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脱・スマホ依存! 「タイムロッキングコンテナ」4種類を比較してみた

脱・スマホ依存! 「タイムロッキングコンテナ」4種類を比較してみた

村中貴士
ライター: 村中貴士
大阪府出身。日々エッジの効いたネタを探し続けるフリーライター。得意ジャンルはサブカル、テレビ、音楽、現代アートなど。デイリーポータルZ 新人賞2017で佳作。自称・無料イベントマニア。

「リモートワークだと上司が見ていないから、ついスマホをいじってしまう」「他にやらなきゃいけないことがあるのに、スマホを見ていたらあっという間に時間が経っていた」……そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。筆者も同じです。

スクリーンタイムの機能を使ったり、使用制限をかけるアプリを入れてみたりするものの、結局耐えられなくなってしまいます。それならいっそ、物理的に使えなくしよう!と開発されたのが「タイムロッキングコンテナ」。形状や仕様が異なる4種類を購入し、使い勝手の良さや特徴の違い、メリット・デメリットを調査してみました。

形も大きさも違う4種類のタイムロッキングコンテナ

タイムロッキングコンテナとは、スマートフォンをケースに入れてロックすることで使いすぎを防止するアイテムです。いわば「スマホ禁欲ケース」ですね。

2019年、謎解きクリエイターでタレントの松丸亮吾さんがツイートし、バズったことで一気に存在が知れ渡りました。その影響で、一時はAmazonで品切れになるほどの人気だったそう。

今回購入したタイムロッキングコンテナは、以下の4種類。

  1. クリアボックスタイプ
  2. スマホ専用(クリアケース)タイプ
  3. スマホ専用(中身が見えないケース)タイプ
  4. 南京錠タイプ

それぞれの機能や使い勝手の良さを比べてみました。

▲(商品名、左から)kSAFE タイマーロック式セーフボックス、iDiskk タイマーフォンロッカー、Shlmnbo キープインボックス、YOHACインテリジェント・タイミング・ロック

1. スマホ以外も入れられる「クリアボックス」タイプ

まずは、松丸亮吾さんが紹介していたクリアボックスタイプの「kSAFE タイマーロック式セーフボックス」から使ってみます。

けっこう大きいですね。机の上に置くと存在感があります。この商品の利点は、スマホ以外のもの、例えばゲーム機やお菓子なども入れられること。

商品と一緒に入っていた「kSAFE誕生秘話」によると、開発者のDavid Krippendorfさんは無類の甘いもの好きだったそう。家にチョコチップクッキーがあれば、どこに隠されていようと食べてしまうほど。そこで、甘いものへの誘惑を避けつつ、夕食後にクッキーを楽しめる方法はないかと考え、このセーフボックスを思いついたそうです。

さっそく使ってみましょう。まずはフタの側面から単三電池2本を入れます。すると「Days」「Hrs」「Min」「Sec」が表示されました。

ロック方法は簡単です。容器の中にスマホを入れ、ロックしたい時間までダイヤルを時計回りに回したあと、ダイヤルを押せばロックされます。

▲ロックすると側面の穴にツメが出てきて、フタが開けられなくなる

ロック開始までに5秒間の猶予があるので、もし間違えた場合はその間に解除できます。

ロック中に時間を延長することも可能です。ダイヤル部分を押し、右に回して改めて時間を設定すればOK。ただし、一度ロックしてしまうとタイマー時間を短くすることはできません。ロックした後はフタが外せなくなるので、時間設定には注意してください。設定した時間が終わると自動的にロックが解除され、中身が取り出せるようになります。

「中にスマホを入れてしまうと、その間は充電できない?」と思われるかもしれませんが、そこは大丈夫。ケーブルを通すための穴(アクセスポート)があるので、ロック中も充電可能です。

▲ケーブルを通すための穴(アクセスポート)を利用すれば、ロックしながら充電できる

説明書の「よくある質問」には、「kSAFEを割ってこじ開けてしまいました」という項目がありました。回答欄には「魔が差してしまうことは、誰にでもあります」と優しい言葉が。もし壊してしまっても、メーカーのホームページで交換用の部品だけを購入できるようです。わざわざ明記してあるということは、我慢できず壊して開けてしまう人が少なくないのでしょう。割ってこじ開けてしまったときの対処法が書かれていたのは、この商品だけでした。

なおAmazonの販売ページを見ると、同じメーカーで中身が見えないタイプ、フタの色違い、サイズ違いなどさまざまな種類が用意されています。もしスマホしか入れないのであれば、小さめのサイズを選ぶほうがいいかもしれません。

▲中身が見える/見えない、フタの色違い、サイズ違いなどいろんなタイプがある(画像はAmazonの販売ページより引用。価格は2022年12月現在)

2. スマホ専用(クリアケース)タイプ

次はスマホ専用タイプの「iDiskk タイマーフォンロッカー」です。見た目はややスタイリッシュなクリアケースですね。

使い方は、まずスマホをボックスに入れ、フタを閉じます。

右側のロックボタンを1回押すとディスプレイが点灯。ロックする時間を設定します。「時間」と「分」のボタンがあり、上下ボタンで増やしたり減らしたりできます。

ロックボタンを2回押すと、上にあるステータスライトが赤に点灯。10秒間のカウントダウンの後、ボックスがロックされます。カウントダウンの間にロックボタンを押せばキャンセルできます。

▲真ん中の部分がロックされ、フタが開かなくなる

設定時間が終わると、ステータスライトが緑に変わり、ロックが解除されフタが開けられます。

ケース本体の電源はUSB充電で、Type-CポートとLightningポートの2つが使用できます。iPhoneユーザーなら、いつも使っているLightningケーブルをそのまま使えるので便利ですね。Type-C用の充電ケーブルもちゃんと付属しています。

▲Type-CとLightningの充電ポートがある

両サイドにはケーブルを通すための穴があいているため、ロック中もスマホの充電が可能です。また、オモテ面には3カ所の穴があります。これは電話がかかってきた時などに、一部画面を操作するためのもの。購入時はセロファン状の透明カバーが付いているため、もしロック中も電話に出たい場合は、カッターなどで透明カバーを切ってください。

▲透明カバーを切り取れば、ロック中も操作が可能に

ロックの設定はそれほど難しくありませんでした。ただ、何も操作しないと5秒間くらいでディスプレイが消えてしまいます。その点はややマイナスポイントですね。

3. スマホ専用(中身が見えないケース)タイプ

3つめは、スマホ専用で中身が見えないタイプの「Shlmnbo キープインボックス」です。

まず側面上部にあるボタンを押すと、カバーがパカッと開きます。

中にスマホを入れてカバーを閉じ、左上のボタンを押すと、画面が表示されロック時間を設定できます。

設定できる時間は5分単位で、ボタンを1回押すごとに10分、15分……と増えていきます。もし時間単位の設定をする場合は、ボタンを2回連続ですばやくタタっと押さなければなりません。そもそもロック時間を設定するボタンが1つしかないのは、かなりマイナスポイント。他の商品と比べて使い勝手が良くないと感じました。

▲画面には「ロック時間」「ロック中or解除」「充電度合い」が表示される。電源はUSB充電

ロック時間を設定したら、ボタンを2秒間長押しします。すると5、4、3……とカウントダウンが表示され、そのまま何も操作しなければロックされます。

ロック時間が終わると、カバーを開けてスマホを取り出せます。なお、デフォルトではロック終了時に音が鳴る仕様ですが、ボタン操作で静音モード(音が鳴らない)に切り替えも可能です。

裏面にあるゴムカバーを取り外すと十字の穴が使え、ロック中も一部操作ができます。

▲十字の穴とスマホの位置を合わせることで、ロック中も一部操作が可能

筆者のスマホはiPhone12 miniでやや小さいため、持ち上げるとケースの中でガタガタ動いてしまいます。持ち運びしやすいメリットがある半面、中に入れたスマホのポジションが安定しない点はデメリットかもしれません。

▲持ち上げると、中に入れたスマホがぐらつく

4. 「南京錠+ケース」タイプ

最後は、南京錠タイプ「YOHACインテリジェント・タイミング・ロック」です。

▲南京錠とケースのセット

南京錠にタイムロッキングの機能が付いており、スマホをケースに入れてから鍵をかけます。ケース自体は至って普通ですが、ファスナーが2個ついており、南京錠を通せるくらいの穴があいています。

▲タイムロッキング機能が付いた南京錠を、2つのファスナーの穴に通してロックする

真ん中の鍵ボタンを押すと、ディスプレイに時間が表示されます。左の「H」ボタンで時間を、右の「M」ボタンで分を設定し、真ん中の鍵ボタンを押すと5秒間のカウントダウンがスタート。そのまま何も操作しなければロックが開始されます。カウントダウンの途中ならキャンセル可能。もちろん、ロック中はどのボタンを押しても解除できません。

▲操作ボタンは「ロック」「H(時間)」「M(分)」の3つ。電源はUSB充電

設定した時間が終われば、自動的にロックが解除されます。なおこの商品は、3回だけ「緊急解除」機能が使用できます。HボタンとMボタンを同時に10秒間押すと、ロック中でも解除できるとのこと。緊急解除の方法について書かれていたのは、この商品だけでした。

ケースは4つの中で一番小さく、クッション性があるので持ち運びには便利です。ただし、南京錠はやや重みがありました。

▲ケースはポーチタイプで持ち運びしやすいが、南京錠はやや重い

4種類を使ってみて気づいたこと、注意点

4つのタイムロッキングコンテナは、大きさも機能もバラバラで一長一短があるなと感じました。実際に使ってみて気づいたことや、タイムロッキングコンテナの選び方、使用上の注意点を5つ紹介します。

スマホが見えている安心感 VS 集中できない可能性

4種類のタイムロッキングコンテナのうち、2つは中身が見えるタイプ、残り2つは中身が見えないタイプでした。中身が見えていると、「ロック中もスマホはそこにある」という安心感があります。その半面、「ロック中もスマホが気になってしまう」というデメリットもあるかもしれません。

▲中身が見える方が安心、でもスマホが気になってしまうかも

個人的には、中身が見えないタイプのほうがスマホの存在を忘れられるため、抑止力が働くのではないかと感じました。

スマホ以外にも使う用途があるか?

最初に紹介したクリアボックスタイプは、携帯ゲームやコントローラー、お菓子などスマホ以外のものを入れられるメリットがあります。

▲お菓子を入れてロック

その他の3商品も、クレジットカードや現金など小物ならOKですが、大きいものは入れられません。スマホだけに限定するか、それ以外の用途にも使うかによって、選ぶ商品は変わってくるでしょう。

▲現金やクレジットカードを入れてロックする使い方も

ロック中もスマホを充電したいか? 通話する可能性があるか?

ロック中のスマホの充電については、4つすべて可能でした。南京錠タイプも、少しすき間をあければケーブルを通すことができます。

▲やや強引ながら、すき間にケーブルを通せばロック中も充電可能

あとは、ロック中も電話に出たいか、出なくてもいいか。スマホ専用タイプは穴があいているため、緊急の電話がかかってきたときも対応できます。ただ最近では、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンと連携させ、スマホに触らず通話する手段もありますよね。

個人的には、「ロック中は電話も出ないことにして、後で折り返す」くらいの気持ちで使用したほうがいいのではないか、と思いました。

時間設定と、ロック解除されたあとの反動

いきなり長い時間ロックするのは辛いので、最初は10~20分程度から始めて、徐々に長くするほうがいいでしょう。

また、ロックが解除されたあと「自由に使える嬉しさから、つい反動でスマホを長く使ってしまう」という可能性もあります。せっかくタイムロッキングコンテナを使っても、その後にまた長時間スマホをいじってしまっては意味がないですよね。

値段が高いほど「壊してまでスマホを取り出すのは……」という気持ちが働く

今回購入した中で一番高かったのが、クリアボックスタイプの4,900円、一番安かったのが南京錠タイプの2,799円でした。(いずれも税込み価格)

ロック中、どうしても我慢できなくなったとしても、値段が高いと「せっかく買ったのに、壊してまで開けるのは……」という抑止力が働くかもしれません。

4種類の比較まとめ

※価格は2022年12月現在でのAmazonでの販売価格。南京錠タイプのサイズはケースのみ。

スマホの使いすぎを見直すきっかけに

実はこの原稿もタイムロッキングコンテナを利用しながら書いていたのですが、「いまロック中だから、仕事に集中しなきゃ」という意識が働きました。スマホの使いすぎを見直したいと考えている人なら、試してみる価値はあると思います。

もし、タイムロッキングコンテナを壊してまでスマホを取り出そうとしたら、それはかなり強度な「スマホ依存症」かもしれません。スマホ依存を専門に扱っているクリニックへ行くなど、根本的な改善を検討しましょう。

編集:ノオト


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386 件のコメント
1 - 36 / 386
タイムロッキングコンテナ初めて知りました。
最初に紹介された商品は知っていましたが、他にも色々あるんですね~!

スマホの場合なら、部屋の外(ワンルームなら玄関)にスマホを置く、電源をいちいち切る、という方法があるそうです。(情報元:樺沢紫苑氏のYoutubeより)
テーブルや机の上にスマホも一緒に置いておくと、集中力が落ちるとか。
僕には必要ないかな〜!
あぁ、こんなのあるんだ!
すぐにスマホを触りたくなる、触らずにはいられない私の心の弱さをロッキングコンテナに閉じ込めたい。
依存というのは大変ですね。

賭け事嫌い、
タバコ嫌い、
酒はとても強いので酔っ払えず、
最後の1時間になったら水だけ飲む。
味は分かるが好きではなく家では飲まない。
ビール・焼酎・日本酒嫌いです。

こういうわけで依存とは縁がない。
本末転倒な気もするけど、面白い試みですね。
スマホにあまりに依存すること良くないですね。すごい機材があり参考になります!!
面白い記事、実験ありがとうございます。
仕事に没頭すると、スマホで気になるのは電話とかのもしもし系なんですけど。
面白い物があるのですね!
緊急時は、困ります❣️
ちょっと使用するのは無理かも!
最後の一文が全てですね…
オカンに与えてはいけない、存在を知られてもいけないアイテム
 俺はロック時間が設定しやすいものがいいと思いました。こういうところが面倒だと継続使用しないかなと思います。
今の私の症状に必要🦆(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)🥳
緊急電話とかあったら困らないかが心配ですが…
今やこういう時代なの?
|||||/( ̄ロ ̄;)\||||||| 驚
わたしはスマホを使いたくないときは,緊急節電モードとか,アプリを全部アンインストールした別ユーザーに切り替えています!復帰させるのはすぐできちゃいますが,しばらく通知もこなくてスマホを忘れられるし,バッテリーも消費しないし,ということで気に入っています。
50インチTVでYouTube見れるので、
これ用のコンテナが欲しい、、、、、
子供たちに宿題や勉強が終わるまでのスマホ強制タイムロッキング執行にちょうどいいかも(笑)しかしお値段が‥そのうちダイソーとかで300~500円くらいで売ってくれないかな~
本来、スマホは緊急連絡を行う物だと思っています。
メールやチャット等は後から読んでも差し支えない物に適用される(急ぐ場合は会話する方がニアンスも伝えられるのでは)と思えば、タイムロッキング等の対応は不要では。小生はスマホの呼び出しには対応します。
会社の後輩に仕事中なのにゲームしていたので注意したら、逆ギレされた苦い思い出が記憶によみがえりました。
依存症をなくす画期的な発明を切に願います
値段が高いですね?
これは必要ないかも?
私にも不要ですね~
色々あるんですね✨

最近家でスマホを触る時はスクワットをしながらや、椅子に座っているなら両足をピッタリ付けて足を浮かせているのでスマホタイムは筋トレタイムで罪悪感なしです♪

なのでお菓子を入れたいです\(( °ω° ))/
紹介ありがとうございます。
必要無いかもですね。
結構前にYouTubeでこれにスマホ封印されたって動画見たなあ
ロック中でも着信に対応できるのは良いですね。
電話が掛かってきたときのことも考えた方が良いですよね。
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