が公衆電話のが早いと聞いたことがあったので🤭
記事中の地球電話について、『広島市現代美術館内の、海辺に近い場所にあります。』とありますが、現代美術館は広島市南区の比治山という標高71メートルの小山の中腹にあります。
猿猴川と京橋川に挟まれた土地ですが、海岸線からは遠く、記事の『海辺』というのは何を意味しているのか教えて下さい。
ひょっとして、川辺の誤変換でしょうか?
現代美術館は昔よく訪れて土地勘もあるので、引っかかってしまいました。
今の子供達使えるのかなぁ。
確かに当時、子どもたちの間で流行りましたね🎉
友達がその電話番号を教えてくれて、みんなで公衆電話でイタズラ気分でかけて「わー!ワ〜!やべー⚡なんだこりゃ?」とか言いながら騒いだり、楽しんでいました💨
でも確かに、10円玉がどんどん無くなっちゃったりテレホンカードの度数が減るわへるわ💦 100円玉入れると公衆電話はお釣り出ないし
(^_^;)
お小遣いがどんどん減ってしまい、一時的な遊びとして消滅していったような感じでしたかね…
「おばけ電話」が1番衝撃的だったかな?!
なにせ、公衆電話は発信者専用(かけるだけ)だと思っていたから、折り返しの公衆電話のベルが鳴る事は、当時ビックリしました😯💦
わざわざ夜にイタズラしに公衆電話まで行った記憶があります☆★
昔も今も、小学生とかの年代だとワクワクしたりツボにハマる事は似ているのかなとも感じました。
しまださん、面白い記事とテストをありがとうございました!
また次回も、面白い企画をお願いします〜楽しみにしています❤
\(^o^)/
>> キウイジャム さん
わああ! すみません、「川辺」の間違いです……! しかしおっしゃるとおり「川辺に近い場所」というより「公園内」のほうが適切ですね。お気づきくださりありがとうございます! 修正対応が週明けになるかもしれませぬが、正しい表現へと改めます。本当に助かりました……!かけてみました。
そうしたら、「お引っ越ししたリカちゃんの🏠に遊びに来てね」だって。
どうやって行くのでしょうか 笑
>> しまだあや さん
誠実なコメントありがとうございます。お役に立てて良かったです。
また楽しい記事をお願いします。
はっぱ君おもしろいですね😊