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マイネ王読者のみなさま、こんにちは。
ライターのおかんです!
2020年はコロナ禍で大変でしたが、天災も大変でしたよね。九州・球磨川をはじめ全国いろんなところで大雨で川が決壊しました。
毎年思うんですけど、日本ほんとに天災多すぎ!!大雨は毎年どこかに降るし、台風は巨大化してるし。そして地震……!備えるのはもちろん大事だけど、なんとかそれを回避する術ってないんでしょうか!?
そんなことを話しながら立ち飲み屋で飲んでいたある日、隣にいた男の子が言いました。
「それは地学の分野ですよ。地図見たらけっこうわかっておもしろいですよ」
その男の子は大学で地学を専攻していたんだそうです。
ち、地図を見たら……わかるの!!?
地学とは、すごくざっくりいうと「地質・土地の成り立ちや特徴を学ぶ分野」。そこから天候の予測や防災の研究にいたるまで、人々が安心に暮らせるためのことが地学によって成り立っているそう。
私は地理を高校1年生までしかやっていなかったので知らなかったのですが、世の中って便利なんですね。地質や土地の成り立ちを知ることができるWebサービスや地図のアプリがあるそうなんです。
たとえば、国土地理院のWebサイト。
https://www.gsi.go.jp/
国土地理院が刊行している地図。閲覧サイトでは、全国の汎用地図から土地の高低差や各時代の地図を閲覧することができます。
そして地図のアプリ「地形を感じる3D地図アプリ『スーパー地形』。
※「スーパー地形データ」や「地理院地図」、「GoogleMap」がまるっと入った地図のアプリです。
※スーパー地形データ……日本のDAN杉本さんという方が個人で開発している登山者向けの地図ソフト。
今回は、地学の先生と一緒に、それらの地図アプリやWebサービスを見ながら地学と防災の関係性について教えてもらいました。
自分が住む土地はどんな災害に弱いor強いのか。土地のことを知れば、今後起こりうる災害により備えることができるかもしれませんよ!
小荒井 衛(こあらい まもる)
茨城大学 理工学研究科(理学野)地球環境科学領域 教授
日本地質学会会員。また、地学・地理・地図・空間情報関連のさまざまなな学会にも所属している。
国土地理院:地理院地図より。海抜が高いところほど赤く、青いところほど海抜が低く表示される。
・海抜が低い土地は水害に注意が必要
・なぜ海抜が低いのか、理由まで知ると防災意識が高まる
・東京を走る荒川は水害対策のためにつくられた人工河川
・人工河川の有無は人々が水害と戦ってきた証拠
歴史的農業環境閲覧システムのトップページ(https://habs.rad.naro.go.jp/)。
国土地理院より。「II」みたいなのは田んぼの地図記号
・宅地開発などで「土地がどんな災害に弱いか」がわかりにくくなっている
・昔の地図を見ればその土地にどんな特徴があるか知ることができる
・特定の一帯だけ土地の高さが違う場所は池や沼があった可能性
・もちろん、過去の災害からしっかり対策は各地で進んでいる
・山側のエリアは土を盛ったり削ったりして土地の高さ自体が変わっている
・「盛り土」で土地を高くしたところは地滑りが起きやすい
「盛り土」「切り土」の分布図を公表している自治体もある
特定の災害が起こりやすい土地には、それを想起させる地名がついていた
しかし、宅地開発などで昔の地名が変わってしまっていることもある
気になる人は昔の土地の名前を調べてみるといいかも
でも結局、どこに住んでいても気をつけないといけないのは同じ
大地震はもちろん怖いが、頻度でいえば水害の方が多い
温暖化などで過去には無かったような水害も増えている
堤防や堤が整備されて、つい「そんなことが起こるはずない」と思いがち
自分の土地の海抜や歴史、土地の特徴を知ると対策が練りやすい
きっと今年も、全国のどこかで災害が起こるでしょう。
そんなとき、自分の土地を知っておくことは、気持ち的にも行動的にもプラスに働くのではないでしょうか。
いまはアプリやWebサービスで簡単に閲覧ができるようになっていますから、みなさんもお手すきの際に自分の住むところがどんなところなのか調べてみてください。
「いくらなんでも大丈夫でしょ!」「さすがに溢れたりはしないと思うけど……」とついつい楽な方に思ってしまいがちな心に、地学という、時代を積み重ねるごとに集約されてきた土地に関する知識がアラートを鳴らしてくれます。
企画・編集:人間編集部
写真:西田周平
協力:日本地質学会
今くらいの時期は必ず川が氾濫してたなぁ
もっといろいろなところの話も聞いてみたいですね
ありがとうございます。
とても勉強になりました。
ハザードマップを活用して、防災に備えます!!