【俳句紹介】くたびれて 宿かる頃や 藤の花(松尾芭蕉)
28日に悲しいニュースがスマホの通知欄に飛び込んできました。
福岡・八女の「黒木の大藤」満開の藤が全て刈り取り。
外出自粛要請が続いているにも関わらず見物客が後を絶たなかったそうで、市が感染拡大防止のために全て刈り取ってしまったとのこと。
まだまだ春が続く中、今が見頃の大藤。
感染の恐怖があっても見に行きたいと思えるほどの見事な藤の花が咲いていたのでしょう。
仕方がない事なのでしょうが、花の晴れ舞台が終わる前に刈り取られてしまうのは悲しい事です。
ですので、今回はせめてもの慰めとして「藤の花」を季語にした春の俳句を紹介したいと思います。
くたびれて宿かる頃や藤の花 松尾芭蕉
今回は有名な俳人である松尾芭蕉の俳句です。
松尾芭蕉は元禄二年から東北北陸への長い旅を初めており、山道を超えて一日中歩き詰めている事がよくありました。
朝からずっと山道を歩き、夕方頃になってようやく宿を借りて休むことを決めます。
その時、夕方の薄明かりの中に見事な花を咲かせる藤の花を一房見つけ、その美しさに感嘆してこの俳句を詠んだそうです。
長く歩き続けて疲れた身体を引きずる中、「お疲れ様でした」とねぎらうように藤の花が迎えてくれた。その安らいだ芭蕉の気持ちが伝わってくる気がします。
私は「黒木の大藤」を直接見たことはありませんが、きっと見事な藤の花が咲いていたのでしょう。来年はきっとこの騒ぎもおさまることでしょうから、いつか時間を見つけて見に行きたいところです。
7 件のコメント
コメントするには、ログインまたはメンバー登録(無料)が必要です。
満開の藤の花を刈ってしまったことを怒っている人がいましたが
藤の花は毎年散り始めで刈るので少し早いだけです
タネをつけないうちに来年の花のために刈り取られることに怒るのなら最もですが
それは毎年のことですので毎年怒れば良いと思いました
なるほど、元々毎年花の終わりには刈り取るのですね。
そういうところを言及せずをニュースの欲しいTV局が早とちりであると、
怒っているのかもしれませんし
わかっていて掲載しているのかもしれません
毎年花が刈り取られることは
藤の花を見に行ったことがある人なら知っている可能性の高い情報で
言わば常識のうちです
ではなぜこんな大きな記事になっているのでしょうか
そう考えるとやはりストレスが大きくなっているのではないでしょうか
結果としては人が集まってしまう状況を解消できたので、市の判断は正しかったと思います。
それにしても、この状況でも見に行きたいと思えるほどに今年は美しく咲いていたんだなと思います。
毎年見に行っている人にとっては
真冬に咲く山茶花あたりからはじまって次々に咲く花の一つで
桜の次
桜が散って寂しい気持ちを満たしてくれる花と考えると藤の花やハナミズキは欠かせないように思えます
この後も夏に向かって様々な花が咲きますが桜のようなはかない感じの花から徐々に長く咲く丈夫な花へ変わっていくので
百日紅やキョウチクトウが咲くころにはちょっと食傷気味になってセンチメンタルな気持ちもしなくなるような気がします
今頃からGWの1週間は藤の花の見ごろやのに残念です。
そうですね……この目で見てみたかったです……
けど、来年はきっと綺麗な花が見れるはずですから、それまで楽しみにしてます!