「ひき逃げ」の代償

人気俳優が逮捕のニュースで話題になっていますが、他人事ではありません。

何年も前の話です。
ある雨の日、交差点の赤信号で先頭に止まっていた時、右手の交差する道路から少年の乗った自転車が横倒しの状態で滑走して来ました。
交差点の真ん中に一直線。
例えるなら、スピードスケートの選手が転倒して氷上を滑走するような状態です。

一瞬何が起こったか分かりませんでした。
続いて配達業者のトラックが止まったのを見て「あっ！　事故だ」と気付きました。

(う〜ん　できれば見たくなかった)

駆け付けた母親と話をすると
「この子、救急車呼ぶの３回目なんです」
「絶対、この子が悪いんだと思います」
ですって。

ケガは大したことなさそうだし、元気な子供さんだこと。
トラックの運転手の男性の話を聞いても、明らかに少年が飛び出して衝突したみたいです。
まあよくある交通事故なんですが、これで話は終わりません。

トラックの運転手をAさんとしましょう。
以下、事故直後の会話です。

A「自転車がいきなり車道に出てきて…」
私「そうですか、私の位置からは見えなかったので」
A「すいません、配達が…」
私「えっ！」
A「急ぎの配達があるので、行っちゃだめですかね？」
私「はぁ！」
私「配達が大事か知らないけど、立ち去ったらひき逃げになるよ！」

と諭しましたが、私の口から咄嗟に「ひき逃げ」の言葉が出てきたのには理由があるのです。

(なんだか　嫌な話の予感が…)

それは、私が大学生だったころの話。
当時ルームシェアしていたBさんが車で通学していた時、坂を下ってきた中学生の乗った自転車が止まり切れずにぶつかってきたそうです。
車は止まっていた状態で、どちらかというとBさんは被害者ですよね。
お互い大したこともなさそうなのでそのまま別れたそうです。

ところが、それからが大変。
中学生の親が事故の話を聞いて警察に通報したらしく、Bさんはひき逃げの疑いで事情を聴かれることに。

まあ暫く、本当に大変でしたよ。
当時付き合っていたBさんの彼女が地元のお嬢様（本物です）で、地元の名士が出てきて何とか丸く収めていただきましたが。

みなさんも事故を起したら、その時大したことないと思っても、絶対に警察に電話してくださいね。
そうしないと、とんでもない結末になるかも知れませんよ。

(逮捕されなくて良かったね、って話ですか？)

あぁ、そうだった。
トラックの運転手がその後どうなったか？

警察が到着して事情を聞かれ、すぐさまアルコールの検査を受けていました。
なんてこった。
そう、
彼は飲酒して運転してたんですよ。

そりゃ逃げたくもなりますわな。