本日、キログラムの定義が新しくなりました![SI基本単位の新定義]
本日 2019年5月20日 月曜日
質量の単位 キログラム(kg)の定義が、一新されました。
1889年から実に130年間、人工物であった「国際キログラム原器」(以下、キログラム原器)がキログラムの基準として定められてきました。
今日からは、普遍的な自然現象(物理定数)で定められるようになります。
(ツイートは5月18日のもの)
キログラム原器は、直径 約39mm、高さ 約39mmの、プラチナ・イリジウムの合金からなる円柱形の人工物です。
キログラム原器は、人の手で作られたで物体である以上、経年劣化は避けられません。
実際、現在のキログラム原器には、「1億分の5」、つまり50マイクログラム(μg)のずれが生じてしまっています。
僕たちにとって、50μg程度どうでもいいかもしれません。しかし、科学技術が発展するにつれて、こんな微小な差さえ、無視できなくなってしまいました。
そこで、新しい定義が必要になりました。キログラム原器のように、経年劣化で変動してしまう定義を捨てることにしたのです。
キログラムの定義の改定で重要なのは、いかなる条件でも一切変化することのない物理定数の存在です。
要するに自然現象です。
その重要な物理定数というのが
「プランク定数」h = 6.62607015 × 10^−34 [J s](ジュール秒)
です。
プランク定数なんて、日常生活で使いませんよね?
厳密な定義はともかく、実はこの定数、かつて高い精度で測定することが非常に難しかったのです。
そんなプランク定数を、やっとのことでズレ(不確かさ)の無いものとして定義できるようになったことで、キログラムの新定義のベースとして使われるようになりました。
プランク定数の正確な値を決めるため、世界各国の研究機関が計測を行ったところ、その中の8つのデータが、「一定以上の精度が認められる」として、2018年11月16日に正式に採用されました。(8つのデータの平均値をプランク定数の定義値とする)
実は、そのうちの4つは、日本の研究機関である産業技術総合研究所が導き出したものです。
今まで、国際単位を決める場において、アジアの国々は参加できませんでしたが、今回初めて、国際単位の定義に日本がその名を刻みました。まさに歴史的快挙です。
参考リンク
https://nazology.net/archives/38758
重さの定義が今日から変わるよ! 日本が大きく貢献したキログラムの再定義 - Nazology
https://www.aist.go.jp/taisaku/ja/kg/index.html
産総研:キログラム定義改定特設サイト
このプランク定数による質量の定義よくわからんかったけど相対性理論でのエネルギーから質量を定義してるの?
プラチナもイリジウムも高級品ですなあ
何か難しいんですけど基準変更されたのですね
ところで、「イリジウム」と聞くと、脳内で「ヂヂリウム」に変換されませんか。
すみません。そっとしておいてくれ…
新キログラム原器…
130年前にそんな高精度で製造した方法も気になります(^_^;)
gは水の重さですから水分子の原子量と合金の原子量の体積を決めてサイズで作ったのでしょう
作る時の温度管理とかどうしてるのかとは思いますが削ったのかな
ニュースではキログラムのことしか取り上げていないので知りませんでしたが、mol、A、K も変わるんですね。
アナログ臭が漂う旧定義に親みを感じる昭和世代。
父さんしょんぼり(10^-34)😓
アップデートしとこう(^^)
おっと、他の単位も忘れていました。一緒に掲載するつもりだったのですが…
モル、ケルビンについては日常生活でまず使いませんが、アンペアはスマホの充電器で見かけます。
アンペアについては、従来の定義だと、実験で示すのが困難でした。
この改定からは、より実験の容易な、電気素量を基準とした定義へ変わります。