惜しかった「電源スイッチ内蔵指紋センサー」

Seifer
2026.08.09 15:55・IIJmio・ AQUOS sense9 6GB/128GBモデル

総合評価
それまで使っていた AQUOS sense6 SH-M19 の最大の特徴であったディスプレイ内蔵指紋センサーの問題とファームウェアのセキュリティアップデートサポートの期限が 2025 年と近づいていた(くしくもアップデートの提供が滞りがちだった)タイミングが重なり、IIJmio の MNP を条件とした割引の誘惑に負けて購入しました。
全体的には「ミドルレンジの優等生的なモデル」という評判で、確かに一部の問題点を除けば完成度は全体的に高く万人向けといった仕上がりでした。

スペックの面ですが、CPU がスナドラ 7s Gen 2 となりましたが、これはどうも先代の AQUOS sense8 SH-M26 に搭載されていたスナドラ 6 Gen 1 のリネーム品と言うか高クロック版らしく、GPU 性能を中心に実態が 6 番台相当なままの「なんちゃって 7 番台」な代物であり、実質的には sense8 から据え置きでした。この当時はスナドラ 6 Gen 1 用のチップの在庫が余程ダブついていたのか、同じ時期にはスナドラ 7s Gen 2 がミドルレンジ機のスタンダード CPU として半ば在庫処分目当てで多数の機種に採用されていたと記憶しています。
GPU の処理能力が(現代の)6 番台相応の水準に留まる為、「原神」の様なグラフィックの重いゲームを高設定でプレイする事は避けた方が良いでしょう。とはいえ、そこそこの重さ程度迄であれば十分こなせますし、重量級タイトルでも最終的には設定次第で意外とどうにかなる場合も多い(「意外とどうにかなる」と言うのがミソで、そこが 6 番台の GPU と AQUOS wish シリーズ等のエントリーモデルとの地味に大きな違いと言える点)のでそこはプレイする(予定が有る)タイトルと相談です。
むしろ 6 番台の真価はワットパフォーマンスで、同じ容量のバッテリーを搭載する AQUOS wish4 SH-M27 に対し電池持ちの面で上回っているのは意外でした。
一方、メモリやストレージはスタンダード版については AQUOS sense7 系から据え置きで RAM6GB/ROM128GB、sense6 系と異なり同時発売されたストレージ強化版では RAM8GB/ROM256GB となっており、(当時としては)今時のミドルレンジな構成ではありますが、一昔前・二昔前のミドルレンジ機から移ると少々面食らうかもしれません。(sense6 系の頃はスタンダードモデルだと RAM4GB/ROM64GB だった時代で、今となってはこれがエントリーモデルの標準スペックになっている)
「原神」等の今時の重いゲームをプレイする予定が有ったりする場合はストレージ強化版にした方が後々ストレージが容量不足に陥ったりする事も避けられますし(結構容量を喰う)、パフォーマンスも多少はマシになるでしょう。
ストレージは UFS 2.2 対応で、sense6 系から長らく据え置かれており、AQUOS R シリーズとの差別化ポイントとなっています。UFS が 4.x の時代に今更 2.2?と言う意見も有ると思いますが、3.x ではミドルレンジの用途としては十分なアドバンテージにならずむしろコスパの悪化が無視出来ないと判断されて据え置かれているとも言われています。
この他、sense8 には無かった仮想メモリ機能が有り、最大 6GB の空きストレージを仮想メモリとして使う事が出来る様になりましたが、一般的には使わない方が良い地雷機能と言われています。(ストレージの寿命を縮めるらしいし、本機だと UFS 2.2 が足を引っ張ってパフォーマンスも落ちるし)
外部ストレージとして microSD カードに対応し、公式には最大 1TB の microSDXC カードを搭載可能としています。海外製品では搭載出来ない場合も多いだけに使う予定が有る場合は確認しておきましょう。

また、伝統的に内蔵スピーカーがモノラルだった(AQUOS sense7 plus A208SH と言う例外は有ったが)AQUOS sense シリーズに有って本機ではついにステレオスピーカー搭載になりましたが、口元側だけが BOX スピーカーと中途半端な構成なのに加え、基本的に AQUOS 系スマホは内蔵スピーカーでバリバリに音楽を聴いたりゲームをしたりする事を想定した音作りはしていない印象が有る為、どうしても気になる場合は外付けのスピーカーやイヤホン、ヘッドセットを用意しましょう。(この辺りは多分に個人的な偏見が入っていると思うし個人差が大きいので参考程度に)
加えて、sense8 以前と違って本機ではイヤホンジャックが遂にオミットされ有線イヤホン・ヘッドセット等が USB Type-C への変換アダプタやヘッドホンアンプを介さないと使えなくなった為、有線イヤホン等を使っている人は Bluetooth イヤホン・ヘッドセットに乗り換える事も検討した方が良いでしょう。

ディスプレイですが、sense6 系以降の AQUOS sense シリーズは有機 EL ディスプレイの採用が標準となっており、日向でも AQUOS sense5G/sense4 系以前や AQUOS wish シリーズと比べて(特にダークテーマ時の)視認性が向上しています。また、sense8 迄は IGZO OLED と呼ばれていましたが、本機のものは AQUOS R6 SH-M22 から採用された Pro IGZO OLED に代替わりしており、ピーク輝度は sense8 の 1300nit から 2000nit に、リフレッシュレートも 90Hz から 120Hz(なめらかハイスピード表示中は疑似的に 240Hz の 4 倍速駆動に対応)になり、より表現力が上がっています。
ただ、有機 EL の宿命として焼き付きのリスクが有る為、スリープ迄の時間はあまり長くしない方が良いでしょう。

カメラ周りはハードスペック的には上位機種の AQUOS R9 SH-M28 とほぼ同等(Leica 監修の HEKTOR レンズや ProPix PRO エンジンは流石に使っていないが)で、ソフトウェア的な側面でも近年の AQUOS 系スマホの例に漏れず絵作りが良い傾向で、価格相応以上のクオリティが期待出来るので、カメラ目当てで選ぶのはアリかと思います。

5G については AQUOS sense/wish シリーズはミリ波非対応ですが、これに対する SHARP の姿勢は結構ブレッブレで、アッパーミドルを担っていた今は亡き AQUOS zero シリーズで対応していたと思ったら最上位の AQUOS R pro シリーズですら非対応の世代が有ったり、さらには同じ機種同士ですら取り扱いキャリアによって対応・非対応が分かれたりと言った時も有りました。価格とのバランスとは言いますが、同じシリーズでも後継機種で非対応、キャリアが変わると非対応と言うのはあまり良い顔をされませんし、百歩譲ってそれを肯定するとしてもせめて 10 万を超える機種では流石に対応していて欲しいと思います。
無線 LAN も AQUOS sense/wish シリーズは未だに Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)迄の対応で、本機の最大リンク速度は 433Mbps と一昔前・二昔前の水準に留まっており、この辺りもコスト削減ポイントになっています。

そして、こういう人は流石に少ないとは思いますが、かなりの旧型機から久々に買い替える場合には、充電環境に要注意です。
初代 AQUOS sense/sense lite/sense plus で対応していた急速充電規格の Quick Charge(QC)3.0 が AQUOS sense2 系以降では(AQUOS R3 SH-04L/SHV44 以降と zero シリーズも)非対応となっており、 本機で急速充電するには USB Power Delivery(PD)3.0 対応で 36W 以上の出力が可能な充電器が必要になった事で、USB PD の制約により充電器・ケーブル・スタンドを総入れ替えする必要が生じる可能性が有ります。
本機に限らず 4000mAh を超える大容量バッテリーを内蔵する機種になると、急速充電無しでは充電時間が 3 時間近く(もっと大容量の機種だとそれ以上)になる為、寝る前にきっちりバッテリーが切れる様な使い方でもしないととてもやっていられないだけに急速充電の有無は重要です。
以下は sense6 の時の物ですが、スタンドには USB PD への対応を公式に謳う汎用の製品は選択肢が殆ど無い為に試行錯誤していますので、テーブル直置きが嫌という人はここを参考にして見て下さい。

USB Power Delivery 対応の充電スタンド | 掲示板 | マイネ王
https://king.mineo.jp/reports/172648

USB PD がスマホでも急速充電規格の主流になって来ていた 2020 年以降に発売された機種から移る場合はこの様な事態に遭遇する事は少ないのでは無いかと思いますが(その場合、急速充電が必要なら PD 対応の充電環境を既に整えている筈で、追加投資は必要無い場合が殆どだと思われる)、それよりも前のモデルから機種変更する場合は注意が必要です。

ちなみに、純正の AC アダプタ(SH-AC05)は USB PD にも対応していますが、AQUOS sense5G/sense4 系以前と違って別売りになっている上に高く付く場合が多く、しかもケーブル一体型の為に融通が利かないので、家でしか充電しないとか他に充電する機器は無いとかどうしても純正品でとか言う方以外は汎用性の面でもコスパの面でも他社製品をあたった方が良いと思われます。(サードパーティー製の物は大抵複数の機器を同時充電出来る場合も多いし)
◆お勧め出来る人
・ローエンド・エントリーモデルからステップアップしたい人(ミドルレンジモデル入門用)
・2020 年より前のミドルレンジモデルから 5G 対応機に乗り換えたい人
・手ごろな価格の SIM フリースマホで eSIM によるデュアル SIM も高性能な有機 EL ディスプレイもおサイフケータイもある程度高性能なカメラ機能も複数の生体認証の選択肢も MIL-STD-810G/H 準拠の頑丈さもみんな欲しい欲張りな人
・軽量なスマホが欲しい人
・簡単操作で扱える SIM フリースマホが欲しい人(AQUOS かんたんホームで対応)
・あまりゲームをプレイしない、してもあまり重いゲームはプレイしたりする予定は無い人(ビジネスライクな利用がメイン)
・軽量な設定でも良いので重量級のゲームもプレイしたい人(その場合はストレージ強化版を推奨)
・microSD カードを使いたい人
・既に USB Type-C または Bluetooth 接続の外付けスピーカーやイヤホン、ヘッドセット等を利用している人
・手が大きい人
・指紋認証は使う予定が無い人(顔認証で十分、等)
・USB PD に対応した急速充電が可能な環境を既にお持ちの人
・周辺機器・アクセサリーの出費を痛くも痒くも感じない人
・Wi-Fi 環境にコストを掛けたくない人
◆あまりお勧めしない人
・ミドルハイクラス以上、或いは 2020 年以降に発売されたミドルレンジ以上の機種の操作感に慣れきっている人
・生活圏・商圏が 5G エリア外の人(特にドコモやその回線を使っている場合は今後の動向に注意)
・メモリの消費量やグラフィックの重いゲームを高設定でプレイする、若しくはする予定が有る人
・音楽や動画、ゲーム等のコンテンツを内蔵スピーカーで楽しむ予定である人(ニッチなニーズだし旧来の機種程気にしなくても良いと言う意見も有るが、内蔵スピーカーの音に余程拘りが有る場合は実機で確認してからの方が良いか?)
・有線接続(特にイヤホンジャックで接続するタイプ)の外付けスピーカーやイヤホン、ヘッドセット等を利用している人
・手が小さい人
・手汗が酷い人(暑い時期に指紋認証が機能不全に陥る可能性が有る為)
・QC に対応していたモデルから機種変更する人(その場合は相応の追加投資が必要となる場合が有る為)
・周辺機器・アクセサリーの出費を抑えたい人
価格
本機は IIJmio が行っていた MNP を条件とした割引を適用して購入しました。
定価で買うと 6~7 万程度しましたが、割引の適用その他諸々で、MNP の初期費用込みでも 4 万円強で購入出来ました。
最近ではミドルレンジも 10 万近くかかる物が珍しく無くなって来た事を考えれば当時はまだ平和な時代だったと思います。
デザイン・大きさ
本体のサイズは 149×73×8.9mm、重量は 166g です。
デザインについては当初欲しかったカラーのモデルが運悪く売り切れており、ブラックモデルになりましたが、デザイン的には落ち着いた感じで、派手なデザインが好きでは無い場合はこちらでしょう。逆に個性を出したい場合は他のカラーが良さそうです。
筐体はアルミ合金製のユニボディで、質感・強度の両面で個人的には好みです。
AQUOS 系スマホ恒例の MIL-STD-810G/H 準拠の防水・耐熱・耐衝撃・その他諸々も完備していますが、硬い地面に落とすと傷が付いたりするかもしれないので、ケースは付けた方が良いかもです。

6.1 型が AQUOS sense シリーズの標準になって久しいですが、AQUOS 系スマホの「片手モード」が画面垂直方向のスライドしか行えない(水平方向には縮小・スライドしない)事も有り、親指が反対側の端まで届くだけの長さが無い場合、余程器用で無いと片手では扱えないと思われます。
近年はコンテンツのリッチ化も有り、手が小さくても片手で扱い易いサイズ感の機種は絶滅危惧種となっているだけに、「片手モード」の機能については注意しましょう。

本機に於いても左側に有るのは nanoSIM と microSD カードのトレイだけで、ボタンは右側に集約されており、上から順に音量ボタン、指紋センサー内蔵の電源スイッチの順で、AQUOS sense6 系以前に有ったアシスタントボタンは無くなって電源スイッチに統合されました。
USB Type-C 端子は下部中央に有ります。
Android 12.x 以降をプリインストールする機種ではアシスタントボタンとの統合に伴い電源スイッチの挙動に改悪が入り、デフォルトでは電源スイッチ長押しに Google アシスタントが割り当てられていて、電源を切る為に音量+ボタンとの同時押しが必要になりましたので、AQUOS トリックから旧来の挙動に戻しました。

nanoSIM と microSD カードのトレイは構造上、端子に触れないで取り付ける事が困難なので、これについては AQUOS wish シリーズ方式の方が精神衛生上は宜しいのではと思います。
操作性・使いやすさ
AQUOS sense plus SH-M07 ではプレインストールが Android 8.x だった為旧来の 3 ボタンナビゲーションでしたが、プレインストールが 14.x になった本機ではデフォルトがジェスチャーナビゲーションになり、これが思いの外使い辛かった為、AQUOS トリックから速攻で 3 ボタンに戻しました。

また、AQUOS sense6 系の最大の特徴であったディスプレイ内蔵指紋センサーはやはり不評だったのか、AQUOS sense7 系では筐体側面に移設され、AQUOS sense8 SH-M26 からは近年のモデルでトレンドになった電源スイッチ一体型センサーになり、本機でもこの路線が引き継がれました。
ただ、これが実際に使ってみると感度が高過ぎるのが裏目に出て環境に左右され易い物になっており、思いの外汗や汚れに弱く、特に手汗が出ると認識率が sense6 系以上に低下し易い(普段は 8~9 割程度の認識率だったのが突然 2 割を切り、何回も失敗して生体認証でのロック解除が一定時間出来なくなる)のは誤算でした。
こうなると手を良く洗って乾かすなりセンサーをアルコールで拭いたりしないと認識率が戻りません。sense plus の指紋センサーではここ迄認識率が落ちる事は少なかっただけに残念です。
この様な場合が有るので、自分の様に手汗が酷い人は注意が必要かも知れません。その場合はプライマリ認証(PIN・パターン・パスワード等)へのフォールバック迄の時間が 24 時間(指紋認証だけだと 72 時間)に短くなる欠点は有りますが、顔認証の併用を考えた方が良さそうです。
また、電源スイッチを押さずに指紋認証を行うには慣れが必要で、どうしても電源スイッチを押下してしまう場合が有ります。長押しで Google アシスタントを呼び出すデフォルトの設定だと Pay トリガーを使おうとした場合等にアシスタント機能が暴発する可能性が有ります。

Android のメジャーバージョンアップは、プレインストールの 14.x から 16.x になっており、17.x 迄バージョンアップが提供される予定です。セキュリティアップデートは発売から 5 年間提供される予定となっており、sense6 系の時代から大分長期化して来ました。
バッテリー
バッテリーは AQUOS sense6 系の 4570mAh から AQUOS sense8 SH-M26 で遂に 5000mAh の大台に乗り、その割には軽量に出来ているのが特徴です。(流石に sense6 系よりは重くなりましたが)
このサイズから大きく逸脱しない範囲でこれを超えるバッテリーの搭載は難しいらしく、現状ではハイエンドでもこれを超える容量のバッテリーを搭載する機種は結構大きいサイズになる様です。
バッテリーに優しい「インテリジェントチャージ」機能も健在です。(AQUOS トリックで有効化出来ます)

バッテリー持ちについては CPU のワットパフォーマンスの分なのか同じ容量の AQUOS wish4 SH-M27 よりも良好ですが、積極的に使う場合とそうで無い時の差が大きくなり易い傾向が見られ、前者の使い方だと 60% 前後から 5 時間程度でバッテリーを使い切る事も有りました。

後、公式には USB Power Delivery(PD)3.0 対応で 36W 以上の出力が可能な充電器が必要と仕様には書かれていますが、実際には 27~30W 程度が上限らしいと言う話も有り、実際 18W 以上と言われている sense6 系と比べても 2 倍も充電速度は速く無いかな、という感じです。

それと、sense6 系以前で問題になった自動調整バッテリー機能の問題は改善された様です。
以前は有効にした状態ではスマートウォッチ等の Bluetooth 機器とのペアリング・再接続に支障が出たりしており、機能をオフにしたり Bluetooth 関連プロセスを電池の最適化から除外する等の対策が必要でしたが、本機では不要になっています。(というよりアプリ単位の「電池の最適化」の設定そのものが無くなっている)

価格.com - 『Bluetoothがオンにならない』 シャープ AQUOS sense4 SH-41A docomo のクチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/J0000034430/SortID=24059307/

1件のコメント
Seifer
Seifer投稿者
2026.08.15 19:14
文字数制限の関係でこちらに書きます。
Android 12.x での改悪による問題と思われていた、半日程度連続稼働させるだけで「追加の確認のため PIN が必要です」と表示されて生体認証が機能しなくなる問題ですが、別の問題である事が分かりました。
どうやらファームウェアの更新が配信されている事を検知するとプライマリ認証(PIN・パターン・パスワード等)へのフォールバックが常時発生する様になって生体認証自体が使えなくなる仕様の様です。何時から発生する様になったのかは不明ですが、Android 12.x では発生していた模様です。

詳しくはこちら↓
ロック解除で毎回「追加の確認のため PIN が必要です」・・・それ、ファームウェアの更新が原因かも? | 掲示板 | マイネ王
https://king.mineo.jp/reports/345284
コメントするには、ログインまたはメンバー登録(無料)が必要です。