鏡の国のクスリ💊
アリスではなく、ミラーマンでもなく、
クスリ の話です。
クスリには、1種類の有効成分なのに、それが2種類の実体から構成されているものがあります。それらは右手と左手のように、互いに鏡に映ったような分子構造を持っています。
そして殆どの場合、その2者には明確な優劣が存在します。ならば、初めから優れた方だけを使えば良いではないか?
そうできない大人の事情(?)とは?
①優れた方だけを取出すためのコストが過大
②優劣が選別コスト対比では微妙
③体内で分離前と同じ状態に戻るクスリも
外耳のトラブルで耳鼻科を受診したところ、コムレクスという点耳薬が処方されました。
門前薬局なら問題なかったのでしょうが、所用で立ち寄った場所近くの薬局には取扱いがなく、取寄せになるとのこと。
その薬局の薬剤師の話では、ジェネリックは存在しないとのことで、しかも有効成分が何なのかも知らない様子でした。
仕方なく帰途にいつもの大手チェーンへ。
そこの薬剤師によると、有効成分は抗菌薬(抗生剤)レボフロキサシンで、前回処方のタリビッドの有効成分オフロキサシンとは微妙に違うもの(実は大違い)でした。
レボフロキサシンは、オフロキサシンの実体から、効き目が大きく副作用の少ない方だけを集めた、選抜されて効き目は約2倍のエリート薬なのです。だから大抵は有効成分が半量になっています。
但し、コムレクス点耳薬は、タリビッド点耳薬に対して濃度が5倍なので、約10倍の効き目が期待できます。
クスリにはよくある話です。
身近な例では、花粉症やアレルギーのクスリのセチリジンがそれで、こちらは処方箋無しでも買えますが、エリート薬のレボセチリジンを使ったザイザルは、処方箋が必要です。エリート薬なので、効き目が強く、眠気などの副作用も低減されています。
他には、胃薬のネキシウムがあります。
これはオメプラゾールのエリート部分だけを集めた、エソメプラゾールが有効成分です。


市販薬は特に。
>> 伊勢爺い さん
成分が少ない方が、「予測し難い副作用」という危険性は低くなりますね。>> ミチロフ@エース→ベテラン さん
それは、元スレだと③のパターンですね。https://ja.wikipedia.org/wiki/サリドマイド
「光学異性体と薬理作用の関係」
「再評価」他
>> p928gts さん
その後いろいろな研究が進んだことを知りました。ありがとうございます。