真夜中の料理

「おまんに喰わしちゃろうと思うて、捌いて来た！」

渡されたのはやけに重いビニール袋
まだ、生温かい。

「料ったばっかりの猪よ！！わしのはこじゃんとうまいき、まあ、喰うてみや！」

渡されたのは夜の９時。
猪は大好き。
でも、7kgは絶対ある。
冷凍庫はいっぱい。
全部は入らない。

よし！！
猪のチャーシューだ。

筋やわずかに残った毛を丁寧に掃除して、適度な大きさに切り分ける。

ニンニク、ショウガ、香辛料、丁寧に塗りつけて、少し休ませる。

フライパンで焦がさないように、弱火でじっくり焼き上げ、肉汁が出ないように壁を作る。

タレは、醤油、酒、砂糖、黒酢、ハチミツ、リンゴ、玉ネギ、ネギ、セロリ、ニンニク、ショウガ、冷蔵庫の野菜室でしなびたものもこの際投入！

ここからは早い。
心持ち中火に近い弱火で、錘が回り出したら、５分、蒸らして１０分。
圧力鍋というスグレモノが超時短で、チャーシューを仕上げてくれる。

明日は精出しておすそ分け！！
もちろん、猟師のおんちゃんにも。

夜中に人を想うのも楽しい。
明日がいい日でありますように。