てじな〜にゃ! 山上兄弟に聞く、マジシャンと観客のコミュニケーション「お客さんとの信頼がマジックを左右する」
フリーランス編集者・ライター。興味のある分野はパートナーシップ、子育て、家族、ダイエットなど。タロット占いにハマり、絶賛勉強中。
皆さんはマジックが好きですか?
一口に「マジック」と言っても、カードや小物を使ったテーブルマジックから大掛かりな仕掛けを使ったイリュージョンまで種類はさまざま。しかし、どんなマジックにも「かならず種がある」という共通点があります。そして、どうにかして種を見破りたいと、常に目をギラギラさせる観客は少なくありません。
そんな状況でも観客を華麗に惑わせて、驚きのパフォーマンスを披露するのがマジシャンのすごいところ。
マジシャンから見て、観客の姿は一体どのように映っているのでしょうか。そして、マジックをより魅力的に見せるために、マジシャンはどのようなテクニックを駆使しているのでしょうか。
今回は「てじな〜にゃ!」の決め台詞で一世を風靡した山上兄弟に、マジシャンと観客の関係性やコミュニケーションをテーマに話を伺いました。
山上兄弟(やまがみきょうだい)
チビッ子マジシャンとして活躍していた山上兄弟。後に英国で行われた世界大会でグランドチャンピオンを獲得。2017年落語芸術協会に加入し、寄席にも積極的に出演。現在はMC・レポーター・俳優として、舞台や映画、声優等、活動の場を広げている。
大学で演劇と映画を学び、マジックの見せ方を研究
——お二人が子どもの頃「てじな〜にゃ!」と言っていたのが、ついこの間のように感じますが、現在はすっかり素敵な大人になられましたね。
落ち着きすぎちゃって、「フレッシュさが足りない」ってよく言われています(笑)。年齢だけ見れば、新人と変わらないんですけどね。「少しでも若々しさを取り戻そう」と、ステージの前にはスタッフ全員に「元気に、参りましょう!」って掛け声をかけてから舞台に出るルーティンをやっています。
僕は日大芸術学部の演劇学科に通っていたんですが、純粋に演技の勉強がしたかったのと、マジックをする上で、観客からどんな風に見られているかを研究したかったので。顔の角度とか表情をちょっと変えるだけで、受け取られ方が変わることを学びましたね。
マジックはちょっとしたはずみで失敗する
——お二人はご自身をどんなキャラクターだと思いますか?
兄弟でやってるマジシャンは僕らだけなので、そこが強みですよね。基本的に「阿吽の呼吸」でわかり合えちゃうんですよ。佳之介がずっと舞台に立っていて、僕が物を取ってきたり渡したりする役割なんですが、アイコンタクトだけで、何が欲しいのかわかるし……。
うん、やらかしすぎて思い出せないくらい(笑)。物をポロポロ落としちゃったり、戻したい物が元に戻らなくなっちゃったり。
——お二人でも失敗することがあるんですね! 佳之介さんはすごくクールで冷静な印象なので、失敗するイメージがあまりないですが……。
詳しくは説明できないんですけど、浮かない時は浮かないんです。マジックは、本当にちょっとしたはずみでできなくなってしまうもの。例えば、マジシャンがカードマジックをする時、新品を使うことが多いじゃないですか。それはなぜかというと、お客さんの手の脂がついただけで、もうできなくなってしまうマジックがあるからなんです。
だから、マジシャンの道具って絶対触られちゃいけないんですよね。すごく特殊な材料で作られているものもあって、ネジが1本外れただけで一生使えなくなってしまう。何十万円もする道具が、一瞬でパーになりますから。
マジシャンへの信頼度がマジックを左右する
——マジックって、非常に繊細な世界なんですね。お二人はマジックを披露している最中に、「種がバレているかも」と思うことはないんですか?
種って、実は最初から思いっきり見えている場合もあるんですよ。でも、お客さんには全然見えていない。なぜかというと、「ここに種があるはずがない」という錯覚があるからなんです。だから一度種を明かしてしまうと、マジックが実に単純にできていることがわかると思います。
——まるで詐欺のような……。
術中にはまるかどうかは、みなさんがそのマジシャンに「どれだけ信頼を置いているか」に左右されると思います。すごくくだらないマジックだとしても、有名なマジシャンがやれば期待して見られるし、新人のマジシャンだと、くだらないものとして見られてしまう。芸人と一緒ですよね。「この芸人のネタは絶対面白い」と思って見たらつい笑っちゃうけど、新人が出てきたら「笑わせてみろよ」って身構えるじゃないですか。
——確かにそうですね。「この人なら絶対に驚かせてくれるだろう」という期待値が高いから、観客側からその印象に引っ張られるみたいな……。逆に「絶対に種を明かしてやろう」みたいな観客はどうですか? やりにくくないですか?
こちらとしては、どう見られてもまったくなんとも思わないですね。楽しみ方は人それぞれなので……。純粋に「楽しみたい」と思っている方のためにマジックを披露するまでですし、意地になって「種を明かしてやろう」みたいな方って、「なんでそこまで?」って、逆に不思議です。マジックって不思議なもので、疑って見ている人のほうがだまされやすいんですよ。視野が狭くなっちゃうんですよね。だから、そういう方を「えっ?」って驚かせることができれば、してやったりです。
自分から手を挙げる観客はステージに上げない
——余裕を感じますね。ちなみに、お客さんをステージに上げるシーンってよくあると思うんですけど、どういうお客さんを選んでいるんですか?
——え、なぜですか? 意外です!
お願いしたことを素直にやってくれないんです。例えば、「ここに置いてください」と言ったのに、別の場所に置くとか。そういう方を舞台に上げてしまうと、空気がどんどんおかしな方向へ向かってしまうので、和やかな雰囲気にしつつ早々にお引き取りいただきます。
——わかる気がします。当てられたい時は、手を挙げないようにしますね(笑)。
カードマジックを披露! 肝はテクニックと○○?
——実は今日はお願いがありまして……。ぜひ目の前で、マジックを披露していただきたいんです。
手際よくカードを置いていく佳之介さん。素敵な笑顔とトークで場を盛り上げる。
ストップをかけたところでカードを4つに振り分けていく。
「おまじないをかけますね」と佳之介さん。
一番上のカードをめくると、なんとすべてエースに!!
——え〜!! 何が起こったのか、まったくわかりません。
——あっ……!
——エースだ……!
——すごい。種を明かしてもらっても、絶対に自分ではできる気がしないです。テクニックもさることながら、マジシャンと観客側とのコミュニケーションが肝だということがよくわかりました。笑顔とか軽妙なトークに、こちらがうまく乗せられちゃうんですよね。「種を明かしてやろう」と身構えていたはずなのに、知らないうちにみるみる警戒心を解かれてしまう……! ちょっぴり悔しいけれど、「気持ちよくだまされるなら、それも悪くないな〜」なんて思いました。今日はありがとうございました。
クールでポーカーフェイスの佳之介さんと、天然っぽさが憎めない暁之進さん。二人のお話から何より感じたのは、マジックは「マジシャンと観客の信頼関係で成り立っている」ということでした。
「手を変え品を変え、どこまでお客様と呼吸を合わせられるかを探っている」(暁之進さん)
「お客様がリアクションしてくれれば、うれしくなってその分、楽しませたくなる。そういう意味では“お互い様”の関係」(佳之介さん)
お二人が話すように、いくらマジシャンがプロ級の腕前でも、受け手が楽しむ準備ができていなければ舞台は成立しません。マジシャンと観客の、相互のコミュニケーションが円滑であればあるほど、マジックはより面白いものになっていくんですね。筆者ももう一度、マジックが見たくなりました。
(編集:ノオト)
勉強になりました。😊
顔色悪いので
太陽の光あびてきましょうよ。
「てじなーにゃ」のポーズも健在で。
久しぶりにマジック見たくなりました(^^♪
手品大好きです。
できるようになりたいけど不器用だし口も立たないし…
見るだけで楽しいからそれでも満足です。
私もマジックできるのですよ。
私の財布にお金を入れて置くといつの間にか・・・消えるの(^_^;)
皆さんにmineoをより楽しんでいただけるよう、我々運営事務局もこれからもコミュニケーションを大切にしていきたいと思います♪
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#マイネ王5周年おめでとう!
コミュニケーションが取れます。
てじなーにゃ♪
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#マイネ王7周年おめでとう!
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#マイネ王9周年おめでとう!
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. #mineo10周年おめでとう!