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決めつけが横行する時代:根拠なき断定がもたらす危うさ

現代社会において、YOUTUBEを開けば、テレビを点ければ、あるいは政治家の演説に耳を傾ければ、まるで耳障りの良い音楽のように「決めつけ」の言葉が溢れています。「〇〇は悪だ」「△△しか解決策はない」「あの問題は〇〇のせいだ」。

このmineoでも危うい論調が散見されます。

政党も、影響力のある個人も、そして一般のネットユーザーも、あたかもそれが自明の真理であるかのように、一言で物事を断定します。驚くべきことに、その多くには確たる根拠が見当たらないのです。

これほど「決めつけ」が横行するのはなぜでしょうか。背景にはいくつかの要因が考えられます。

まず、情報過多の時代における思考の簡略化があります。
インターネットを通じて日々膨大な情報が流れ込む中で、人は複雑な事柄を深く考えることを避け、短絡的な結論に飛びつきがちです。

曖昧なものや多角的な視点を持つことは、心理的な負荷を伴うため、明確な「答え」を求める傾向が強まります。そこに、単純明快な「決めつけ」は、思考のショートカットとして非常に魅力的に映るのでしょう。

次に、SNSなどのプラットフォームが助長する同調圧力と分断です。限られた文字数や短い動画の中で強烈なメッセージを発信すれば、共感する人々からは支持を得られます。

しかし、それと同時に異なる意見を持つ人々との間に深い溝を生み出します。一度「こうあるべきだ」という決めつけが広まると、それに反する意見は「間違っている」「許せない」と排除され、建設的な議論の場が失われていきます。根拠よりも感情や勢いが先行し、声の大きい意見が多数派であるかのように錯覚される現象も少なくありません。

また、政治の世界では、票田の確保や支持者の結束のために、あえてシンプルな「敵」を作り出し、問題の原因を特定の層や事象に「決めつける」手法が用いられることがあります。

複雑な社会問題を一言で説明し、解決策を提示することで、有権者の不安を煽り、共感を呼ぶ。しかし、その根拠が曖昧であるにもかかわらず、その言動がメディアやSNSで拡散され、あたかも事実であるかのように扱われる危険性を孕んでいます。

このような「決めつけ」が横行する社会は、非常に脆いものです。複雑な問題は、単純な二元論では解決できません。多様な視点から問題を捉え、多角的な議論を重ねることで、初めて持続可能で本質的な解決策が見えてくるはずです。

根拠なき決めつけは、思考停止を招き、社会の分断を深め、最終的には健全な民主主義の機能不全に繋がりかねません。

私たちは、安易な「決めつけ」に流されることなく、提示された情報の根拠を冷静に見極めるリテラシーを養う必要があります。そして、たとえ意見が異なっても、相手の背景や多角的な視点に耳を傾け、対話を通じて理解を深めようとする姿勢が、今こそ求められているのではないでしょうか。


6 件のコメント
1 - 6 / 6
「一つを選ばなければいけない」わけではない、exclusiveでない問いに対して、無理くり片方をディスってもう片方に全振り、というのは見ますね。一点張りは自分の心と折り合いつけやすい、楽なのかなあと思ったりします。
『確証バイアス』
確証バイアスとは、自分の信念や仮説に合致する情報ばかりを集め、反する情報を無視または軽視してしまう認知の偏りを指します。

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一度決めつけてしまうと、そこからなかなか抜け出せない(抜け出そうとしない)。
情報があふれている世の中だからこそ、自分の信じたい情報も溢れてる訳で。
決めつけた(決めつけられた)自論が更に偏る方向に進む世の中なんだろうなぁ、と思ってます。

マイネ王も世界の縮図みたいですよね。
他意を聞く体裁をみせてるけど、実際に聞く耳がないケースとか。
客観的には滑稽にしか見えない陰謀論とか。
とりあえず、近づかないようにはしてますが...最近多いよなぁ、と。
決め付けずに、蟹寄りの蒲鉾とか蒲鉾寄りの蟹とかでも良いんじゃないの。byCM
sawa875
初心者マークsawa875さん・投稿者
マスター

>> parlng さん

さて?何のかまぼこのCMでしょう。
危うい論調で言う人の発言はさらっと流す。
目障りならミュート。
これがmineo…というかネットでの処世術です。

あとは…何か一方通行的発言になってないか。
この自問自答も重要でしょう。
総務省(令和元年の白書より)
(2)インターネットによる世論の二極化についての定量的な研究結果
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd114220.html
>過激度に最も大きな影響を与えているのは「回答者の年齢」であり、年齢が高いほど過激な意見を持つ傾向があることが明らかになった。(図表1-4-2-5)
(中略)
>これらの結果により、「もしネット利用が分極化を促進するならネット利用に熱心な若年層でこそ分極化が生じているはずであるが、そうはなっていない。むしろネット利用が相対的に少ない中高年でこそ分極化が起きている。この事実はネット利用が分極化を促進するという仮説に疑問を抱かせる」とし、社会が分極化しているとしたら、ネット利用以外の要因が存在するはずであるとしている。

との事です。いやあ、本当に決めつけはよくありませんよね。
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