コロナの感染力アップ

という報道がありまして。

「英 新型コロナの新たな変異種“感染力７割増” ロンドン事実上のロックダウンへ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0eecd0e57c9ef2b86dee1cb9ecbaf36a784def88
「イギリス政府は国内で確認された新型コロナウイルスの新たな変異種について、感染力が最大７０％ほど強い可能性があると明らかにしました。」
以上引用終わり。

これに対して、
「弱毒化していくのが普通」
みたいな反応が見られます。

ヤフコメについてここでうんぬんしてもしゃーないんですが、こういうことを言っている人は、世間に結構多い。
ここの掲示板のコメにも散見します。

これはものすごい誤解です。脚いっぱいありすぎ。それは沙蚕。

病原体が蔓延した「後に」、感染対象がいなくなって自滅しないように感染力が低減するということは理論的にも予測されており、それを支持する事例もあります。

しかしながら、それは上で強調したように、感染蔓延後の話であり、病原体の立場に立って考えると、感染が始まった段階は伝染りホーダイなので、さっさと宿主を痛めつけて、増殖して伝染るべきなのです。
例示しませんが、これに関する理論的な研究も多くあります。

都市部のような人口密集地では、短期的には病原体は強毒化する可能性が高い。

いわゆる「集団免疫」が確立した状態、多くの人が感染した後ならば、病原体に対して弱毒化の方向へと選択がかかります。

麻疹のような感染力の強い病気の場合、人口の9割程度のひとが予防接種を受けることによって集団免疫が確立できると予測されています。インフルエンザなどはそこまで感染力強くないので、7割ぐらい。おそらくコロナもこの辺でしょう。

で、現在の日本の累積コロナ感染者数。約20万人。約0.15％の人が免疫獲得したと考えられるわけです。7割なんて、遥か彼方。
感染がすごいことになっているアメリカですら、30人に1人。約3%でしかない。

ワクチンが普及するまでは、どんどん強毒化が進行すると思ってください。

そこで、ソーシャルディスタンスが意味を持ちます。
感染しやすい状況で、強毒化するのです。ソーシャルディスタンスを保ち、コロナ感染が起こりにくい状況を作れば、人為的に弱毒化が起こりやすい環境を作れるのです。

こういうことをマスコミはしっかり勉強して大々的に報道してほしいな。