バナナのたたき売り口上 備忘録として
先日ふとしたことでバナナのたたき売りの口上が頭を過ぎった。
50年以上前の学生の頃コンパで詠っていたものである。
最近頓に古い記憶が消えていくようであるので今の内に記録して残そうと思った次第である。
〽奥州仙台伊達様は
なんでお城に惚れなんだ
城の廻りにゃ堀がある
堀の中には蓮がある
蓮の中には穴がある
皆さん穴入れ苦労する
わたしゃバナナで苦労する
さぁ買うたさぁ買うた(※)
バナナの因縁聞かそうか
生まれは台湾台北で
ポッと色気のついたころ
士人の娘にもぎ取られ
国定忠治じゃないけれど
がんじがらめに縛られて
唐丸籠に詰められて
金波銀波の波乗り超えて(※)
着いたがところが門司港
門司でもじもじしていると
一番電車に乗り遅れ
二番電車は満員で
三番電車に乗せられて
着いた所が折尾駅
おりおおりおで降ろされて
わたしのバナチャン検査され
数あるバナナのその中で
私のバナちゃん一等賞
さぁ買うたさぁ買うた(※)〽
歌詞の1行が上の楽譜の2小節の旋律で歌われる。
文字数の関係で後半の2小節のように弱起になることもある。
但し(※)の行は台詞調になる。
前口上が終わったらバナナの販売に移る。
切りの良い値段から始めて売れなければ値段を下げていく。
そしてその数字に纏わる事柄を述べていく。
さぁないかさぁ買うた
とことんで58(ゴンパチ)じゃ
(白井)権八昔の色男
さぁないかさぁ買うた
とことんで56(ゴンロク)じゃ
56久留米の連隊旗
さぁないかさぁ買うた
とことんで55(ゴンゴン)じゃ
ゴンゴン鳴るのは寺の鐘
さぁないかさぁ買うた
とことんで51(ゴンイチ)じゃ
吾一(人名か?)馬関で腹をきる
さぁないかさぁ買うた
といった具合である。
今となってはこの4節だけ覚えているが当時から既に忘れられかけていたと思われる。
コンパで歌われるのは所謂春歌の類もあった。
というより寧ろこちらがメインであったと言うべきか。
春歌など(検閲の厳しいマイネ王の掲示板で)大っぴらに紹介する訳にもいかないが中には格調高いものもあったので一つだけ紹介する。
最初に万葉集の額田王の歌を歌会始のように節を付けて吟誦してから合唱が始まる。
(solo)〽熟田津に~船乗りせむと月待てば~潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな~〽
(tutti)〽 えんやらやぁのえんやらやぁの
えんやらやぁのえんやらやぁの
えんやらやぁの声聞きゃ👍🤣が立つ
娘17,8👍🤣でござる
奥へ奥へと👍🤣させる 〽
以下略
何故額田王の歌であったかは不明である。



今見ると、佐賀のものが秀逸に思います。歌に交えて売るのが とてもいい。
>> nak-tek さん
Youtubeに数多くの動画がありますね。佐賀の物は淀みなく流れるようで先ず声が良い。
聞き惚れます。
今回は学生寮というガラパゴス的な環境の中で歌の内容がどう変わったかを残すため投稿したものです。
コメントありがとうございました。
「門司港バナナの叩き売り連合会」の地道な継承啓蒙活動が評価されたものだと思います。
コメントありがとうございました。