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iPhoneだけでもキレイに撮れる!? 日々の暮らしを発信するアケシンさんに動画撮影のコツを聞いてみた
ライター/ウェブ編集。2001年からウェブコンテンツ業に企画・ディレクションとして携わる。2012年よりフリーライターに。女性向けコンテンツのほか、アプリ、旅行、生活、クルマ、働き方など様々な分野で執筆中。趣味は狛犬巡り。日本参道狛犬研究会会員。
TikTokやYouTube、Instagramなど、いろんなところで動画を目にすることが増えました。素人には難易度が高いイメージがあった動画が、いまやスマホ1つで撮影から編集まで完結できるんです。
今回は、iPhone Xひとつで撮影、編集した日常の動画(Vlog)をYouTubeで配信しているアケシンさん に、動画制作のコツを聞いてみました。
2016年2月に東京から静岡県下田市に移住したサラリーマンの日常をYouTubeで配信しているアケシンさん。家族との時間や移住先・下田での暮らしをアップし続けています。
カメラのプロでもなく、過去も現在も会社勤め。ただ、写真撮影は昔から好きだったそうです。
「実は、3年前に網膜剥離をしてしまい、手術はうまくいったのですが、一眼レフの手元がうまく見られなくなりました。写真が思い通りに撮れなくなったことで、撮影する機会も減ってしまいました。そんな中、たまたま動画をいくつか撮っていたので、それをアプリで編集してみたところ、形になって『楽しいな』と。写真と違う楽しさに目覚めてしまったんです」
写真を撮るのと同じ気軽さで、スマホで3~5秒程度の短い動画を撮りだめ、つなぎ合わせるように。また、放置状態だったYouTubeアカウントも再開。2020年1月から、日々の暮らしをVlog(動画ブログ)としてYouTubeにあげ続けているのです。
・iPhone X
・ミニ三脚
固定用:Pixi(Manfrotto製、約2,500円)
伸縮用:MT-8(ulanzi製、約2,000円)
・スマホ用ジンバル vlogpocket(FeiyuTech製、約8,000円)
※ジンバル:撮影時のブレや揺れを抑えて、スムーズな動画になるように撮影を助ける道具
「ミニ三脚は、最初は百均のものでもいいと思います。また、2種類使っている三脚のうち、伸縮タイプは、画角を広く取りたいときに使っていますね。どれも、最初は手元にあるものや低価格の製品から使い始めるのがおすすめです」
撮影アイテムにハマってしまうと、際限なく欲しくなるので注意とのこと。挫折する可能性も踏まえて、すでに持っている物や手頃な価格のアイテムを使うのがいいと言います。
「iPhone Xは手ブレしやすいので、スマホ用ジンバルを使ったほうがキレイに撮れます。iPhone 11以降は標準のままで手ブレしづらくなっているはずなので、ジンバルが無くても十分キレイに撮影できると思います」
スマホ用ジンバルもどんどん新商品が登場しており、小さくて低価格のタイプも増えています。スマホだけで撮影してみて、必要を感じたら購入を検討するのが良さそうです。
撮りたいシーン別! 撮影のコツ
iPhoneでの撮影で最初に注意したほうがいいとアケシンさんが主張するのは、スマホの構え方。
「テレビなどディスプレイで見ることを想定して、必ずスマホは横に倒すのを忘れずに! 横長の映像から縦長に変換することはできても、縦長の映像を横長にするのは大変です」
TikTokのように縦長の動画を配信できるサービスもありますが、後々見るために残す映像なら、テレビやパソコンのディスプレイに映すことも考えて横長にしたほうがいいでしょう。
スマホの構え方を頭に入れたら、シーン別の注意点を見ていきましょう。
<歩きながら、自転車に乗りながらの風景動画>
「初めて動画を撮って編集するなら、いつでもどこでも気軽に撮れる風景動画が一番おすすめ!」とアケシンさん。撮るときに気をつけるべきところは?
1、手ブレに注意!
「見ているときに気持ち悪く感じるのと、動画の質が落ちるので手ブレには注意しましょう。歩くときは、腕の脇を締めて膝を少し落とす感じで、極力ブレが生じないように気をつけています」
持ち方にも、ちょっとした工夫があるのですね!
「手ブレを防止するには、ジンバルを使うのがベスト。ただ、近年のスマホは手ブレ機能が向上しているので、ジンバルなしで撮影して大丈夫な機種か、実際に撮って確認してみると良いでしょう」
2、自転車に乗りながらの撮影時は絶対に手で持たない!
「自転車に乗りながらの撮影は、ジンバルを使用して自転車に固定します。自転車やバッグ・首かけタイプなどいろいろなスマホホルダーがあるので、それらを使ってもよいかも」
片手にスマホを持って運転は御法度! 片手運転は道交法違反を問われる可能性もありますので、安全のためにも必ずiPhoneを自転車に固定して撮影しましょう。
3、変化をつけたいなら撮影モードを変えてみる!
手軽に取り組める風景撮影ですが、単調になりがち。そんなときは、撮影モードを変えてみるといいそうです。
「タイムラプスやスローモーション機能を使って撮影をすると、雰囲気を変えることができます。きれいな景色を撮るときに試してほしい方法です」
特に人の動きなどは、スローにすると印象的なシーンを演出できます。スマホにより機能が異なるので、自分のカメラにセットされている特殊撮影機能はどんなものがあるか、チェックしてみてくださいね。
<クッキング動画&お食事動画>
食べ物は「寄ったり引いたりして、飽きさせないようにすることとと、おいしそうに見える光があるところで撮るのがポイント」とアケシンさん。
1、ミニ三脚での固定は必須!
料理しながらスマホを持つのは至難の業。刃物や火を使う場所だからこそ、しっかりと固定できるミニ三脚がマストとのこと。
「視点や角度を変えながら、5秒前後ずつ撮っていく。寄りと引きの映像を取ると変化がでます」
また、完成した料理や食事シーンを撮るときも、引いたり寄ったりと、いろんな角度で細かく撮ると変化が出やすいのだそう。
「iPhoneだと、一眼やミラーレスのようなボケ感を出すことが難しいですが、寄って撮るとそれなりにボケ感を出せるので、それによって雰囲気を出していくようにしています」
2、できるだけ明るいところで撮る
せっかくのおいしい料理も、暗い場所で撮影すると魅力が半減してしまいます。
「できる限り明るいところで撮るべきです。自然光だけでなく、ライトを使う人もいるかもしれません。私はできるだけ自然な色合いがいいので、自然光のある場所で撮影するようにしています」
お店紹介やお食事動画を撮るときも、明るい場所のほうがいいそうです。ライトを持ち込むのも手ですが、アケシンさんの体験からは、自然光のほうがおいしそう、とのこと。
「YouTubeにアップするときは、お店の方に『趣味で動画を撮ってYouTubeにあげています。できれば明るい席にしてもらえないでしょうか』と伝えるようにしています。iPhone Xは手軽に撮れるのが魅力なのですが、暗いところに弱いのです」
<子どもの撮影>
YouTubeでも公開しているからこそ、公開用に自分の子どもを撮るときは「正面から写さないようにするなど多少気をつけています」とアケシンさん。手元だけで楽しむなら、どんどん撮影して動いている姿を残したいですよね。
子どもを撮るときのコツも聞きました。
1、オススメのシチュエーションは散歩しながら!
子どもを撮影する際のおすすめのシチュエーションを聞いてみました。
「子どもを写すなら、屋外の風景と一緒に歩きながら撮るのが一番おすすめです。生き生きと動きのある動画を撮影することができます」
2,写真と違って動き回るほうがうまく撮れる!
また、動き回るという子どもの特性が、写真と違って動画では好都合になるのだとか。
「動画は動きのある画があった方が、後々メリハリがつくので、子どもが動き回ってくれるのはむしろ歓迎。ただ撮られているのを意識されると、不自然な表情や動きをし出すので、スマートフォンでネットをチェックしたりしているフリをしつつ、こっそり撮ったりすることも多いです。そういった点ではスマホ撮影は便利ですね」
ちなみにネット上にアップせず手元で楽しむために、大量にお子さんの動画を残されているのだそう。
「将来、思い出をたくさん、残して伝えてあげられたらなと思って日々撮影しています」
写真と同じ感覚で、動画をこまめに撮っているんですね。
3,家族に嫌がられない域を目指すべし!?
アケシンさんみたいに、いつも動画を撮っていると家族に嫌がられたりしないのでしょうか!?
「最近は『また動画撮ってる……』と半ば日常化してきて、それがデフォルトとなってきました。この域に達したら勝ちです(笑)」
日常の域まで達すれば「動画撮らないで!」と言われず、家族の様子を残せるようになるのかも? ひとつのケースですね。
編集も無料アプリで完結!
動画編集=難しそうと感じてしまいますが、素材を選んで自動でオシャレな動画を作成してくれる無料アプリもあります。アケシンさんおすすめのアプリを教えてもらいました。
はじめて動画編集をするなら、Goproが出している「Quik」というアプリがおすすめとのこと。
「最初はこのアプリを使ってみると動画作成の楽しさが体感できるかも。自分も最初のほうで公開している動画はこのアプリを使って作ったものが多いんです」
素材となる動画を選べば、自動で編集してくれるので、あれこれ考える必要がないのがメリット。もうちょっと自分で細かく設定したい、というときは、次に紹介するアプリがいいそうです。
iOS版ダウンロードページ
「多機能かつ無料でUIも分かりやすいので超おすすめです。TikTokに投稿する人がよく使っていると聞きます。これ1本あれば、だいたいのことはできるのではないでしょうか」
「Quik」に慣れて物足りなくなってきたら、こちらのアプリに切り替えてみては。
さらに、オシャレさをプラスしたい人には次のアプリも要チェックです。
iOS版ダウンロードページ
「サムネイルやチャンネルアート、タイトルロゴなどが簡単に作れるアプリです。Youtubeに限らずInstagramやフライヤー作成などにも使えます」
「Capcut」を使いこなせるようになったら、合わせて導入したいのがこちらのアプリ。タイトルやサムネイル画像を、ちょっとオシャレにするだけで、動画の印象もグッと変わりますよ。
iOS版ダウンロードページ
ちなみに、iPhoneには「iMovie」というアプリが標準でインストールされていますが、あまりおすすめできないとのこと。
「用意されているフォントなどの素材が限られているし、オシャレな動画もつくりにくいんです。使いやすさからも、他のアプリのほうが役立っています」
編集にはどれくらい時間がかかるの?
撮影と共に気になるのは、編集にかかる時間。結構手間がかかるのではないかと思ったら、「意外と短時間でできる」とアケシンさん。
「例えば、文字入れなしの3~5分程度のシネマティック風動画であれば、『Quick』を使って5分もあれば完成します」
ただ、一から動画をつないで、音や字幕を入れたり、フィルタリングをしたりすると、「最低でも2、3時間はかかるかも」とのこと。
「動画の大枠を作るのはさほど時間がかからないですが、細かな調整にとにかく時間がかかります。特にスマホだと画面が小さいので、操作に若干手間取ってしまいます」
ちなみに1本の動画をつくるために、素材はどれくらい撮りためているのでしょうか?
「3~5秒を50から80カットくらいでしょうか。写真でアルバムを作るのと同じ感覚で、静止画の代わりに動画を撮っています」
なるほど! 動画を撮るぞと気張るわけではなく、写真と同じ感覚で撮ってアルバムを作る感覚で編集しているのですね。
また、「基本的には細かいカットを繋いで音と合わせた方が、観る側としては飽きがこないと思います」とのこと。そして動画ならではのデータ量問題も関わってきます。
「動画の場合、写真を撮るだけではあり得ない容量のデータ量が必要となるので、短い動画をたくさん撮りためる形をとっています」
いざ動画を作ると思うと、気持ちのハードルが高くなりがちですが、短い動画を写真感覚で撮り重ねる方式ならチャレンジしやすそうです。
また、写真だと“プロらしく”見せるためのコツのひとつに「構図」がありますが、アケシンさんは意外にも「あまり細かくは気にしていない」と言います。
「基本的には光の入り具合を意識しつつ、引きと寄り、あとはさまざまな角度から撮ることを気にかけています。それとスマートフォンだとレンズ性能の限界でボケ感をなかなか出しにくいのですが、思いっきり対象に寄って撮るとボケ感が出やすくなるので、そういった画を撮るようにはしています。ただ、その画のなかに自分が狙った画だけでないイレギュラー感を入れたいので、今は考えすぎず、むしろ直感に頼って撮影していますね」
構図を考えすぎて貴重な瞬間を撮れなくなるのは本末転倒。まずはどんどん撮り重ねることが大切なようです。
音や字幕はどうしてる?
作った動画を配信するなら、気にしたほうがいい著作権。配信しなくても、BGMや効果音をどうするかは悩みどころです。
「音に関しては、最初は編集アプリ内に入っている音素材を使うのがスムーズですね」
アプリに入っている楽曲は、著作権をクリアしている音源が多いとのこと。また、文字については、編集アプリの中に用意されているフォントを使っているそうです。
また、アプリ内で用意されているフォントはどんどん増えているので、選択の幅も広がっているとのこと。無料なのにすごいですね!
ちょっとした工夫で洗練された動画に! 小さなコツ
動画編集のコツも教えてもらいました。ちょっとしたことを心がけるだけで、素人でも見せ方が変わるのだとか!
1、音楽のビートと映像の切り替えを合わせる
「合っていないと、映像と音がずれて非常に気持ち悪い動画になります」
2、時系列を分かりやすくする
「スマホから動画を選ぶ際、撮影順に動画が出てくるので、時系列に沿って並べると作業がスムーズです。最初の頃は、例えば、『○○へ行った』など動画のテーマをひとつに絞ると、より編集しやすくなります」
3、編集アプリの演出機能を試してみる
「いろいろな機能を使いこなせるようになると、動画の幅が広がります。ひとつずつ試してみてください」
最初はお金をかけずにはじめよう!
撮影から編集まで動画を作るならiPhone Xでも十分とアケシンさん。もし、記事を見て、興味を持ってはじめたいと思った人にメッセージはありますか? と聞いたところ「お金を掛けずにはじめたほうがいい」とのこと。
「はじめる前に時間もお金も費やすよりも、お試し気分ではじめてみて、のめり込みそうならお金をかけたほうがいいと思います」
確かにカメラ選びやガジェット選びは楽しいですが、そこにお金や時間をかけて、始めてみたらハマらなかったとなったら、せっかくの撮影アイテムも無駄になってしまいます。
「いくつか撮っていく中で、光が足りないと感じればライトを、声も撮りたいならマイクを……というふうに、必要に応じてそろえていったほうがいいでしょう」
今はiPhone Xで撮影から編集まで行っているアケシンさんですが、スマホで編集するのが大変になってきたら、ゆくゆくは撮影をスマホ、編集をパソコンで行うことも考えているのだそう。
「ただ散歩しているときでも、交差点、風景、カフェなど眼に写った物を撮影してつなぐだけで1本の動画ができてしまいます。写真とはひと味違った思い出記録ツールとなるので、おすすめです」
なにより、幼い子どもの記録として動画は向いているとアケシンさんは言います。
「小さい子どもの成長はあっという間です。そんな子どもや家族の人たちの『動きや声』などを、記録として残しながら振り返ることができるのは、写真にはない動画ならの強みだと思います」
また、保育園や学校のイベントなど、子どもは動画を撮る機会がいっぱい。でも撮りっぱなしでお蔵入りになっているものも多いのではないでしょうか。そんなときこそ「編集してみること」がオススメなのだそうです。
「1カットでの長尺動画はどうしても見飽きる可能性が高いもの。長くても、少し手をかけて動画編集したり、音楽をつけたりすると、思っていた以上に映えた動画になることもあるんです。突き詰めれば奥が深い世界でもあるので、皆さんにもぜひトライしてみてもらいたいなあ、と思います」
スマホカメラの機能が進化してきたからこそ、写真と同じ感覚で撮れる動画。新しい思い出や記念のツールとして、写真と一緒に試してみてはいかがでしょうか。
アケシンさん
2016年2月に東京から静岡県下田市に移住してきた、小遣い定額制サラリーマン。YouTubeでは下田を起点とした伊豆半島での生活における出来事、一昨年に購入した中古住宅のDIY、ささやかなお小遣いをやりくりして手に入れたガジェット類などささやかな日常をiPhone時々iPadで撮影・編集している。
https://www.youtube.com/user/mooochakeshin/featured
https://linktr.ee/mooka
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特に室内でのスーパースローモーションはGalaxy Note10+に比べて、とても綺麗に映ります(iPhone8)。
いい思い出!
iphone持ってませんが、色々すごいです、参考になります。😊👍
どうせならキレイに撮りたいなー
プラスティックとか反射するものをどう撮ればいいか未だにわかりません。
様々な方法があるんですね👀
徐々に勉強していきたいと思います。
こういう記事はありがたいです。
参考にさせていただきます。