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type-A、B、C? USB 2.0と3.1の違いは? 多すぎるUSBの規格の違いをサプライメーカー「サンワサプライ」に聞いた

type-A、B、C? USB 2.0と3.1の違いは? 多すぎるUSBの規格の違いをサプライメーカー「サンワサプライ」に聞いた

ミノシマタカコ
ライター: ミノシマタカコ
ライター/ウェブ編集。2001年からウェブコンテンツ業に企画・ディレクションとして携わる。2012年よりフリーライターに。女性向けコンテンツのほか、アプリ、旅行、生活、クルマ、働き方など様々な分野で執筆中。趣味は狛犬巡り。日本参道狛犬研究会会員。

スマホやガジェットを新調すると、必ずついてくるUSBケーブル。ふと気づくと、以前と形が変わっていたり、種類が増えていたり……。あまりに多くのUSBケーブルがあるので、新たに手に入れたガジェットと、手持ちのケーブルのコネクタ(端子)が合わなかった……なんてことも。

なぜ、USBにはこんなにたくさんの規格が存在するのでしょうか。そして、それぞれどのような点が違うのでしょうか。今回は、たくさんのUSBケーブルをはじめ、さまざまなコンピューターのサプライ用品を製造・販売しているサンワサプライの広報担当に、お話を伺いました。

まずはUSBの規格をおさらい!

まずはいつも何気なく使っている「USB」とは、何の略語かご存じですか。これは「Universal Serial Bus」という言葉の略語なんです。Busとはデータを交換するための回路を示すコンピューター用語で、1ビットずつ順番にデータを送ることを「シリアルバス」というのだそうです。

また、USBの特徴といえば、データだけでなく電力も供給できること。例えば、USBメモリは電源コードがついていませんが、使えます。パソコンからデータだけでなく、電源も供給してもらって動いているのです。

と、簡単なうんちくを語りましたが……そんな難しいコトを知らなくても、すっかり日常にとけこんでいるUSB。思い浮かべるのは、まずいろんな形状をしたコネクタではないでしょうか。

USBのコネクタは、ホスト側に挿すものと周辺機器側に挿すもので、大きく2つに分かれています。

まずはどんなコネクタがあるのか、主な種類を確認してみましょう。

これまでは、例えばPC側が「Type-A」でも、つなぐ先がプリンタなら「Type-B」、デジカメなら「Mini USB」とそれぞれの形状に合わせたコネクタが必要でした。しかし、Type-C対応の機器が普及したことで、「いくつも用意していたコネクタが1本で済むようになりました」とのこと。USB界にとって、革新的な出来事だったのですね!

そのほかの規格として、ライトニングケーブルもあります。iPhoneユーザーにはおなじみのコネクタです。

「USBの仲間には入りますが、Apple社独自の規格です」(サンワサプライ広報担当)

USBのひとつではありますが、また違うカテゴリなのですね。

次に知っておきたいのが、Type-Cの誕生につながった次世代規格の「USB 3.1」。このようにUSBは数字でバージョンが示されるのですが、3.1に至るまでどのようなアップデートがされていったのでしょうか。

次世代規格「USB3.1」とは?

「USB 3.1」の話に入る前に、USBの歴史を聞きました。

「USBは1998年に登場した『USB 1.1』から広く普及するようになり、2000年に登場した『USB 2.0』は、転送速度がUSB 1.1の約40倍となる480Mbpsにアップ。2008年には、データ転送速度が5Gbpsにさらにアップした『USB 3.0』が登場しました」(サンワサプライ広報担当)

その後、登場したのが「USB 3.1 Gen2」です。

「2013年に発表された規格で、それまで主流だったUSB 3.0から最大データ転送速度が2倍ほど速い10Gbpsとなり、写真や映像など大容量データの転送時間が短縮されるようになりました」(サンワサプライ広報担当)

<USB規格の変遷>

仕様公開年規格名
(カッコ内は旧規格名)
概要
1996年USB 1.0USB規格が登場
1998年USB 1.1電気管理面などで改善。
転送速度は最大12Mbpsに。
2000年USB 2.0Hi-SPEEDモードを追加したことで、USB 1.1と同じコネクタを使いながら、転送速度は約40倍の480Mbpsに。
2008年USB 3.2 Gen 1
(USB 3.0/USB 3.1 Gen 1)
転送速度が約10倍に向上し、5Gbpsに。
USB1.1や2.0と区別するため、コネクタのソケット部分に青色を使用。
2013年USB 3.2 Gen 2
(USB 3.1/USB 3.1 Gen 2)
転送速度が約2倍向上し、最大10Gbpsに。
2019年USB4転送速度は最大40Gbpsに。
データ転送だけでなく、電力供給や映像出力が可能になった。

このスピードアップは「例えるなら新幹線(時速300km)からリニア新幹線(時速600km)に乗り換えるようなもの」とのことで、どれだけ速くなったか、実感できると思います。

これまでのUSB 1.1、2.0、3.0との互換性もあるので、新しい規格のUSBを買っても、古い機器でも使えるので安心してくださいね。

この先には次世代USBも登場!

USB 1.0から3.1 Gen 2まで進化を続けるUSBですが、「今後は『USB4』という新しい規格が主流になっていくと思います」とのこと。

「USB4は、USB 3.1からさらに倍の転送速度を持つ規格で、両端ともコネクタがType-Cとなっているものを指します」(広報担当)

もちろんこれまでのUSBと同じように、それまでのUSBとの互換性も保たれるとのこと。動画や写真がきれいになればなるほど、増えるデータ量。時代に合わせて、まだまだUSBは増え続けていきそうですね。

たくさんあるUSB、メーカーは大変?

これだけ種類があり、次から次へと生まれてくるUSB。数多くの種類が生まれた理由について、サンワサプライの広報担当さんは「USBの性能の向上、機能の拡張のためではないでしょうか」との答え。利便性をあげるためとはいえ、対応するメーカーとしては大変じゃないのでしょうか?

「互換性や機器の対応の確認に苦労しました」(サンワサプライ広報担当)

やはり、種類が増えることで苦労があったとのこと。さらに、ユーザーのニーズにも変化があったそうです。

「コネクタの小型化に伴い小型機器が増加していくにつれて、ケーブルと機器を持ち運ぶことが一般的となりました。また、抜き差しの回数が増えたことで耐久性のニーズも高まりましたね」(サンワサプライ広報担当)

そんなイマドキのニーズに応える、おすすめの商品を聞いてみました!

「さまざまなコネクタ形状に1本で対応できる3in1ケーブルです」(サンワサプライ広報担当)

画像提供:サンワサプライ


「KB-IPLTCM10」はライトニングケーブル、USB Type-C、micro USBの3種類に対応。データ通信だけでなく、充電もできます。micro USBコネクタは、急速充電が可能なQuick Charge 2.0/3.0にも対応。急いでいるときにも心強いですね。

断線や引っ張りの負荷から守る丈夫なケーブルも魅力。加えて、パッケージも簡易な形で、ゴミが少なくなるように設計されています。地球に優しい面は、まさにイマドキ!

画像提供:サンワサプライ


もうひとつのおすすめが、ケーブルが巻き取り式で伸縮自在な「KB-IPLTM08KW」です。こちらもライトニングケーブル、USB Type-C、micro USBの3種類に対応。最長0.8mのケーブルを好みの長さで使えますし、巻き取った形はコンパクトなので持ち運びにも便利。こちらも、データ通信だけでなく充電も対応した商品となっています。

いろんな種類の機器を持ち歩く人には、どちらか1本あればたくさんケーブルを持ち歩かなくて済むのは魅力的。荷物の軽減にも役立ちますね。

まだまだ増えていくUSB規格

USB4の登場で、今後も増え続けそうなUSB製品。でも、それぞれの特徴や違いを知っておけば、整理整頓するときに残すべきもの、必要なものがきっと見えてくるはず。たとえ、古いUSBでも互換性があるので、ずっと使い続けられるのも魅力的です。USBを発明した人、ありがとうございます!

今後Type-C対応製品がもっと増えてきたら、必要なケーブルも減っていくかもしれませんね。いつかケーブル選びに迷わない未来が来るように祈りつつ、サンワサプライさんには、丈夫で便利な製品をこれからもたくさん期待しています!

取材協力:サンワサプライ
https://www.sanwa.co.jp/

(編集:ノオト


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332 件のコメント
133 - 182 / 332
勉強になりました!
ありがとうございます!
30年前に買ったパソコンのインターフェースはscsiでpcとスキャナー、pcとプリンターの番号が合ってないと繋いだだけでは動きませんでした、usbケーブルになってからどんなに嬉しかったか、抜き差しするだけで使えるなんて、ケーブルの天地の間違いなんて全く問題にはなりませんでした、感動したものでした。Thunderbolt 3と Type C が同じコネクターにも感動しました、送信速度の差なんて全く気にしないで使ってます。
USB2.0のケーブルは点検しやすくていい
USB3.0もまあまあいいでしょう
それ以上は接点数が増えたりHDD相手やSATA接続相手だと今はまだ無用の産物状態
スマホのマイクロsdカードだと未だにUSB2.0で事足りている気が...
___
しかし..USB-Cは記憶力のある人じゃないと同じコネクターで何のケーブルかわからない
例えばこれはMacBookProで100w充電出来るよとこれは18wまでiPadしか充電できないよが混在しててややこしい

特に実店舗ではpd18wは最近どこなり直ぐ買えますが60wや100wはレア物で直ぐ買えないのが難点...
んー、、
難しくて ゆっくり考えてみます。
この便利なケーブル、防災用品に加えたいです。
いつも疑問に思っていたことなので勉強になりました。早く一つに統一されてほしいです。
USB4があることを知らなかったので。勉強になりました!
USB1.1規格対応のスキャナーとPCを抜き差し可能で接続できたことは画期的でした。パラレルインターフェースのケーブルは色々とあって、ゴツいので…。

PCとの接続のためだったものが、必ずしもPCでは無くなり、更に給電・充電目的の物が登場したことで、わかりにくくなりました。

コネクタの形状が乱立した背景に、コンパクトデジタルカメラの普及があったと思います。

USB給電で動くミニ扇風機などの登場。

更にスマホの普及。

充電などで頻繁に抜き差しすることになり、コネクタ(ケーブル側)・レセクタプル(差込口)はより強固で抜き差しに強いものに変わっていきました。

主に充電向けケーブルの機器側(USB2.0規格ベース)
mini A or B → micro A or B → Type-C
上記とは別にLightning

充電・給電方法が乱立したため、
充電器・充電ケーブル・モバイルバッテリーは可能であれば、同一メーカー・同一規格のものが良いと思います。

メーカーの独自規格を含めると頭が痛くなるほどのパターンがあります…。

ケーブルの選び方は、充電目的と通信目的を分けた方が良い気がします。

充電向けは、ケーブル内の配線が少ない&細く作れる&安く購入できるためです。

USB Type-Cであっても、充電向けであれば、USB2.0の速度しか出ないケーブルも存在します。

通信速度を求めると、無線LANなどの電波干渉を防ぐために、ノイズ対策もしなければならず、どうしても太く短くなってしまいます。そして高いという…。

ディスプレイと接続する場合は、ディスプレイとケーブルとPCの全てがDP ALT modeに対応しているかどうかの確認も必要です。
よくある間違いですがTypeA、Bとは言わないです。
USBはなにかと便利。データ転送とか充電とか、USBの口を見つけると少し安心する。ただ必ず上下を間違って指してしまう。
USBを使う日が無いほど浸透してますが、
詳しくは知らなかったのでためになります🤔
なんとか統一化されてほしいなと改めて思いました。
・・なるほど!
勉強になりました。

   / ̄ ̄ ̄ ̄\
 ``/  _   _ \
 /   (〇   〇)  |
 |  υ   (_人_)  |
/     ∩ノ⊃ /
|     \/_ノ´| |
\    /___ノ |
  \ /______ノ
microBは、差す時に向きを気にしないとダメだし、しばらく使うとツメがなくなってカチッと嵌らなくなるのが面倒臭い(笑)
C差す向き気にせず使えるからありがたい!
知らなかったので勉強になります。
勉強になりました。
似て非なるものばかりで、困ることも…、ついていけない感。
勉強になりました、ありがとうございました。
マルチケーブル、今度探してみます!
端末ごとに違うコネクターは困ったもんです
USB4は知らなかったです( ͡°ᴥ ͡° ʋ)
分からないな事が沢山有りました😅勉強になりました…ありがとうございま〜す🎶🎶
わかりやすい記事ですね!
規格を統一してほしいもの、他にも色々ありますよね
よくわかりました
勉強になりました。
スマホ充電に使いますが、端子付近のコードがヘタレやすく充電できなくなることもしばしば。
多少高くても丈夫な方が長持ちして使えそうです。
退会済みメンバー
退会済みメンバーさん
ビギナー
USB3.0 MicroBはのってない気がしますが、ちょっと前の2.5インチHDDやUSB接続のディスプレイで採用されていましたが、壊れやすいので最近はめっきり減った気がします。
勉強になりました。
勉強になりました。いやいや奥が深い。ありがとうございました。
AのUSBにPDF文書を入れて,コンビニ印刷に行ったら,USBが認識されませんでした。物持ちが良いので,第1世代端子でした。以来,持ち歩くUSBは世代遅れしないようにしてます。
先日,ノートPCの拡張性を確認してたら,電源供給,画像転送,thunderboltなど,機能/アイコンがあることを知りました。解説企画第2段もあると嬉しいです。
いろんなのがあるんですね
USB Type Aの場合、早く差し込むと3.0と認識されますが
ゆっくり差し込むと2.0と認識されますね。
色んな種類があるんですね。いい勉強になりました!
早くAppleもタイプシーにしろ
ライトニング廃止してくれ
パソコンの充電も統一して欲しい
USBケーブルの解りやすい説明有り難うございました。
実は間違って違うタイプを購入してしまった事があります。詳しい説明感謝です!
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