浅草の夏を告げる朱色 伝統とインフレが交錯
夏の訪れを告げる、鮮やかな朱色。浅草寺の境内を埋め尽くすほおずきの鉢植えと、涼やかな風鈴の音は、250年以上続くほおずき市の風情です。
7月9日と、10日の二日間に観音様にお参りすると、46,000日分の参拝と同じ功徳(ご利益)があると言い伝えられています。たった一日でこれほどの功徳が得られるとは、ご利益ハイパーインフレーションとでも形容すべきでしょうか。
しかし、今年のほおずき市は、その伝統の陰で現代の経済状況が顔をのぞかせているようにも見えます。
例年500円ほどだった雷除けのお守りが1,000円に値上がりし、こちらもインフレ気味です。
物価上昇の波は、古くからの日本の風物詩にも及んでいるようです。それでも、多くの参拝客が炎天下の中、鉢植えや籠入りのホオズキを買い求め風鈴の音に耳を傾ける姿に、変わらぬ夏の営みを感じます。
人々がほおずきを求めるのは、その鮮やかな色彩が持つ生命力と風鈴の音がもたらす清涼感に、都会の喧騒と夏の厳しい暑さからの一時の安らぎを求めているからと思えます。
46,000日という途方もない功徳と、現代のインフレという現実が交錯する今年のほおずき市。
変わらぬ伝統の美しさと、時代と共に変化する経済の波が、私たちの暮らしの中で同時に存在していることを静かに教えてくれているかのようです。
2 件のコメント
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そうなんすか。
初耳学です、勉強になります。
250年以上前からあるんですね。
「プレミアムフライデー 46,000ポイント大還元セール」みたいな。
46,000日…約126年分の功徳。
もう、今生で徳を積む必要はなくなりますね。(笑)
ご指摘のとおり、126年ですからおそらくは、一生功徳には困りません。