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中国コンテンツの浸透と日本のコンテンツへの示唆

タイの首都バンコクでは、中国発のキャラクター「ラブブ」のグッズに長蛇の列ができ、「もうドラえもんの時代じゃない」とまで言われるほどの人気を博しています。

運営する中国玩具大手ポップマートは、アリババ集団のラザダやバイトダンスのTikTokショップといった中国系ECプラットフォームを駆使し、東南アジアのEC市場で4割ものシェアを占めることで、現地に実店舗が少なくてもビジネスを拡大しています。

また、音楽シーンでは、中国ネット大手テンセント主催のオーディション番組から生まれた中タイ混合グループ「NexT1de」が人気を集め、タイ語を交えつつも大半が中国語の歌詞で歌われています。

さらに、小米(シャオミ)製スマートフォンで中国の動画配信アプリ「WeTV」を通じ、1話12分程度のミニドラマを毎日視聴する現地の大学生もおり、中国を舞台にしたドラマに魅了され「いつか中国に住んでみたい」と語るほどです。

これらの事例は、中国の「ソフトパワー」が静かに、しかし着実に東南アジアの若者たちの生活に浸透している現状を示しています。かつて日本のアニメやキャラクター、音楽がアジアの若者文化を牽引した時代から、今や中国のコンテンツがその座を脅かしつつあります。

日本のコンテンツ産業は、長年の実績と高いクオリティを誇りますが、もはやその地位が安泰ではないことをこの現象は示唆しています。

中国企業は、潤沢な資金力と巨大な国内市場を背景に、新たなキャラクター開発、質の高いオーディション番組、手軽に楽しめるミニドラマなど、多角的なコンテンツ戦略を展開し、さらに強力なECプラットフォームや動画配信サービスを通じて、効率的にアジア市場への浸透を図っています。

日本のコンテンツが今後も存在感を示し続けるためには、「カワイイ」や「クール」といった既存のイメージに安住せず、ターゲット層のニーズを深く理解し、デジタルプラットフォームを活用した新たな展開、そして現地との協業を通じたローカライズ戦略を一層強化していく必要があるでしょう。

そうでなければ、「ドラえもんの時代じゃない」という言葉が、遠くない未来の日本のコンテンツ全体に向けられることになるかもしれません。

投資の観点からは、今のうちに中国の関連企業に投資しておけば今後大きく報われることになる可能性は高いと思われます。


2 件のコメント
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すでに映画の世界ではもうハリウッドの時代ではなくなっています。
映画人が使うコトバを借りると、「グローバル」の時代から「インターナショナル」の時代へ。

スレ主さんがおっしゃるように中国発のアニメ映画やドラマの完成度には目を見張るものがあります。
例えば3Dアニメ映画「ナタ 魔童の大暴れ」や超大作SFドラマ「三体」などです。

それゆえ「インターナショナル」の1つの拠点として、中国のコンテンツが今後注目されるというのもうなずけます。

ただアニメやゲーム、コミックを「文化」としてとらえると少し様相が違ってくるようにも思えます。
やはりそこに深く根差しているのは中国共産党の存在。

前述の「ナタ」についても「封神演義」をもとにしているので、古典作品の一つの解釈ということで成立しますが、全くオリジナルの作品を中国共産党がどこまで容認するのか。
(そういう意味では「三体」はあの文化大革命の描写について、かなりがんばったと言えます)

古い話ではありますが、90年代頃に中国本土で音楽活動をしていたとある人物は、作品をつくるにあたって中国当局の検閲にかからないギリギリのところで言葉を選んだり表現を工夫して「戦って」いる、というエピソードを見たことがあります。

さらにコンテンツを発信するだけでなく、文化としてとらえ、国際交流にまで昇華できるのか、そういう視点も重要だと思います。

日本国内において多くの地域で開催されているアニメやゲーム世界のキャラクターのコスプレ大会。
例えば名古屋の世界コスプレサミットでは海外からのコスプレイヤーが毎回多数来日します。
しかし同様のことが中国国内で開催されるような可能性はあるでしょうか?
著作権管理やアート表現の規制に関する課題を解決できるしくみはあるのでしょうか?

SNSなどのネット世界においては中国発のコンテンツが広まる可能性はありますが、さらにその先のリアル世界の文化交流となった場合はどうでしょうか?

中国が「ドラえもんの時代」のその先をめざすのであれば、解決しなければならない問題、すなわち中国共産党自身が変わる必要があると思うのです。
プロパガンダではなくその先をめざすのであれば。
sawa875
初心者マークsawa875さん・投稿者
マスター

>> Nul さん

中国支配層が変わらなければいけないのはご指摘のとおり、自明ですね。
どの程度、他国がその文化を受け入れるかですが、悲しいことに今のところは中国の戦略が効を奏しているのが実情でしょうね。

単純化しすぎかもしれませんが、中国の文化侵略を恐れています。
徐々に化粧品、自動車などでその事例が見られつつあると思えます。
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