政府の借金と対外純資産は、経済学的には異なる側面を指す指標
ある方より、先の投稿についてコメントをいただきました。
https://king.mineo.jp/reports/313156
日本の対外純資産 6年連続過去最高も・・ 【日本国は決して負債の状態ではありません!】というもので、全体の中の一部分だけを見せて、誤解を与えるのは如何なものでしょうかという趣旨です。
いただいたコメントは、日本の財政状況を多角的に捉えようとするご意見として承ります。
しかしながら、私がこの投稿で述べました日本が世界で一番借金が多い国という表現は、政府の債務残高の対GDP比という、国家の財政健全性を測る上で最も一般的に用いられる指標に基づいており、その文脈で言及しております。
この点において、日本の政府債務残高の対GDP比が先進国中突出して高い水準にあることは、国際機関や経済学者によって広く認識されている事実です。
一方、その方がご指摘の対外純資産についてですが、これは日本全体(政府、企業、家計の合計)が海外に持つ資産から負債を差し引いたものであり、国全体の対外的な貯金を示すものです。
確かに日本がこの対外純資産で世界有数の地位にあることは事実であり、その点は日本の強みの一つでもあります。
しかし、政府の借金(国債など)と、国全体の対外純資産は、経済学的には異なる側面を指す指標です。
政府の借金(国債など): これは、政府が国民や海外から借りているお金であり、将来的に税金などで返済していく必要があるものです。
この借金が膨大であることは、将来世代への負担や、財政運営の硬直化、さらには国際的な信用リスクに直結する懸念があります。この投稿で述べた格付けや企業の資金調達コストへの影響は、この政府の借金と信用力が主な論点となります。
対外純資産: これは、日本全体の富(企業や個人が海外に持つ資産)を示すもので、確かに日本の対外的な支払い能力の高さを示唆します。
しかし、この資産は直接的に政府の財政の健全性や、政府が発行する国債の返済能力を担保するものではありません。なぜなら、その多くは民間企業や個人の資産であり、「政府が自由に使えるお金ではない」からです。
私がここで問題提起したのは、政府の財政の健全性という特定の側面に焦点を当てたものです。
これは、個人の家計で言えば「貯金はたくさんあるけれど、住宅ローンが収入に対して異常に膨らんでいて、返済が困難になりつつある」という状況に似ています。
家計全体に資産があっても、ローン返済能力に疑問符がつけば、その人の信用は低下し、新たな借り入れが難しくなることと、構造は共通しているのです。
したがって、全体の中の一部分だけを見せて誤解を与えているというご指摘は、適切ではありません。
私はこの投稿において、「国の借金」という言葉を明確に「政府の債務残高」の文脈で用いており、その指標の重要性を説明いたしました。
国の財政健全性を議論する上で、政府の債務残高の多寡は避けて通れない極めて重要な論点であり、これを無視して議論を進めることはできません。
確かに、経済は多岐にわたる指標で構成されており、一面的な理解では全体像を捉えにくいものです。
しかし、私の投稿は、その中でも特に懸念される「政府の借金」の問題とそれがもたらす可能性のある影響について、関心を持っていただきたいという意図で執筆いたしました。
異なる指標を混同したり、それぞれの意味を正確に理解しないまま議論を進めることは、却って誤解を生む原因となります。
ご自身の持つ情報を根拠に批判されることは歓迎しますが、経済指標にはそれぞれ定義と意味があり、文脈を無視した一方的な指摘は建設的な議論を妨げます。
政府の借金問題の深刻さを議論する上で、対外純資産の多寡をもってその問題が矮小化されるものではないのです。
私としては、日本の経済状況を多角的に理解するための一助となるよう、事実に基づいた情報提供に努めてまいります。


>> アリタリアさん
しつこいな良かったねぇ、石破よ。
これで自民党、財務省も安泰だ。
財政危機だ、借金がーと言っておけば、日本国民は黙って増税に応じてくれると。素晴らしい理想国でつ。
そもそも世界一の借金国の定義としては、債務残高の対GDP比で見ているとのことですが、これとて一面的な指標でしかないと思うのですが?
そもそもの話。
他の見方をするならば、アメリカ政府の対外債務はご存じですか?
2025年1月時点で、28兆1776億ドル、です。1ドル150円で計算してみると軽く4200兆円を超えています。
でも対GDP比ではアメリカは124%で、日本よりもいいので心配ないとでも?
ところで元財務官僚の高橋洋一さんも指摘しているのですが、CDS(Credit Default Swap)ってご存知ですか?
債務不履行に対する保険なんですが、日本はG7の中で2番目にリスクが低い国なんですけどね。
ここで言う債務不履行とは借金が返せなくなるという意味です。
国が海外から金を借りていて、それを返せない場合はヤバいですが、日本政府の債務(借金)の対GDP比は240%で、ギリシャは165.2%です。
なるほど石破が言う通り、ギリシャより悪いですなぁw
>CDSレート
ドイツ 12.52
日本 19.77
イギリス 20.21
フランス 36.94
カナダ 39.60
アメリカ 47.22
イタリア 53.35
ギリシャ 55.35
中国 52.2
インド 84.1
もう一つ書いておきましょう。
銀行は預金者から「定期預金」を集めています。
この定期預金は預けた側からすると「資産」ですが、銀行から見るとあら不思議「借金」という定義になります。
日本政府の国債も定期預金に準ずる扱いなので、財務省の好きな「借金」と言っているわけですね。
それである銀行は1000億円もの「定期預金」を集めたら、「借金」を抱えるとなって破産するのでしょうか?という話になるわけです。
これも高橋洋一さんからの受け売りですが、財務省は海外の機関投資家から、日本の財政は危機なのか?という問い合わせに対して危機ではないと説明しているそうです。まさに二枚舌。
このご指摘のように、これらは異なる側面を指す指標です。 そしてこれらの側面が、一見相反する状況を示唆する場合は、中身をより詳しく精査する必要があります。
中身の議論は、元のスレッドでさせて頂きます。
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