夢は叶うものなのか！

世の中には沢山の自己啓発本が売ってます。「〇〇する習慣で、必ず夢が叶う本」とか「自己実現させる〇〇の方法」などなど。。

私もこれ系の本は何十冊も読んだ。

概して言えることは、「成功した人が自然と実践した事」を単に羅列しているだけで、その著者が提唱する事を読者が実践するかと言うとまずしない。（むしろ出来ない）

人間それぞれ性格があって、やりたくない事は続かないからだろう。

だから、自己啓発本を何冊も読んだところで、夢は叶うはずもないのだと思う。

人間の本質やポテンシャルなんて、人それぞれで、持って生まれた「素質」は悲しいけれど、不平等だと思う。

誰もかれもが成功してしまうと、世の中の経済はおかしくなる。「日本人全員が事業に成功して所得が5000万円になる」こんな事になるはずもない。

だから成功者と言われる人はほんの一握りだけなんだと思う。

と、ここまで結構悲観的な事を書いたが、ここからは自分自身の話をする。

こんな私でも夢が実現する時が遂にきた。

世の中の「成功者と言われる人達」と、比べると取るに足らない「夢」なのだけど。

30歳の時。10年後の40歳までに、実現させようと考えていた「ドラムの講師業」

その夢が叶う時が突然やってきた。。。

前職を退職したのが今年の3月31日。

それから、精神病になり、一日中家で引きこもっていた。

ワイドショーや、ニュースを見ると現実の世界に引き戻されて、余計に悲しくなるので、いわゆるネットTVで、毎日、一作テレビドラマを見続けた。1日で１話から最終話までを観ては、翌日また違う作品を観る。

飽きもせずに朝から晩まで、ドラマを見続けていた。

おかげでこれまで全く興味がなかった俳優、女優にやけに詳しくなった。

菅田将暉が超演技派若手俳優だという事がよくわかった。

そんな、日々の最中に「ドラムレッスン教室」のホームページを作った。理由はとても暇だったから。これで生計を立てようとも思ってなかったし、そもそも客など来るはずもないと思っていた。

自宅スタジオでロック専門に教えると言うコンセプトで、業界用語で言うところの「ダブルストローク」や「ルーディメンツ」などは一切教えない。

「ただただロックドラムが叩けるようにする」という斬新かつ、大胆なホームページを作った。

それから、数ヶ月が経ち、体調も段々とよくなってきたので、知り合いが紹介してくれた会社に勤める事にした。

ホームページを作ったことなど、忘却の彼方に行ってしまっていた頃。なんと体験レッスンの申し込みがきた。

もはや、一般企業で働いている身の自分が教えてもいいのだろうか。。

「今の私は単なる港湾労働者。ドラム講師を名乗れる身分でもない。。。」

と数日間悩んだ末に、とりあえず体験レッスンに来てもらうことにした。自分が蒔いたタネなんで自分で摘み取らないと、相手さんにも失礼だと思い。

精神的に病んでからというもの、何もやる気が起きず。もちろんドラムすら数ヶ月も叩いていない状態だった。

体験レッスン当日に、自宅スタジオに来たのは、19歳の可愛らしい女の子だった。参考程度に両親の年齢を聞くと、「45歳です」と言われた。

「。。。父親と対して変わらない年齢になってしまったか。。」と、時の流れの残酷さを身に染みて感じた。

気を取り直して「どんな曲が好きですか？」と聞いてみると、 ワンオクロックとクリープハイプという。。二つとも知らない。。

ここでもジェネレーションのギャップを痛切に感じながら、ドラムを叩いた事がない人が簡単に出来そうな曲をYouTubeで探してみる。

何か叩けそうな曲はないものかと、探していると、病んでた時代に観ていた映画の主題歌をなんと偶然にもその「クリープハイプ」とやらが歌っているではないか。

菅田将暉主演の「帝一の國」という映画の主題歌をそのクリープハイプが歌っていたのだ。さすがは菅田将暉。。と菅田将暉に感謝しながら、

「とりあえず、この曲を私が叩いてみるので、それから実際に演奏してみましょう」

という事で、何回か視聴した後に、デモ演奏をして見せた。

私は知らない曲を1,2度ほど聴いただけで「何となく叩けてる感」を出せる能力をこれまでの血の出るような努力で習得しており、自分自身では全くもって納得のいかないドラミングだったにも関わらず、19歳の女の子はとても感激してくださった。

結果、「これからも受講させて下さい」という事になった。

こんな、おっさんのところに本当にこれからもこの子は通うんだろうか。。と疑心暗鬼になったが、本当にレッスンを受けるようだ。

という事は、私の夢は叶ったわけで。

生徒は1人だけだが。。。お金を貰うという事は、「プロドラマー」ということになる。

そんなわけで、今日から私の職業は「プロドラマー」という事にしようと思う。

それから1週間で、3人からレッスン希望の連絡を頂いている。あまりにも順調すぎて、近いうちにオヤジ狩りのような、悲惨な目に合うんじゃないかと心配なのだが。。。。

冒頭の自己啓発本の話に戻るが、私はどの啓発本のやり方も実践していない。けれど小さいながら夢は叶った。

ひとつだけ啓発本に載っていた言葉で共感出来た言葉。「過去の自分が未来の自分を作る」という言葉。

これは、本当にそうだと思う。

「今」を犠牲にして「未来」の自分に投資する。この投資は、お金や、時間や努力などだろう。

20代のグズグズな生活を取り戻すために、30代は自己投資を惜しまず行った。

仕事も、ドラムも、人間関係も全て努力したと思っている。「今を犠牲にして未来に託しながら」生きていた。

それが功を奏して、ささやかながら夢が叶ったんだろうと思う。

土日だけのレッスンですけど、まだ枠がありますので、お暇な方は是非どうぞ。