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快適な空気からお米の炊き分けまで! 「スマホ×家電」の最新機能をパナソニックに聞いた
大阪府出身。日々エッジの効いたネタを探し続けるフリーライター。得意ジャンルはサブカル、テレビ、音楽、現代アートなど。デイリーポータルZ 新人賞2017で佳作。自称・無料イベントマニア。
スマートフォンと連携できる「IoT家電」が浸透しつつあります。専用のアプリを使って、リモコン代わりにスマホを操作して家電をオン・オフしたり、運転状況やデータを管理したりできるようになりました。
そこでパナソニック株式会社 くらしアプライアンス社の松下武史さんに、「スマホ×家電」の最新機能や操作方法、今後の可能性についてお伺いしました。
黒物から白物へ テレビから始まった「ネットワークにつながる」家電の流れ
——IoT家電はいつごろ、どういう形で始まったのでしょうか?
テレビやレコーダーなどの黒物家電は、10年以上前からネットワークにつながっていました。パナソニックの「DIGA(ディーガ)」は、録画した番組を宅外視聴できます。
テレビとDIGAは、ネットワークサービスが使えたり録画したものをいつでもどこでもスマホで見られたりする環境を作ろう、と開発を進めていました。それが白物家電へ広がっていったんです。
——「インターネット×家電」は、まずテレビから始まって、そこから洗濯機やエアコンなどの白物家電にも展開していった、と。
そうですね。パナソニック以外のメーカーも含め、家電業界全体がそういう流れでした。
白物家電では2012年ごろに、スマホでタッチできる家電が作られ始めました。モバイルSuicaやおサイフケータイなどで使われているNFC(近距離無線通信)を使い、家電にスマホを近づけて自分好みの設定にしたり、さまざまな情報を確認できたりする製品を作っていました。一般的に「スマート家電」と呼ばれ始めたのがその時期ですね。
現在のWi-Fiを使った「IoT家電」に切り替わったのが2017年です。IoT家電は、本体からクラウドを経由してスマホにつながる構成で、最初は洗濯機やロボット掃除機、エアコンに搭載しました。
——家電本体にスマホをかざしてやり取りする形から、Wi-Fiを使ってクラウドで連携する接続方式に変わっていったんですね。
洗剤を自動で再注文 IoT家電の種類と機能
——いま発売されているIoT家電には、どのような種類があるのでしょうか? また、機能についても教えてください。
スマホとつながる主な白物家電は、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、炊飯器、スチームオーブンレンジ、ロボット掃除機です。
洗濯機ではスマホから遠隔操作ができ、洗濯時間を予約したり、「そろそろ終わります」「終わりましたよ」と通知したりする機能があります。
また、使用する洗剤・柔軟剤の銘柄と使用量をアプリで簡単に設定して、自動投入ができます。さらに、洗剤の残量が少なくなったタイミングで注文を促してくれたり、自動的に再注文してくれたりする機能もあります。
——洗剤の注文までできるんですね。
エアコンは、外出先からオン・オフできるのはもちろん、GPS機能を使って「家の近くまで来たらオンにする」といった機能もあります。さらに電気代を確認できるだけでなく、「つけっぱなし」と「運転オフ」でどちらがお得か、まで判定してくれます。
その他にも、インターネットに接続できる当社の加湿空気清浄機と連携すると、暖房に合わせて加湿運転を行い快適な湿度を保つこともできるなど、さまざまな機能を提供しているんです。
あとは、自動運転に対する体感(暑い/寒い)をアプリで入力することでかしこく運転する「AIフィードバック機能」を搭載しています。
——一番よく使われている機能は?
やはり、先ほど申し上げたエアコンの遠隔操作が一番使われています。外出先から帰る前に部屋を快適にしておくことができるので。
その他にも、洗濯機の「もうすぐ終了」「終わりました」という通知は、多くのお客様に喜ばれていますね。あとは、冷蔵庫の自動製氷で「そろそろ水がなくなりますよ」と通知してくれる機能も便利だ、という声をいただいています。
スチームオーブンレンジのアプリには、毎日更新されるおすすめレシピがあります。作りたいレシピをスマホから送信すると、そのレシピの加熱時間などがセットされ、簡単に調理を開始できるようになります。季節のレシピや人気料理家のレシピがアプリに届くので、「新しい料理にチャレンジできる」と喜ばれているようです。
——使用するアプリは、家電ごとに違うのでしょうか?
はい、家電ごとに分かれており、それとは別に「CLUB Panasonic」という総合的なアプリがあります。いまお使いの家電を「マイ家電」として登録すれば、困ったときの相談ごとや、製品の使いこなし情報を得られます。
例えば洗濯機だと、「おうちクリーニングコースを使ってみませんか?」「スマホアプリを使えば外から操作ができます」といった提案をしています。
お米に合わせて最適な炊き方を IoT家電ならではのマニアックな機能
——「実は今、こんなこともスマホでできる」といった、マニアックな機能や使い方があれば教えてください。
冷蔵庫はスマホのGPS機能でかしこく運転することができます。自宅から出たことを検知したら節電モードに移行して省エネ運転をしたり、買い物先にいることが分かれば帰宅後に食品を入れるのに備えて庫内を冷やしたりします。
さらに、アプリで食材の在庫を確認することも可能です。食材を置くと重さを検知する「重量検知プレート」という商品を使えば、卵や牛乳など切らしたくない食材の残量を確認したり、少なくなったらスマホに通知したりできます。
洗濯機では、本体に搭載していない洗濯コースをアプリから設定できます。おすすめのコースを検索したりオリジナルコースも作れたりするので、洗濯にこだわりのある方にはぜひ使っていただきたいですね。
あとは、炊飯器の「銘柄炊き分け」「出来栄え炊き分け」もパナソニックらしい面白い機能だと思います。
——お米の銘柄や出来栄えによって、炊き方を制御するのでしょうか?
お米って生鮮食品なので、水分によって炊き上がりに影響するんですね。しかもお米の出来栄えは、猛暑や冷夏など気候によって変わります。そこで、お米の炊き方をアップデートできるようにしました。
例えば、猛暑によってお米が影響を受けると、ごはんのベタつきが増加します。そのときは吸水・圧力時間を短くし、炊き上げ火力を上げることで、ごはんの粘りを抑えます。IoTでスマホと連携することで、その年のお米に最適な炊き方のレシピを炊飯器にインストールし、プログラムを更新できるんです。
「家事を手際よくこなしたい」 家電に対するユーザーからの意見
——IoT家電は、どんな人が、どういうシチュエーションで使っているのでしょうか?
例えば共働きの子育て世代は、忙しい日々の中で家事をなるべく時短&効率化したい。そこでIoT家電を使用されています。
洗濯機でいうと、終わる時間を正確にお知らせすることでお役に立てているかと思います。最新モデルでは、AIを使って乾燥の終了時間を予測しています。
——乾燥の終了時間って、そんなに重要なのでしょうか?
家事の段取りが組みやすいんですよね。小さな子どもから目が離せなくても洗濯の状況が分かるので便利だ、という声もいただいています。
みなさん「あれをやってから、これをやって……」と家事の段取りを常に考えながら生活しているので、大変です。IoT家電を購入されたお客様からは、「スマホの通知によって、効率よく家事をこなせるようになった」という声を聞いています。
また、家電に対するメンテナンスを気にしているお客様もいらっしゃいます。空気清浄機のお手入れなど、メンテナンスのタイミングや方法をアプリでお伝えしているので、「いつお手入れしたっけ?と気にしなくてよくなった」という声もありました。
さらに「音声プッシュ通知」という機能により家事の分担が進んだ、という声もあります。例えば音声プッシュ通知に対応する洗濯機とテレビを持っていると、クラウド経由で連携し、リビングのテレビが「洗濯が終わりました」と音声で教えてくれるんです。それを聞いた家族が手伝ってくれるようになり、家事をうまく分担できるようになったそうです。
操作を大幅に削減 家電とスマホの接続方法を簡単に
——スマホと家電は、どういう形で接続するのでしょうか? 初期設定の方法を教えてください。
家電によって詳細は異なりますが、基本的な手順として紹介します。まず家電本体に表示されているQRコードをスマホで撮影し、そのあと家電側のボタンを押してください。次に、スマホからWi-Fiルーターの情報を送り込んで、家電本体がWi-Fiに接続したら完了です。初期設定をした後は、クラウドを経由してWi-Fiでつながります。
——家電本体に通信機能を付け加えているのでしょうか?
家電にはWi-Fiのモジュールを載せています。実は初期のモデルは、スマホとの接続にかなりの手間がかかっていたんです。家電本体やリモコンの操作、アプリの操作、本体のLED確認……と行ったり来たりの操作が必要でした。「これでは、お客様も接続しにくいだろう」と考え、QRコードを使う形に切り替えました。
現在は数ステップで簡単に接続できるようになったので、IoT連携を使っていただけるお客様が増えましたね。このQRコードを使って初期設定する方法は、2021年以降に発売されたモデルから順次導入しています。ただ、接続方法の改善については不具合やイレギュラーな事象もあり、かなり苦労しました。
——一口に家電といってもいろんな形状があるから、スマホと接続するのも簡単ではないだろうなと、お話を聞いて思いました。
おっしゃる通りです。家電によって、Wi-Fiのモジュールを載せる場所は限られます。すべての家電が、電波が飛びやすい前面に搭載できるわけではないですからね。
また2階や3階など、家電の置き場所も各家庭で異なります。その点も考慮しながら、「これなら問題なく接続できるだろう」という設計をしなければなりません。それが非常に困難でした。
IoT家電で、家事の困りごとを先回りして解決したい
——IoT家電がどう進化していくのか、今後の可能性についてお聞かせください。
従来、お客様とメーカーとの接点は、家電を購入するタイミングと不具合の発生時だけでした。でも我々は、お客様とつながってお役立ちを続けたい。そのための手段としてIoTがあると思っています。ネットワークに接続することで、家電を通してさまざまサービスを提供していけるはずです。
——「こういう使い方をしているよ」「ここに困ってるよ」といった声をIoTでピックアップし、製品開発に生かしたい、と。
そうですね。お困りごとについては、すでにチャットボットのお問い合わせ機能があり、スマホで入力すればAIがすぐ返事をくれるシステムを用意しています。
それだけではなく、もっともっとお客様を知りたい。「困ったな」となる前に先回りして、「困らなくて済んだ」という環境を作れればいいですよね。
——個人的には、野菜の鮮度を感知して「そろそろ腐りそう」と通知してくれる冷蔵庫や、洋服の生地を自動的に検知して洗い分けてくれる洗濯機があれば便利だな、と思いました。
そういう要望はよく聞きますし、解決手段や方法を常に考えています。具体的に今すぐとは言えませんが、家事をもっと楽に、効率的にできる製品を開発していきたいですね。
家電はすべてスマホで操作する時代になる、かも?
家電といえば、本体にたくさんボタンがあり、取扱説明書を見ながら「どう使うんだ?」と試行錯誤するようなイメージでした。しかし現在のIoT家電は、スマホを片手に持ちながら、ナビゲーションに従って操作する形へと変わりつつあるようです。
「IoT家電? 本当に便利なの?」と半信半疑に思う人もいるかもしれませんが、実際に使用したユーザーからは「意外に便利だった」「くらしが変わった」という声も寄せられているとのこと。将来的には、家電本体にはボタンが一切なくなり、すべてスマホで操作する形になるのかもしれませんね。
取材協力・資料提供:
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
・スマホとつながる家電のある ちょっといいくらし(パナソニック/新くらし提案)
https://panasonic.jp/lifetech/iotlife.html
・IoTアプリ一覧(パナソニック/新くらし提案)
https://panasonic.jp/lifetech/app.html
編集:ノオト
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モノの価格の上げ幅と給料の上げ幅に乖離が大きすぎる。
ただ、Panasonic家電は、色んな面で気に入ってるので壊れたら次もこのメーカーにしようと思ってる物が多いです。
とても便利です。
家電を揃えるのも大変ですがメリットもあると思います。
昨年洗濯機がお亡くなりになった時、IoTまでいかなくても洗剤自動投入機能とか、脱水の後の絡みほぐし機能が地味に便利で助かってます、パナさん!
出来れば…ワンタップ🐾しんぷるいずざべすと🐾シンプルにポチッと✨生きたい✨
人に対してのメリットとデメリットの縮図を垣間見たよぉ〜なぁ〜
良いものはイイですね👍
シンプルな家電の選択肢も欲しいです。
次買う予定はオーブンレンジだからどんな新しい機能があるか楽しみだなー
内の機器は古いので…あっ!
洗濯機買い換えなければ
>> かーは さん
すごい古いのを修理して使っています。
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#マイネ王9周年おめでとう!
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. #mineo10周年おめでとう!