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「えっと」「あのー」が多い人は思考のメモリ不足かも?会話のプロに聞いた"つなぎ言葉"の改善方法

「えっと」「あのー」が多い人は思考のメモリ不足かも?会話のプロに聞いた"つなぎ言葉"の改善方法

しまだあや
ライター: しまだあや
エッセイを書く作家活動を中心に、企画やMCなど。代表作品に「今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く」、「7日後に死ぬカニ」、「小学1年生ぶりに、父の前で真っ裸になった話」、「日常を3日間タイムループさせたら、74歳に娘ができた」。大阪生まれ、奈良暮らし。家の94%を開放するという変わった暮らし方をしている。

こんにちは。しまだあやです。

突然ですが、みなさんは、お喋りは得意ですか?

YoutubeやPodcastなど、誰でもがネットでお喋りを配信できる時代になりました。私も最近、Podcastでラジオ番組づくりにチャレンジしてるんですが、自分の収録を聞いて、気付いたことがありまして。

私、話の途中に「なんか」「あの」「えっと」って、めっちゃ言ってるんですよ。

ちょっとくらいなら気にならないけど、連続すると、すんごい焦ってる人みたいだし、編集しにくい。なんとかしたいなあ。

この「あの」「えっと」などのつなぎ言葉は、専門用語で「フィラー」と呼ばれるもの。フィラーが多すぎる喋り方は、自信なさげに感じられたり、話す内容の説得力が下がってしまったりするそうで。ネット配信じゃなくても、仕事の電話対応やプレゼン、就活の面接など、大事な場面で出てしまうフィラーを減らしたい人、結構いるだろうなーって思ってます。

そこで今日は、話すプロの力をお借りして、「フィラーってどうして出るの?」「どうすれば減るの?」を探ります。ぜひ、お付き合いくださいまし〜。

「あの」「えっと」って、どういうメカニズムで出るの?

ということで、やってきました。こちらは大阪のラジオ局「FM802」。お話を伺うのは、こちらでラジオDJをされている「中島ヒロト」さんです。

しまだあや
ヒロトさん、よろしくお願いします!
中島ヒロト
こちらこそ! どうぞよろしくお願いします。

中島 ヒロト(なかじま ひろと)

5月23日生まれ、A型。 23歳の時、地元熊本でラジオDJデビュー。以降、現在に至るまでラジオ番組のレギュラーを1週も欠かさず続ける(あっ、自主的にお休みもらったことはあります)。 1994年10月、FM802のDJとなる。いついかなる時も、素敵な音楽と最高のハッピーをリスナーに届けるためにマイクに向かう。「普通」を愛し、「普通」であり続けることを信条とする。

しまだあや
今日は、喋り方について相談をしたくて。最近、Podcastでラジオをやってるんですけど、どうしても「あの」とか「えっと」が出てしまうんです。もうちょっとうまく喋りたいなー、と。
中島ヒロト
なるほど。
しまだあや
ただ、何も勉強せんと来るのもあれなんで、一応下調べもしてきました! そしたら、こんな本を見つけまして……。
中島ヒロト
どれどれ?

スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本(高津和彦著/フォレスト出版)

中島ヒロト
おお、ドンピシャなタイトル! もうここに全部答え書いてたんじゃない?
しまだあや
えっと。結論から言いますと…… 書いてました(爆)
中島ヒロト
俺、いる??
しまだあや
いりますいりますッ! 今日はこの本を教科書にしながらも、ラジオDJのヒロトさんはどうなのかな? っていうのをお伺いしたいです。
中島ヒロト
確かに、人の数だけ話があるだろうしね! おっけー、なんでも聞いてください。それに、僕もフィラーの専門家ではないから、学術的なことはあんまり語れないと思うんだよね。この本には、なんて書いてあったの?
しまだあや
フィラーが出るメカニズムを、「心」「思考」「声」の3つのバランスで説明されてました。このうちのどれかに不具合が出て、バランスが崩れると、フィラーが出やすくなる。例えば、不安や焦りなどの「心」の不具合があると、そのことで「思考」のメモリが埋まっていく。すると、「次はこれを話すぞ」「こういう表現で伝えようっと」など、内容について考えるためのメモリがなくなり、「声」に乱れが出る。=フィラー発生! ……という感じで。
著者の高津先生にご協力いただき、書籍の内容をもとに作図。

しまだあや
就活の面接を想像すると、わかりやすかったです。普段、友達の前ならお喋りが得意な人でも、「次は何を聞かれるんだろう、答えられるかな……」とか、「わあ、隣の人すごい……どうしよう」とか、ぐるぐる考えちゃう。そういう心配事で「思考」のメモリを使い過ぎると、質問の答えを考えるためのメモリが減る。
中島ヒロト
なるほど。それでフィラーもたくさん出てしまう、ってことね。
しまだあや
なので、「思考」のメモリをできるだけ浪費しないためにも、とにかく複雑にしないのがベターだそうです。一文を短くしたり、考え方や伝え方をシンプルにしたり……
中島ヒロト
うんうん、ほんとそうだと思うよ。……ねえ、やっぱり記事、いいんじゃない?(笑)
しまだあや
うわーん! 書かせてください、聞かせてください!!!(笑)

茶番です、ご安心を。


素人とプロ、1分間スピーチでフィラーを数えてみた

中島ヒロト
ちなみに、しまださんはどれくらいフィラーが出るの??
しまだあや
あっ、えっと、いっぱい出ます。
中島ヒロト
ほんとだね(笑)。じゃあ、試しに今から1分間、ひとりで喋ってみて。テーマは「好きな食べ物」で!
しまだあや
好きな食べ物?! どうしよ、いっぱいある!
中島ヒロト
いくよー。よーい、スタート!

しまだあや
私は、麻婆豆腐が好きです! えっと、基本的に辛いものが好きで、あと、辛いとかしびれるとか酸っぱいとか、そういう舌を刺激する物体が好きっていうか、えー、なんか言い方おかしいな。
中島ヒロト
(笑)
しまだあや
唐辛子とか山椒が効いた、四川風っていうんだっけ、えーと……(中略)……だから、麻婆豆腐が好きです。……えっ、まだ時間ある?! アー、なんかこんな話をしてたら、麻婆豆腐が食べたくなってきたなァァーー?!って、今、思って、まァアす!!
中島ヒロト
はい、終了〜(笑)
しまだあや
最後「ア」をのばすことでなんとかしてしまった。

中島ヒロト
いやあ、焦ってたねえ。突然スタートした焦り、言いたい内容がうまく表せない焦り、もう終わるかなと思ってたらまだ時間があった焦り。フィラーは6回くらいかな。最後の「アアァ〜」もカウントすればもっと多いけど(笑)
しまだあや
この本に、「思考=内容の蓄積量」と「声=話の進行度」が同時に進んでいるとフィラーが出やすいと書いてあったんですけど、まさに今みたいなことだな……。

著者の高津先生にご協力いただき、書籍の内容をもとに作図。

しまだあや
これ、ヒロトさんもやっていただけませんか? 話すプロは出ないのか、話し方はどう違うのかを確かめたい!
中島ヒロト
うわ〜、いけるかな?
しまだあや
テーマは同じく「好きな食べ物」で。よーい、スタート!
中島ヒロト
僕が好きな食べ物は、鍋かな! ちょうど冬だし、鍋がおいしい季節。いろんな種類がありますけど、特に「モツ鍋」が好きだなあ。キャベツやニラにスープが染み込んで、ぺらぺらぺら……(中略)で、最後はやっぱり中華麺でシメたいよね〜!

1分間、まるでラジオを聴いているようだった……!

しまだあや
終了ー! ……さすがです、フィラーゼロ!!!
中島ヒロト
よかった〜。途中、余計なこと考えちゃって危なかったよ。「あれ。咄嗟に鍋って言っちゃったけど、一番ってワケじゃないな〜」とか(笑)
しまだあや
あはは(笑)。でもリアルなモツ鍋が頭の中に浮かんできて、おなか空きました。
中島ヒロト
あ、そうそう。僕も喋りながら、よく行くお店のモツ鍋を思い浮かべてたよ。で、その鍋の中身だったり、自分が食べるときの流れを説明してた、っていう感じかな。
しまだあや
なるほど。具体的なイメージがあると、言葉が出てきやすいんだ。

フィラーは決してワルモノじゃない? 沈黙を味方に、きちんと言葉に

しまだあや
今日ね、ここに来るまでに、ヒロトさんのラジオを聴いてたんです。
中島ヒロト
オンエアとなると、さすがにフィラーゼロじゃなかったでしょ。
しまだあや
はい。でも全然気にならなかった。なんでだろう? 自然で、フィラーもトークのリズムを作る一部になっているような……本に「表情や身振り手振りなどの変化があると、フィラーは気になりにくい」って書いてたんですけど、声の抑揚もそのひとつなのかな。
中島ヒロト
あるだろうね。うちは音楽を届けるラジオだから、トークのリズムも意識してるよ。あと、僕たちのフィラーは、焦りや自信のなさから出てるものじゃないってのも大きいだろうね。適度にフィラーが入ることで、リスナーが話しかけられてるように感じる場合もあるし。
しまだあや
確かに! 印象がやわらかくなったり、フレンドリーな気分になったり。
中島ヒロト
そうそう。フィラーは決してワルイやつってわけでもないんだよ。

中島ヒロト
自分がフィラー出してたときのことを思い出してみたんだけど、その頃の僕、無音がこわかったんだよね。
しまだあや
無音がこわい?
中島ヒロト
そう。ラジオって無音は4秒までって決まってて。5秒以上無音が続いたら、放送事故扱いになるの。
しまだあや
え! そうなんだ!!
中島ヒロト
めったにないけどね。特に、FM802は基本的に、トーク中もBGMが流れてるから、トークに間が空いても無音になることはない。でもAMラジオだと、トーク中はBGMナシが多くて。
しまだあや
ヒロトさんは元々、地元熊本のAMラジオ局にいらしたんですよね。
中島ヒロト
そうそう。だからAM時代の感覚が残ってた頃は、「自分の話が途切れちゃいけない」って思ってたんだよね。

中島ヒロト
そこで意識して使ったのが、沈黙。例えばね、「次のゲストを紹介します。実は、あのー、ちょうど3年前に…」。次の言葉を考える間に入ったフィラーだけど、「あのー」が入った途端、トークの温度が下がっちゃう。沈黙だと、「次のゲストを紹介します。実は……ちょうど3年前にね」。
しまだあや
あえて溜めてるようにも聞こえますね。
中島ヒロト
そうそう。しかも収録を聴いてみると、自分が3〜4秒だと思ってた沈黙って、実際は1〜2秒だったりするんだよ。全然気にならない。みんなの世界には4秒ルールはないんだし、フィラーを出すくらいなら、沈黙を使ってみるといいんじゃないかな。

中島ヒロト
あと、これはフィラーとは少し違うんだけど、ラジオDJって「さあ!」っていうつなぎ言葉をよく使うんだよね。でも僕の先輩が「さあ!」は使い過ぎるなよ、って言ってて。
しまだあや
どういうことだろ……?
中島ヒロト
次の話題にすぐにいこうとするのは良くないよ、っていうこと。「さあ!」って、前の話題をスパーンと切っちゃえるからね。これも沈黙にかえて「……それでは、次の話題に移りましょう」の方がいいときもある。あるいは、前後の話題を自然につなぐトークをするとかね。
しまだあや
つなぎ言葉に頼り過ぎず、きちんと言葉にしていく、ってことだ。この本にも書いてありました。「えっと」や「うーん」を、「どう言ったらいいかな」とか「言葉にするのが難しいのですが」にしてみる、って。
中島ヒロト
ラジオは、そういう言い換えを常にしてるだろうね。リアルだったら指を差して「それいいね」で伝わることも、ラジオだったら「その猫の絵が描いてあるトレーナー、あったかそうな生地で、いいね」ってなる。
しまだあや
それが習慣づいてるから、フィラーも、きちんと言葉になっているのかもしれないですね。

本当に話すことが苦手な人は、どうしたらいいの?

中島ヒロト
その本には他に、どんなコツが書かれていたの?
しまだあや
「相手の目を見る」と「声を大きくする」というのもありました。
中島ヒロト
確かに、めちゃくちゃデカイ声で、めっちゃ目ぇ見ながら「えーーーっとぉ!あのォ!!」って喋ってくれる人、あんまり見たことないな(笑)
しまだあや
自信なさげな声色には、ならなさそうですね(笑)。 私ね、この本の好きなフレーズに、「声と自信は切っても切れない。でも自信がつくのを待つより、声を出してみることから」っていうのがあって。気持ちを変えるのはすごく難しいことだから、動きから、っていう。
中島ヒロト
うんうん。大事なことだよね。

しまだあや
今回、本の内容を引用させていただく上で、著者の先生とも話したんです。「本当に話すのが苦手な人は、何からはじめればいいですか」って聞いたら、「フィラーをたくさん出してください。どんどん出してください」って言ってました。
中島ヒロト
フィラーがたくさん出るってことは、それだけ、喋ることにチャレンジしてるってことだもんね。
しまだあや
それもハードルが高いなら、独り言でもいいみたい。朝起きて、外を見て「ああ、いい天気だな」とか。テレビに映る料理に「わあ、おいしそう」とか。それができたら、コンビニの店員さんに「温めお願いします」とか「ありがとうございます」とか、声に出して、自ら伝えたり、って。
中島ヒロト
いいね。その次は、バスや電車で「よかったら座ってください」とかね。
しまだあや
このご時世「会話は控えめに」っていうルールがあるので、できる範囲になるけれど、そういう練習からはじめるのも素敵ですよね。

キャリア30年のラジオDJでも焦るときって? そのときはどうしてるの?

しまだあや
ヒロトさんは、30年程このお仕事をされてますけど、緊張することってありますか?
中島ヒロト
あー……今からする話はさ、ラジオDJとしてすごくダサい話なんだけど。僕、どんな人にも緊張しないのが強みだったのよ。はじめての現場でも、ビッグゲストでも。ただ近頃ね、緊張する相手がいるんですよ……。
しまだあや
誰ですか、そんなヒロトさんをも緊張させる人って……。
中島ヒロト
最近の、めっっっちゃ若い、アーティストさんたち。
しまだあや
えっ。
中島ヒロト
もうね。今の若いみんなが一体何を考えていて、どういうことに価値を感じるのか。その世界は僕の思考じゃ追いつけない、すんごいところまで来てるな、って感じるんだよ……。

しまだあや
あはは、わかるなあ。そういうとき、ヒロトさんはどうしてるんですか?
中島ヒロト
ゆっく〜りトークしながら、探る(笑)。 で、目の動きとか、ちょっとした声の変化を見て、「あ。今のもしかして、好きな話題だったかな?!」ってなったら広げていく。でね、その時の自分なりのコツで、相手の喋り方にちょっと合わせるってのがあるの。
しまだあや
ふむ。
中島ヒロト
例えば、相手が「キャー!どーもどーも◯◯でーす!!」って感じだったら「来てくれてありがとねー! 新曲、最ッ高だったよー!!」って。相手が静かで「……ウッス、◯◯です……」って感じだったら、ちょっと背中丸めて低めの声で「ねぇ、こないだの新曲……聴きましたよ……めっちゃよかったッス……」って。そうすると、相手との距離が縮まる感覚があるよ。
しまだあや
なるほど、相手のトーンに寄り添っていくんだ。じゃあ、緊張を通り越して、頭が真っ白になったことは? 暗記してた原稿がブッ飛んじゃうとか……。
中島ヒロト
うーん、ないなあ。真っ白になったという嫌な記憶を、脳内から抹消してるだけかもしれないけど(笑)

中島ヒロト
そもそも、原稿を暗記することがあんまりないんだよね。頭ん中でざっくり話の構成だけ組み立てて、話す一言一句は決めない。
しまだあや
本にも、丸暗記は、話すよりも前に、原稿を思い出すという工程が挟まって思考のメモリを消費するからオススメしないって書いてたなあ。
中島ヒロト
でも「言おうとしていたことを忘れる」だったら、年に1回くらいあるかも。何か大事な悩み事があって、それをオンエアギリギリまで考えちゃってて。オープニングトークが始まるタイミングで「あ、何話そうとしてたんだっけ」って。
しまだあや
ん? それは、真っ白ではないんですか?
中島ヒロト
真っ白ではない。そういうときどうするかを用意してるから。
しまだあや
どうするんですか?
中島ヒロト
ディレクターの顔の話をする。
しまだあや
なんだそりゃ?!
中島ヒロト
「今ですね〜、僕の目の前にディレクターがいるんですけどもォ、なーんかニヤニヤしてるんですよね〜、嬉しいことでもあったんですかね〜」って。で、それを挟んでる間に「そうそう、嬉しいことと言えばね」って浮かぶから喋る、みたいなね。つまり、そのとき最初に見えたものを実況する。で、それがだいたいディレクターの顔なの(笑)
しまだあや
あはは、なるほど(笑)
中島ヒロト
目の前にその風景があると、話しやすいよね。だから、喋りたい内容を先に、映像で思い浮かべることが多いよ。「今日、すごく焦って走ってる人がいてね」ってことを喋るなら、汗かいて走ってたその人の姿を具体的に浮かべて、それを説明するイメージ。
しまだあや
1分間スピーチの「モツ鍋」も、そうでしたよね。日頃の観察力、それを思い出す想像力も大事なんだろうなあ。ああ、だからそのためにも「思考」のメモリを空けておくべきなのか……いやあ、脳みそってすごい。「アンタもう十分頑張ってるよ」って気持ちになってきた(笑)

何を本当に伝えたいのかを考えて、自分の言葉で話すこと

しまだあや
いや〜本当に勉強になった……! ヒロトさん、ありがとうございます!
中島ヒロト
よかった、よかった。
しまだあや
このタイミングで私、もう一度1分間トークしてみようかな? フィラー、減るかな??
中島ヒロト
お、いいね! ……じゃあ、その前にひとつ。今日はテクニックの話をいろいろしたと思うんだけど、一方で、どんな気持ちで、何を届けたいのかを、本当に心から考えて話をすれば、伝わるんじゃないかなとも思ってるんだよね。例え、どんなに沈黙やフィラーがあっても。

しまだあや
「どんな気持ちで、何を伝えたいのかを本当に考える」……わかりました。やってみます。
中島ヒロト
じゃあ、タイマーセットするね。よーい、スタート。

──私は、麻婆豆腐が好きです。……前職時代のことなんですけど。悩みとか相談事があるタイミングで、上司がよく連れてってくれる中華料理屋さんがあって。そこの麻婆豆腐が、すごくおいしくて。

テーブルに、山椒が3種類あるんですよ。上司が「いっぱいかけるのがウマい」って言うから私も真似したら、目が覚めるくらいしびれて(笑)。でも本当においしいし、食べながら上司が相談に乗ってくれて。ごちそうさまする頃には、「よし、頑張ろう!」っていう気持ちになって。

仕事は変わったけど、今でもずっと、麻婆豆腐はパワーフード。だから私は、麻婆豆腐が、大好きです。

中島ヒロト
……はい、1分です!
しまだあや
えっ、ちょうど?!
中島ヒロト
うん。しかもフィラーもゼロだった。何より話し方が最初と全然違ったよ。すごく伝わった。
しまだあや
麻婆豆腐の何を本当に伝えたいのかを考えたら、この思い出が浮かんで。頭の中に出てきたイメージを言葉で説明した感じでした。
中島ヒロト
僕も「その上司はどんな人だったのかな」とか「3種類の山椒はどんなテーブルに置かれてるのかな、古き良き中華屋さんなのかな」とか。ずっと想像しながら、聴いてたよ。情景が浮かんだ。
しまだあや
すごく嬉しいな……あー、今度こそ本当に麻婆豆腐が食べたくなってきました。
中島ヒロト
いいね。僕も今夜、麻婆豆腐にしようかな。

まとめ

いやあ、すごいなあ。フィラーって減らせるんだな。フィラーって面白いな。

ちなみに、他でも実践してみたところ、さらなる気付きがありました。「えっと」の代わりに「そうだなあ」を使ったら、焦りが減ったこと。沈黙にすると、「今丁寧に考えてくれてるのかな」ということが伝わって、相手もじっくり言葉を紡いで、話してくれるようになったこと。

みなさんもぜひ、まずは「好きな食べ物」について、1分間話してみてください。録音してもいいし、誰かに聞いてもらっても。そのあと、その食べ物のことを心から考える。例えば、その食べ物にまつわる思い出を映像で思い浮かべる。浮かんだら、姿勢を正して、さっきよりちょっと大きな声で、もう一度1分間。

どんな変化や気付きがあったか、よかったら教えてくださいね。

※この記事は、冒頭で紹介した『スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本』の著者である高津和彦先生にもご協力いただき、執筆しました。先生の本もぜひ、読んでみてください。目から鱗が落ちまくります。
https://kozukazuhiko.com/books.html


編集:人間編集部
写真:大越はじめ


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260 件のコメント
111 - 160 / 260
初めてフィラーという名前があるという事を知りました。
人のフィラーは気になるのに、自分がどれだけフィラーを口にしているか自覚しにくいというパターンは他にも沢山ありそう…

今はZOOM録画を見直す機会もあるので、自分で意識してフィラー改善度を確認していこうと思います♪
面白かったです!
参考になります。ありがとうございました。
参考になりました。ええとはよく言うなぁ。
無意識に発している言葉を、いちど意識してみるって大切ですね。勉強になりました。お鍋を見るたびに思い返します。
就活中の子どもにこの記事をすすめようと思います。いい記事をありがとうございました!
退会済みメンバー
退会済みメンバーさん
ビギナー
自分に勢いをつける為の「はい」を使う人がいてノイズ過ぎてその講習会フェイドアウトした事があります。
教えてくれているから言えず…。早めに無記名アンケート取って欲しかった。
とても参考になりました!
話のプロの極意を知ることができ、とても勉強になりました。
私も普段「えっと」や「あのー」をよく使うのですが、これからは意識して少しでも改善するよう努力していきたいと思います。
とても参考になりました。ありがとうございます。
プロのアドバイスはわかりやすいですね。
参考にしたいと思います。
とても勉強になりました!自分もフィラーが多いです。少し練習してみます!
なるほど (ノζ ◇ ・ ξ)
ありがとう御座いました。
話し方が上手い人を尊敬します!
何事も訓練ですね
よくスポーツ選手がコメントで「それでー」「あのー」「そうですねー」とか言ってますが、やはり喋りのプロでは無いからなんですねー。あのー、それでー﹙・・﹚
次の話す内容を考えながら、つなぎの話しネタをゆっくり話す、こうすれば途切れない会話が実現!
えっと」、「あのー」は自分では気が付かないですが、使っているのでしょうね。。。
なかなかつなぎ言葉を無くするのは、癖がついていますので難しいかなあと思います。
つなぎ言葉は、専門用語で「フィラー」と呼ばれるとは知らなかったです。
参考になりました。
プロ野球選手のインタビューに多いですよね〜。一方で、サッカー選手にはほぼいないですね。海外で活躍すると違いがでるのかなあ。。
プロ野球選手のインタビューに多いですよね〜。一方で、サッカー選手にはほぼいないですね。海外で活躍すると違いがでるのかなあ。。
私もついつい使ってしまうワードです。
接客業なので会話術は勉強になります
めちゃめちゃためになりました
哲学者のお茶の水大学名誉教授 土屋賢二のコラムに「えー…」「あー…」「うー…」は発言の7割を占める重要言語だという件があったけどな

フィラーが起こる事は不慣れに因る物だ
慣れていない事は、課題に就いて如何にすべきか判らない為に困惑する為に起こる事象である

仕事を潤滑に熟すには、次に何処で何をすればいいかを覚えている必要性がある
普段喋る事を生業としていれば、意図的に喋る事が日常化しており
何をどの様に喋ればいいかという事を既にインプットしている為、意図的に喋る事が出来る

普段発している言葉にしても無意識にイメージを言語に変換している
脳裏では言葉を発する以前、イメージを介して表現されているのである
喋る事にしても、運動する事にしろ
印象の先行が脳裏に行われる事で的確な行いが実行される
興味深い処では、東北大学の脳トレ教授の曰く「大学の勉強は頭を使わない」という件がある
寧ろ“読み書きそろばん”と云われる一般的な計算や書き取りの方が脳細胞は活動するという
当時その原因までは記載されていなかったが、心理的解釈からすれば日常性との関連が考えられる

例えば足し引き掛け算割り算といった単純計算は買い物をする時に使う事が多い
前頭前野の活動には連想性が関わっており、生涯学習の様な勉強内容は無意識に日常生活を連想させている
連想性が脳細胞の活動性に関与するのである

大学の勉強で脳を使ていない事には、日常生活からかけ離れた課題であり
連想性が低い事が挙げられる

何らかの課題を起こそうとして「あのー…」「そのー…」「でー…」「やっぱり」という間取りが起きる事は無意識での事象であり
探し物をしている時に独り言が出る事と同様であり、はっきりと印象が出来ていな状態ではあるが、考え過ぎている程度の事象ではない
(ストレスは架かっているが)

脳細胞の活動性に就いて一つ気を着けなければ為らない事は、馴れてしまった場合に思考性が停止する事だろう
現代人は多く、日常を無意識に支配されて生活している
意識して物事を捉える事が有たにせよ
一部分の事でしかない物だろう
それは根拠の裏付けない事項に関して、日常的に目にする出来事を常識化している事で証明出来ると思う
日常目にした根拠のない出来事を常識と思い込む事は、無意識の支配下にあるといえる
(因み、自らが信じていた事項の矛盾を指摘された時に改めて確認し直さない事を洗脳状態という
思考性が停止した状態で日常を送ていると洗脳に陥り易い)

だが、例え無意識を意識化したにせよ
それは無意識の負象を解消するに留まる事で有り
心臓の鼓動を自らが停める事が出来ない事の様に、無意識に支配を自ら制御する事は不可能な事だろう
ラジオDJの曰く通り、フィラーが悪いという訳ではないし
フィラーの有無は慣れの問題である為、決して言語能力云々といった事ではない
意図的な喋りが得意かという事に就いては、生活環境に左右される事がある
訓練を行た者とそうではない者で差が出る事は一般的に必然である
フィラーは意図的な発言に関連する事項である為、フィラーの有無にコミュニケーション能力は関しない事がいえるだろう
人には多少の得意不得意が在る事は当然の事だと解釈して問題はない
心理的に解釈すれば、半疑問形や「みたいな」という語尾もフィラーに相当する物と思われる
意図しての発言は文章作成の様な物であり
まとめる事はある程度の慣れが必要だ
無論、発言する方がより訓練は必要になってくる
トークの時間が長くなってくるとつい使っちゃう「と、言う訳で」って言葉。
ラジオ好きなのでいろんな番組を聞いてたりするんですがこのワードが多い方、ついつい気になっちゃうんです。
長い期間喋りの仕事をしてらっしゃる方は繋ぎ方も聞いててスムーズですし、その辺りもトークの心地よさに繋がってきてるのかも知れませんね
そういえば、稲川淳二も「で、」とか「でね、」というフィラーを割合連呼する事があったな……
めっちゃ勉強になりました!!
私も自分が話す時に多いなぁと気にしてました。そういうことだったんですか。
なるほどと思いました。
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