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ラバーソウル

私の趣味は読書です。
1人で静かに黙々と。ひたすらに自分の時間を本の中の世界に没頭するのが性に合っているようで、小さい頃は絵本からはじまって唯一『好きな事、趣味』と言えるものです。
数は全然読めなくて、内容も自分の気にいるものしか読み続けられなくて、読む速度もとても遅くて『どうだった?』と聞かれても気の利いた感想も言えず、本当に好きなだけなのですが。
27年間好きでいて続けてきた結果がコレで自分でも残念だなあと凹んでしまいます。そんな中、3年前に出会って読んで『こんな私』を少し肯定できるようにしてくれた作品を。少しでも興味を持ってくれる人ができたらなと。あくまでも『こんな私』の3年前に書いた感想なのですが。

井上夢人『ラバーソウル』読了。
近頃の私の一目惚れ眼により、衝動買いされた作品である。
ページ数が678ページととても厚いミステリー。読む前に少し大物に挑む覚悟のような、そんなものを持って読み始めた。
1ページ目は洋楽の話が並んでいて、音楽全般にとんと疎くカタカナばかりで頭が痛くなったのですが、そこで諦めなくて良かった。主人公の純朴さに惹かれ、恋に似たような気持ちで読み進め、彼の一喜一憂に心動いて彼が傷つけば私はその何倍も痛くて、読み終えた頃には彼の好きな洋楽にも興味を持ち出し、結末に涙が出る程この作品は強く残る一冊でした。
私はこの作品の主人公がすき。
きっとこの作品を読んだ誰もが主人公を好きになって、主人公のとても綺麗な心に触れて結末の切なさに苦しくなる。最後の一文に泣きそうになる。
誰もにひとつ、欠けた部分がある。
知能だったり、感受性のなにかだったり、そもそものスタートラインに恵まれていなかったり。それに対して「どうして私が?」と悲観的になるのは当然、時には誰かのせいにしてしまったり、欠けていることに対して貶されたら相手に怒りをもって大なり小なり制裁を与えてしまうことだってある。
ラバーソウルの主人公は、とことん自分の事を卑下し続けていたけれど、特異な自分の容姿をどこか受け入れ、それに対する周囲の人間の仕打ちを赦し生きてきた、彼等を恨みもせず罵倒する事なく。そんな彼に愛されたヒロインが羨ましく、また恨めしい。
全ての登場人物に妙な愛着ももて、読み心地もとても良く読み進めることに苦痛を感じない。けれど内容の重量は凄まじく読み応えもあります。更に、最後の最後、私の想像とはかけ離れた(主人公を溺愛していたので見当違いなラストに期待していましたのもあります)結末もつい「ううむ…」と感嘆の呻きのようなものがでてくるでしょう。作者のこだわりがとことん詰め込まれていて、きっと洋楽好きな人が読むともっともっと深く楽しめる作品なのかもしれない、そして何度も何度も読みたいそんな一冊。


20 件のコメント
1 - 20 / 20
私も読書好きで
図書館で借りては
読んでます。
没頭してしまう時間が
私は好きです。
おかげでテレビは
見てないですが。
キタン007さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
いいですよね、読書。本を読む時間は一つのことだけに集中できて好きです。
なんでも有りの掲示板で
たとえば・・

2019年本屋大賞が決定!〜あなたの1冊を教えてください
〜マイネオ読書サークル
2019-04-10
https://king.mineo.jp/my/1700f66bad2bc423/reports/50106


平成の30冊〜あなたの1冊を教えてください〜マイネオ読書サークル
2019-03-23
https://king.mineo.jp/my/1700f66bad2bc423/reports/48874


下記は私のおすすめ本
(自分が過去に読んだ本です。)
↓↓
NHKの大河ファンタジー・ドラマになり、放送されました。
(原作とは 構成違い)
NHKのアニメシリーズも有りましたが・・

上橋菜穂子

・守り人シリーズ・旅人シリーズ
(文庫本になっているのを、読みました)

・獣の奏者
(自分は図書館にて)
n98san-asさん

おお!ありがとうございます!
守り人シリーズ面白そうだなあと思っていたところでした、機会があれば読んでみたいと思います!

アホな私はこっちかと思ってしまいました。m(_ _)m

ちなみに、村上春樹が引用した「ノルウェーの森」の入っているアルバムです。
>『どうだった?』と聞かれても気の利いた感想も言えず、本当に好きなだけなのですが。

そんな事ないですよ(o^^o)ラバーソールの感想を読ませて頂きましたが、すごく素敵な作品なのが伝わってきました!そして、手に取ってみたいと思ってしまいましたし。

図書館にもありますよね。探してみます♪
ラバーソウル!挑戦してみたくなりました。感想文をありがとうございました。
楽しい掲示板をありがとう。
コメントされた皆様ありがとうございます。
多読の方は自ずから教養がにじみ出ます。
素晴らしいですが、こわくもあります。
私は多読ではなく、傾向が偏っていて、恥ずかしい限りです。
私はどちらかというと活字が苦手
自分から読書はあまりしません
読書好きな方が羨ましいです(笑)

でも大人になってからやっと興味
を持った作品をたまに読むように
なりました

気の利いた感想よりも
感じたままに書かれた感想は
伝わるし、わかりやすいです

「本当に好きなだけ」
これ、大切だし素敵なことだと
思いますよ

3年経った今、
もう一度読み直すとまた新しい
見方や感想があったりするかも
しれませんね
Dark Side of the Moonさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
アホじゃないです!まさにThe Beatlesのラバーソウルなのです。主人公がThe Beatlesのファンで小説の軸になっているのです、大正解です。
初めまして😊
感想がわかりやすかったです!
読みたいと思いました!
ちょっと本屋さん行ってみます🏃♂️
真子☆ミさん
好きな作品に興味をもっていただけてとても嬉しいです!
気持ちを文章にするのは難しくてとても長くなってしまいましたが、投稿して良かったです。
hisaさん
こちらこそ、コメントありがとうございます!
私も自分に近い作品でないと手に取らないので凄く偏っています。いろんなジャンルの作品を沢山読まれている方は凄いなと思うけれど真似はできないなあと尊敬します。
ねぼまぼさん
褒めていただけて嬉しいです!苦手なことに興味を持って挑めるなんて凄いです!私は運動が苦手で急がないといけない時でもつい自分を甘やかして歩いてしまいます。
時を経て読み返せるのは本のいいところですよね、久しぶりに読んでみようかな。
ミスターmacさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
是非是非!
しらたまたまさん

>まさにThe Beatlesのラバーソウルなのです

へえ〜、と思ってググったら、ラバーソウル収録曲の曲名がそのまま小説の小見出しになってるんですね〜、面白い。

SIDE A
Track.1 Drive My Car (9)
Track.2 Norwegian Wood (51)
Track.3 You Won't See Me (93)
Track.4 Nowhere Man (133)
Track.5 Think For Yourself (173)
Track.6 The Word (213)
Track.7 Michelle (253)
Bonus Track Day Tripper (293)

SIDE B
Track.1 What Goes On (333)
Track.2 Girl (373)
Track.3 I'm Looking Through You (413)
Track.4 In My Life (453)
Track.5 Wait (493)
Track.6 If I Needed Someone (533)
Track.7 Run For Your Life (573)
Bonus Track We Can Work In Out (613)

確か、乾くるみの「イニシエーション・ラブ」も80年代ヒット曲を小見出しに使ってましたね。

【Side-A】
・揺れるまなざし
・君は1000%
・Yes-No
・Lucky Chanceをもう一度
・愛のメモリー
・君だけに

【Side-B】
・木綿のハンカチーフ
・DANCE
・夏をあきらめて
・心の色
・ルビーの指輪
・SHOW ME

「イニシエーション・ラブ」は【Side-A】と【Side-B】で話がガラッと変わって効果的でしたが、「ラバーソウル」もそんな感じでどんでん返しミステリーなんでしょうか?

面白そうなので、一度読んでみようと思います。
ご紹介頂き有難うございました。
今、楽天ブック📚でポチしました!
届くのが楽しみです!
もちろん、曲を流しながら読むべき本でしょうかね。

私も読んでみたくなりました!

作家さんあまり詳しくないのでWikipediaしてみたところ、作家名の夢人もビートルズの曲「夢の人」からとったとのこと。年代的にはビートルズ世代ど真ん中なようなので伊坂幸太郎さんよりは上の世代でしょうか。

頭の中で曲がかかりっぱなしになったので本屋寄ってきます…
Dark Side of the Moonさん
きっと曲がわかれば歌詞や背景と重なって物語を深く楽しめるのだろうなあと思うので是非是非!
イニエーションラブと同じく結末はどんでん返しの連続です!後半は一息もつかずに読み終えてしまいますよ!
ミスターmacさん
早速!!嬉しいです!!良ければ読み終わった後、手間でなければ感想聞いてみたいです。
らいぷうさん
主人公のように好きな方は曲とともにページをめくっていくと思い入れも強くなりそうです。
小説のなかはThe Beatlesが主なので、作者も好きなのだろうと思っていましたが、名前にしてしまうほどだったなんて知りませんでした!The Beatles好きなら是非是非!きっと最初から最後まで楽しめます!
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