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先行指標と株価指数の相関係数の計算

https://king.mineo.jp/reports/314452

承前

株価指数と先行指標の相関を計算し相場のトレンドを把握したいので、
先行指標のデータ: 各先行指標の時系列データ (例: 月次、四半期、年次など)と、
株価指数のデータ: 分析期間に対応する株価指数 (例: 日経平均株価、S&P 500など) の時系列データ
をもとに相関係数を計算します。

相関係数の計算方法
相関係数は、r で表され、以下の式で計算されます。

r = \frac{Cov(X, Y)}{s_X \cdot s_Y}
ここで、

* Cov(X, Y) は X と Y の共分散
* s\_X は X の標準偏差
* s\_Y は Y の標準偏差

共分散、標準偏差はそれぞれ以下の式で計算されます。
共分散 Cov(X, Y):

Cov(X, Y) = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})(y_i - \bar{y})
* x\_i: 変数 X の i 番目のデータ
* y\_i: 変数 Y の i 番目のデータ
* \\bar{x}: 変数 X の平均値
* \\bar{y}: 変数 Y の平均値
* n: データ数

標準偏差 s\_X:
s_X = \sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2}
標準偏差 s\_Y:
s_Y = \sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i - \bar{y})^2}

実際の計算手順

各先行指標について、過去の複数時点のデータを用意します。
対応する期間の株価指数のデータを用意します。

重要: 先行指標と株価指数のデータ期間を一致させる必要があります。また、先行指標が「先行」して株価に影響を与えるという性質上、株価指数は先行指標よりも数ヶ月後のデータを用いるなど、時間差(ラグ)を考慮することも重要です。例えば、先行指標が3ヶ月後の株価に相関がある、といった仮説を立てる場合は、株価指数を3ヶ月後のものにずらして計算します。

平均値の計算:
各先行指標と株価指数のそれぞれの平均値を計算します。

偏差の計算:
各データポイントからそれぞれの平均値を引いた「偏差」を計算します。

共分散の計算:
各先行指標の偏差と株価指数の偏差を掛け合わせ、その合計をデータ数で割ります。

標準偏差の計算:
各先行指標の偏差を二乗し、合計してデータ数で割った値の平方根を計算します。株価指数についても同様に計算します。

相関係数の計算:
共分散を各標準偏差の積で割ります。

計算ツール

Excel: CORREL 関数を使用すると、簡単に相関係数を計算できます。
=CORREL(先行指標のデータ範囲, 株価指数のデータ範囲)

Python (NumPy, Pandas): 大量のデータを効率的に処理し、相関係数を計算できるはずです。

R: 統計解析ソフトRでも同様に相関係数を計算できるかと。

注意点
因果関係ではない: 相関係数は2つの変数の関係の強さを示しますが、因果関係を示すものではありません。先行指標が株価を動かしているとは断定できません。

非線形性: 相関係数は線形な関係の強さを示します。もし先行指標と株価指数の関係が非線形(曲線的)な場合、相関係数が低くても強い関係がある可能性があります。
その場合は散布図などで視覚的に確認できます。

なお、先行指標が複数ある場合、先行指標同士にも相関がある可能性があります(多重共線性)。これにより、個々の先行指標の株価への影響を正確に判断するのが難しくなる場合もあるでしょう。


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