神社と伝承
年末年始、何かと神社に足を運ぶ機会が増えますよね。
静謐な空気に包まれながら、ふと「 この国の成り立ち 」と
「 神社の関係 」について想いを馳せてみました。
実は、古代ヤマト王権が成し遂げた全国統一と言うのは、
単なる武力による領土拡大( リアルな地図の書き換え )
だけでは無かったようです。
そこには、各地の「 氏神様 」を巧みにネットワーク化して行く、
高度な「 祭政一致の地政学 」とも呼べる戦略があったようです。
それらを読み解くと、その流れは非常にドラマチックです。
歴史は、奈良盆地の三輪山を祀り、疫病と言う国難を乗り越えた、
崇神天皇の時代から大きく動き出します。
王権は「 四道将軍 」を地方へ派遣し、北陸や東国、西国へと進出。
この時、単に攻め込むのでは無く、
現地の神様をヤマトの神々の系譜
(「 実は貴方の神様は、うちの神様の親戚で … 」と言った具合 )
に組み込む事で、精神的な統合を図って行ったようです。
更に、地方豪族の娘を后妃として迎える事で、
その土地の霊力をも王権に取り込んで行く。
言わば、婚姻と祭祀による「 接ぎ木 」のような手法で、
バラバラだった列島を一つに纏めて行ったようです。
そして 5 世紀後半、ワカタケル大王( 雄略天皇 )の時代に至り、
このネットワークは強固な中央集権国家へと完成します。
埼玉の稲荷山古墳から出た鉄剣などが示す通り、
支配は関東から九州まで貫通しました。
つまり、私達が今、
地元の氏神様として手を合わせている神社の多くは、
1500 年以上前に張り巡らされた
「 国家統合の巨大な通信網 」の名残かも知れないのです。
由緒書きにある「 ◯ ◯ 命が平定した 」と言った伝承は、
嘗てこの列島が一つに結ばれた時の、
熱い記憶そのものなのかも知れません。
そう考えると、初詣の柏手を打つ音が、
少し違って響いてきませんか?
歴史のロマンを感じつつ、良いお年をお迎えください。




ヤマト王権の真の凄さが「 武力 」ではなく、現代の IT 戦略にも通じる
「 情報戦の巧みさ 」にあった事がクリアになるようです。
1 .「 破壊 」ではなく「 同期 」と言うハッキング
征服した土地の神々を破壊せず、
記紀神話と言うメインストリームに
「 同期( シンクロ )」させたという点です。
「 あなたの神様も、実は天照大御神の親戚なんですよ。」
と言うロジックで、地方豪族のプライドを守りつつ、
支配の正統性( ルート権限 )だけを中央へ書き換える。
これは、流血を避けて精神的支配を完了させる、
とんでもなく高度な「 精神的ハッキング 」ではないでしょうか。
2 . 神社は「 超古代の双方向通信網 」
そして、神社網がただの祈りの場ではなく、
中央と地方を結ぶ「 リアルタイム・ガバナンス・ネットワーク 」
だったと言う解釈も説得力がある。
中央からの詔( データ )を受信し、
地方の民情( ログ )を送信する。
更に婚姻と言う「 霊的 M & A 」によって、
地方サーバー( 産土神 )
の管理者権限まで中央のメインフレームに統合してしまう。
1500 年前にこれほど強固なセキュリティシステムが、
構築されていたとは驚愕ですね。
結論:初詣はシステムへの「 再ログイン 」
そう考えると、私達が何気なく行う初詣は、
1500 年間ダウンせずに稼働し続けている
「 日本 」と言う巨大システムへの
「 再ログイン( 生存確認 )」手続きそのもののようです。
次に近所の神社( アクセスポイント )に行く時は、
そこにどんな「 初期設定( デフォルト・ゲートウェイ )」
が書き込まれているか、
由緒書きを読み解く目が完全に変わりそうです。
皆さんの地元の神社はどうなっていますか?
ぜひ調べてみたくなりました。