スタッフブログ
(応募終了)テレホンカードって、今も作られているの? 印刷会社に聞く最盛期と、最近の製造事情

(応募終了)テレホンカードって、今も作られているの? 印刷会社に聞く最盛期と、最近の製造事情

たかや
ライター: たかや
1993年生まれ。ライター。記事の撮影はスマホのカメラを使うことが多いので、スマホがないと生きていけない。

こんにちは。ライターのたかやです。

「平成」から「令和」へと時代が移り、あっという間に4カ月が経ちました 。

元号が変わる前後、SNSを中心に「平成に流行った物を懐かしむブーム」が起きていましたね。平成5年生まれの僕も「こんなのあったな~!」と懐かしい気持ちになりました。

「懐かしい」といえば、みなさん“あのアイテム”のことも覚えていますか?

公衆電話専用のプリペイドカード「テレホンカード」です。

僕は小学生の頃、「迎えが必要なときはコレ使って!」と親からテレホンカードを持たされていました。携帯電話が普及する前は、かなりの人がテレホンカードを使っていたのではないでしょうか。

▲僕の小学生時代

ちなみに僕は、他の同級生が10円玉を使って電話をかけてるのを尻目に、「へ~、君たち小銭使ってるんだ? 自分、(テレホン)カード持ってますけど?」とイキる嫌な小学生でした。

いやー、懐かしいですよね。テレホンカード。それと同時にこんなことも思います。

携帯電話やスマホの普及により、公衆電話を使う機会がほぼなくなり、テレホンカードの製造数もかなり減少しているのでは……? テレホンカードは今後、どうなっていくのでしょうか。

思いをはせているうちに、無性に気になってきました。

というわけで今回は、現在もテレホンカードの製造を行う印刷会社「アンリ」さんを取材させていただくことに!

▲取材にお応えいただいた、アンリの松澤さん

大阪に本社を構えるアンリさんは 、テレホンカードのほか、QUOカードや図書カードなどのプリペイドカードの製造・加工事業を行う印刷会社。最近はマスキングテープやロールふせんの印刷がメインの事業になっているんだとか。

1985年の設立当初からテレホンカードを印刷しているとのことで、最盛期や最近の製造事情など、いろいろと聞いてみましょう!


テレホンカードの印刷をやめない理由

スマホが浸透しているこの時代、やっぱりテレホンカードの印刷の依頼は少なくなっていますか?

そうですね。現在のテレホンカードの注文数は、1カ月に多くて10件ほどですね。QUOカードや図書カードと比べたら、かなり少ないです。

やはりそうですよね。では、なぜアンリさんはテレホンカードの印刷事業をいまでも継続しているんですか? 「スマホの時代に逆行してやる!」みたいな反骨精神でもあるんですか?

いえ、そんな精神はないです。当社で取り扱うカードは、全て同じ印刷機で印刷できるんですよ。テレホンカードも、QUOカードも、図書カードも、一般カードも。

なるほど。印刷機が現役で活躍してるから、やめる理由がないってことですか?

はい。テレホンカードの注文数は少なくなりましたけど、だからといって印刷をやめる理由にはならないな、と。カードの本体があれば印刷できるので。他社さまで継続しているところもありますが、もしかしたら同じ理由かもしれませんね。

思っていたよりも、めちゃくちゃ現実的な理由だった……。


どんなお客さんから注文がくるの?

現在はどんなお客さんからの注文が多いんでしょうか。

一番多いのは学習塾の先生からですね。

塾の生徒さんたちに渡すってことですか?

そうです。もしもの場合に備えて、携帯電話を持ってない生徒にテレホンカードを渡しておきたいという先生は多いんですよ。

いい先生だなぁ。

あと最近は減ってきましたが、水道修理の会社や保険会社の方から「会社の情報を記載したテレホンカードを印刷してほしい」といった注文もあります。営業先でお客さんに渡すみたいですね。

テレホンカードを広告代わりに使うんですね。でも、QUOカードや図書カードのほうが、もらう側からするとうれしい気も……。

そう、そこなんですよ。QUOカードや図書カードはさまざまな加盟店で使えるので、もらったらすぐ使い切って、その後は捨てられてしまいますよね。でも、テレホンカードだと使う機会が少ないので、ずっと財布の中に入っている。つまり「自社の情報を常に持っていてくれる」ことが本当の狙いらしいです。

そういうことか……!

▲こういうことらしい

逆転の発想というか、アッパレな作戦ですね。

あと最近は減ってきましたが、一昔前は、小・中学校から「卒業記念のテレホンカードを作りたい」という注文もありました。

▲卒業アルバムの定番「集合写真」をテレホンカードに。
(現在は、図書カードを作る学校が多いらしい)


他にも「上司からパワハラがあったらここに相談しなさい」と、専門部署の電話番号を記載したテレホンカードを社員に配る企業さまもいらっしゃいますね。

そういう事例を聞くと、テレホンカードは意外と現代に適応している感じもありますね。

公衆電話が設置され続ける限り、テレホンカードの製造が完全になくなることはないと思います。

テレホンカードを所持しておくと、どんな場面で役立ちますか?

昨年、ソフトバンクで大規模な通信障害があった時、多くの人が公衆電話を使うための小銭を作るために、コンビニでおつりが出るように買い物をしたらしいんです。 レジに並ぶ行列もすごかったみたいで。そういう、もしもの時にテレホンカードがあると安心ではありますよね。

どのキャリアでも通信障害が起こる可能性はありますもんね。他にはありますか?

あとは、自然災害時とか。いや、災害時は公衆電話が無料で使えるようになるからテレホンカードは必要ないか。う~ん、使い道……他には特にないかなぁ。

すみません、野暮な質問をしてしまいました。

当社はあくまでもカードを印刷する会社なので、用途に関しては「お任せします」としか申し上げられないところです。


テレホンカードの利用者が減った理由

昔はテレホンカードの注文も多かったんですよね?

そうですね。平成の最初の頃が売上のピークだったと思います。携帯電話が普及する以前だと、外出先で連絡を取りたいときには、やはり公衆電話を使うことになるので。

公衆電話の設置台数は1980年代から減少しているらしいのですが、それに伴ってテレホンカードを使用する人も減ってきたんでしょうか。

公衆電話の減少も一つの要因ではありますが、ポケベルの衰退も影響していますね。

ポケベル……! 親が持ってました!

ポケベルの契約者数が一番多かったのが1996年あたり、いわゆる「ポケベルブーム」の年。学生たちが昼休みに公衆電話まで走って、友だちや恋人のポケベルにメッセージを送る……よくある風景でしたね。その頃はテレホンカードの製造数も多かったです。

なるほど〜!

その後、PHSや携帯電話が誕生して、ポケベルの利用者数は減っていきました。それに伴って、テレホンカードも……という感じですね。

ポケベルがテレホンカードの利用を促進していたって、ポケベルを使ったことがない身からすると、ちょっとした驚きですね。


昔はどんなデザインが多かった?

テレホンカードの最盛期は、どういうところからの注文が多かったんですか?

圧倒的に多かったのは、観光地のお土産ショップからの注文ですね。

あー! むかし家族旅行で行った観光地で、ご当地テレホンカードが売られていた記憶がうっすらあります!

こちらは、むかし営業先で紹介していた当社のサンプル帳です。当時のデザインがどんな感じだったか、参考までにご覧ください。

……魅惑のニュータイプ?

昭和ですね……。

▲「魅惑のニュータイプ」の印刷サンプルがずらり

▲上が「金閣寺」のテレホンカード。金箔加工が最も似合う建物かもしれない

▲奈良の大仏のテレホンカード。ご利益ありそう

▲この昭和感。今だからこそ、逆にほしいデザイン!

レトロだし、キラキラしてるし、純粋にカッコいいですね!

観光地のテレホンカードは、とにかく外国の観光客の方が喜んで買っていたそうです。テレホンカードは日本でしか使えないのですが……。

コレクションにもなるし、お土産としても薄くて小さくてかさばらないし、たしかにこれは外国人にウケそう!

だから昔は、観光スポットや建物ができたら、お土産ショップから「テレホンカードにしてくれ」と注文が入るケースが多かったらしいですよ。

たしかに僕が子どもの頃に持ってたテレホンカードにも、東京タワーがプリントされてましたね。「愛・地球博」の記念テレホンカードも持ってたなぁ。

さすがに今、テレホンカードを販売しているお土産ショップは、ほぼないですけどね。

画像

▲動かすとキラキラ光る。子どもの憧れ、キラカード

今までで、記憶に残っている珍しい注文ってありましたか?

当社は「金箔・銀箔加工」のカード印刷が得意なんですけど、そこに目をつけていただいた企業さんから、双子のご長寿タレント「きんさんぎんさん」のテレホンカードの注文をいただきました。お二人が出演するCMのキャンペーンのために作ってほしいというご依頼でしたね。

「きんさん」が金箔加工で、「ぎんさん」が銀箔加工ってことですよね。シャレてる注文だ!

その時代の人気タレントやグラビアアイドルの印刷の依頼は、よくありました。今でもQUOカードでは芸能人の写真を印刷することはあるんですが、テレホンカードではほぼなくなりましたね。

そうなんですね。

当社としては、お客さまから注文をいただければ、いつでもテレホンカードを印刷できるようにしていますけどね。世の中に公衆電話があり、ニーズがある限りはやめないと思います。

それを聞いてなんだか安心しました。これからもがんばってください!


テレホンカードは今後も生き続ける

テレホンカードって、もしかしてそろそろ作られなくなっちゃうんじゃないの?

取材前はそんなことを思っていましたが、心配は無用のようです。QUOカードや図書カードと同じ印刷機でプリントできるからという理由に加え、公衆電話は国から設置が義務付けられているので、減ることはあってもなくなることはなさそう(公衆電話についてNTTさんに取材した記事はこちら )。

これからも「懐かしのアイテム」として、そして「もしものときの頼れるアイテム」として活躍してくれるのではないでしょうか。

頼る状況にならないのが一番ですが、みなさんも財布に一枚、テレホンカードを忍ばせておくといいかもしれません!

実は今日、テレホンカードの「オリジナルデザイン」を考えてきたんですが、印刷していただくことは可能でしょうか? 読者にプレゼントしたいと思いまして。

もちろんです! どんなデザインですか?

こちらです!

「照れ本カード」です。

……。

本が女性に褒められて、照れてますよね。照れてる本、つまり「照れ本」です。「テレホン」とかけているんですよ!

……めっちゃすばらしいデザインです!

本当に思ってますか?


「照れ本カード」を5名さまにプレゼント!

たかやさんがフリー素材を駆使してデザインした「照れ本カード」を、5名さまに1枚ずつプレゼントいたします!!

●応募方法
マイネ王にメンバー登録のうえ、こちらの記事のコメント欄のアンケートフォームにて「応募する」にチェックを付け、「ほしい理由」をコメントしてください。

●応募期間
2019年9月9日(月)~2019年9月23日(月)23:59
※応募は終了しました。

●当選連絡について
当選者にはマイネ王にご登録いただいたメールアドレス宛にご連絡いたします。
※メールアドレスのご登録がまだの方はログイン後にサイト右上のボタンからマイページに入り、設定でメールアドレスのご登録をお願いします。

●免責事項
・eoID連携済みの方が当選された場合、eoID連携しているお名前、ご住所宛に賞品を送付させていただきます。
・ご応募は賞品発送時点で日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・当選に関するお問い合わせはお答えいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
・当選者の権利を他者へ譲渡、換金はできません。
・当選者の住所が不明確な場合、また転居による住所変更などの理由により、賞品をお届けできない場合は、当選資格を無効とさせていただく場合があります。
・賞品の発送は10月上旬 を予定しておりますが、諸事情により多少前後する場合があります。あらかじめご了承ください。


取材協力:株式会社アンリ

(編集:ノオト





254 件のコメント
アンケート

応募する場合は応募条件を確認した上、下記にチェックを入れてコメントを投稿してください。

このアンケートは終了しました。
1 - 4 / 254
テレホンカード、私はまだ集めていますよ。集めていました?かなー
確かに最近は記念クオカの方に移行しつつありますね。
でも、新たにテレカのプレゼントなんてなかなかやりますねー。
希望者少ないかな?
たかやさん
もしもの時の御守りに、「照れ本カード」欲しいです😊
公衆電話が減って、なかなか使う機会がない現在ですが、いつも免許証入れにテレカも入れてます。
非常時は携帯使えない時があるので、プチ御守りとして🙏
使わずにしまってあるカード、たくさん有ります。 お城シリーズや、小鳥シリーズなど。 これってNTT丸儲けかな?
レア感がぷんぷんなこで話のネタに持っておきたい58歳のオッさんです。
コメントするには、ログインまたはメンバー登録(無料)が必要です。