膨らんだリチウム電池の廃棄·回収はどうしてる

1. どんなものに使われてるの？

スマホのモバイルバッテリー、ハンディーファン、LED懐中電灯など、充電してくり返し使える家電の多くに リチウムイオン電池 が入っています。

これらの電池は、自治体のルールにしたがって

公共施設や協力店の回収ボックス

宅配での回収サービス
などを使ってリサイクルされます。

2. ここが一番大事！絶対に普通のゴミに出さないこと

リチウムイオン電池は、燃えやすい電池 です。
ショートしたり、押しつぶされたりすると発火することがあります。

だから、

🚫 ゴミ集積所に出してはいけません

収集車の中で火事になる危険があります。

✔ 回収するときは「絶縁（ぜつえん）」する

電池の金属部分（端子）をビニールテープでおおって、
「ショートして火花が出る」のをふせぎます。

✔ 機器から無理に取り外さない

取り外せない電池は、そのままの状態で回収場所へ持ち込みます。


3. 膨らんだ（ふくらんだ）電池はもっと危険！

電池がパンパンにふくらんでいる場合、
発火や破裂の危険がとても高い ので、普通の回収ボックスに入れてはいけません。

安全な出し方は次の3つです。

① 自治体窓口・ごみ処理施設へ持ち込む

電池が熱くないか確認する

端子をテープでおおって絶縁する

自治体ごとのルールをHPで確認する


② メーカー・家電量販店に相談する

回収プログラムがある場合があります。

③ 不用品回収業者に依頼する

ただし、電池の処分ができる業者かどうか必ず確認する。

4. 回収制度はまだ十分じゃない

リチウムイオン電池はたくさん使われているのに、
回収する仕組みはまだ十分ではありません。

そのため、環境省や消防庁などが協力して

火事を防ぐための対策

リサイクルの仕組み
を話し合っている最中です。

5. 膨らんだ電池を出せる場所

JBRC（電池のリサイクル団体）のサイトで、回収協力店を検索できます。

ただし、協力店でもふくらんだ電池を受け付けていない場合があるので、
事前に電話で確認した方が安全です。

6. なぜ電池はふくらむの？

リチウムイオン電池の中では、充電と放電のときに
リチウムイオン（Li⁺）という粒子が、正極と負極の間を行ったり来たり しています。

電池の中には

エチレンカーボネート（EC）

ジメチルカーボネート（DMC）

ジエチルカーボネート（DEC）
などの 燃えやすい液体（電解液） が入っています。

過充電（充電しすぎ） や 過放電（使いすぎ） をすると、
電極が傷んで電解液と反応し、
水素やエタンなどの 燃えるガス が発生します。

これが電池がふくらむ理由です。

７.リチウムイオン電池の新しい発見！

スマホやパソコン、電気自動車などに使われている リチウムイオン電池。
この電池をもっと 安全に・長持ち・パワーアップ させるための大きな発見が、大阪大学とダイキン工業の研究チームによって見つかりました！

🔍 何を発見したの？

電池の中では、リチウムイオンが「電解液」という液体の中を動いています。

研究チームは
電解液の中でリチウムイオンがどれくらい安定しているか（＝化学ポテンシャル）
が、電池の性能を決める大事なポイントだということを世界で初めて突き止めました。

これが分かると

➡ 今まで勘（かん）や経験に頼っていた電解液の設計が
数字（データ）を使って科学的にできる ようになります！

🧪 発見のすごいところ

リチウムイオン電池は、リチウムイオンが正極から負極へ行ったり来たりして動くことで働きます。

でも、新しい電解液を作ると…

リチウムイオンがなかなか負極に入りたがらない

溶媒（電解液の液体）が一緒に入ってしまって電池がうまく動かない

という問題が起きていました。

研究チームは、

電解液の中の「リチウムイオン化学ポテンシャル」がある値より高いと、
リチウムイオンがうまく負極に入ってくれる！

という関係をはっきり示しました。

８さらにすごい成果

.🧬 この原理を使って、新しい フッ素化エーテル という溶媒が
電池にとても相性が良いことも実験で確かめられました。

つまり、

📌 次世代の電池に使う有力な新しい電解液の候補を発見した！

ということです。

🚀 この発見が社会にどう役立つの？

この研究によって、

電池を作るときに「どの電解液が良いか」予測できる

開発のスピードが大幅アップ

電気自動車の航続距離アップ

安全性が高まり、発火などの事故が減る

家庭やデータセンターの大きな蓄電池も高性能になって来る

など、私たちの生活がもっと便利で安全になります。もう少し待ってみましょう。