スキー競技 ジャンプと回転について
スキーのジャンプ競技を見ていると人間の身体能力だけで大空を羽ばたき100m以上の距離を飛ぶことに驚きと憧れを感じざるを得ない。
本当に「人は昔々鳥だったのかもしれないね」
スキージャンプには高さや形状によってノーマルヒル、ラージヒル、フライングヒルの3種がある。
現在のジャンプ台は国際スキー連盟(FIS)の定める設置基準に合致するように造られている。
下図は北海道にあるラージヒルの大倉山ジャンプ競技場(上)とノーマルヒルの宮の森ジャンプ競技場(下)の断面図である。(※)
図の右から1/3程の個所に段差があるがここはカンテと呼ばれる踏切台でここから空中に飛び出す。
図面を見ると分かるが上方向ではなく下方向に向かった斜面になっていてその角度は10~11度と決められている。
要するにジャンプ競技場はスタートから着地までずっと下方向に向いていてジャンプの要素はどこにもない。
(※)2024年現在両者共老朽化が進んでいてジャンプ台の形状が現行の国際競技規則に適合していないことから札幌市は大規模改修が必要な状況であることを明らかにしている。
https://www.city.sapporo.jp/sports/sisetsu/ookura.html
改めてジャンプの意味を手持ちの辞書で調べると
ジャンプ:跳躍を見よ
跳躍 :ジャンプを見よ
とある。
全くジモティーで買った辞書は使えないがジャンプは日本語で跳躍というのは分かった。
その跳躍を他の辞書(コトバンク)で見ると「はねあがること。とびあがること。」とあった。
実際のスキーのジャンプ競技とはかけ離れた動作である。
外国でもjumpで通っているから歴史的に上向きのカンテがあり上方に飛んでいた時代があってその名残で今でもジャンプと呼んでいるのかもしれない。
スキージャンプの起源は1840年代ノルウェーで自然発生的に遊びの中から誕生したとされている。
競技会としては1877年に初めて開催されこの時の最長記録は23mだったというから揚力や推力とかの考えなしに上方に傾斜した踏切台から飛び出していたことは容易に推測できる。
https://tenki.jp/suppl/y_kogen/2017/11/17/27231.html
ジャンプに代わる言葉を探すと「滑空」という言葉がある。
「滑空:地表に対してある傾斜で降下する飛行状態」(ピクシブ百科事典)であるというからスキージャンプにぴったりの言葉である。
次は回転競技である。
アルペンスキー競技で回転の名が付く競技には以下の3種類がある。
回転(slalom下図左)
大回転(giant slalom下図中)
スーパー大回転(super giant slalom下図右)
上の模式図では単純すぎるので実際の大回転の動画を載せる
これらを見て思うのは何をもってこの競技を回転と名付けたのかという疑問である。
回転の意味を調べると
[名](スル)
1 物が、ある軸を中心としてまわること。「—式のテーブル」「翼が—する」
2 からだを転がしたり、宙がえりしたりすること。「—レシーブ」「マット上で三—する」
3 機能を十分生かした働きをすること。存分に活動すること。「頭の—が鈍い」「人員を—させて事務をさばく」
4 物事が、動きをくり返すこと。「資金の—が早い」
5 サービス業などで、客が新しい客と入れ替わること。「客の—が悪い」
6 「回転競技」の略。
(Goo辞書)
これでは分からないので更に探すと「ウィキペディア」に以下の説明があった。
物理的または数学的な文脈での回転とは、特に断らなくとも、回転中心や回転軸から回転する点への距離が一定の運動、つまり円運動を指すことが多い。また、回転した点の軌跡が円の一部である円弧(扇形の曲線部)の場合を指すことも多い。
-------以上-----
これに従えばスキー板の軌跡を辿って中心点と半径を目まぐるしく変化細分させて繋いでいけばこの競技を回転と呼ぶことも出来るがこうなれば最早微分の世界である。
そこまで考えての命名ではないと考える。
回転の元の言葉はスラローム【(ノルウェー)slalom】であり意味は以下の通りである。
スラローム【(ノルウェー)slalom】
1 スキーの回転競技。
2 オートバイ・自動車などで、くねくねと左右に曲がるように走行すること。
3 カヌー競技の一。
---------------デジタル大辞泉による--------
要するにくねくねと左右に曲がるように走行することである。
ジャンプの時のように既存の日本語から探せばぴったりの言葉を簡単に見つけることができた。
「蛇行」である。
何故「蛇行」にしなかったのか不思議である。
以上述べたようにジャンプや回転は腑に落ちない競技名であるが正真正銘のジャンプと正真正銘の回転を併せ持った競技も出てきた。
フリースタイルというジャンルである。
キッカーという上向きのジャンプ台もあるし選手の体を軸とした回転もあり見ていて飽きない。




スキージャンプが「滑空」に近いという指摘は納得感がありますね。特に今のジャンプ台の形状を考えると、単純に「跳ぶ」というより「飛ぶ」競技になっていますし、むしろ「滑空」のほうが競技の実態を正確に表しているかもしれません。
回転競技に関しても、「スラローム」の意味を考えると「蛇行」という言葉の方が直感的に分かりやすいですね。ただ、日本語のスポーツ用語は、英語や他言語のままカタカナで定着してしまうことが多いので、「スラローム=回転競技」という流れで定着したのかもしれません。
フリースタイルスキーの方が、言葉の意味と実際の動きが一致しているのは確かですね。特にキッカーからのジャンプは、まさに「跳躍+回転」そのもの。伝統的な競技名と実態のズレがあるのは面白い視点でした!
上向きに見えなくもない、かつての宮の森。
>ジャンプに代わる言葉を探すと「滑空」という言葉がある。
彼ら(日本のジャンプ陣3名、笠谷、金野、青地=金、銀、銅を独占)は「日の丸飛行隊」と呼ばれましたので、跳躍というよりは「飛行」でもいいかもしれません。
>回転の元の言葉はスラローム【(ノルウェー)slalom】であり
英訳するとturnでしょうね。ターンには回転という意味がありますので、回転と訳しても間違いではないと思われますが。
>> 電人 さん
それぞれの返答に対する補足や意見を述べる形ですね。1. 「上向きのカンテがあり上方に飛んでいた時代があって」
→「上向きに見えなくもない、かつての宮の森。」
→ 確かに、宮の森シャンツェ(スキージャンプ台)は、角度の関係でそう見える時代があったかもしれませんね。
2. 「ジャンプに代わる言葉を探すと『滑空』という言葉がある。」
→「彼らは『日の丸飛行隊』と呼ばれましたので、跳躍というよりは『飛行』でもいいかもしれません。」
→ 確かに、笠谷・金野・青地の快挙を考えると、「飛行」のほうが彼らの圧倒的な存在感や美しい軌道を表すのにふさわしいかもしれませんね。
3. 「回転の元の言葉はスラローム【(ノルウェー)slalom】であり」
→「英訳するとturnでしょうね。ターンには回転という意味がありますので、回転と訳しても間違いではないと思われますが。」
→ スラロームは確かに「ターン」と訳されますね。ターンには方向転換の意味もあるので、「回転」と訳しても文脈次第では自然でしょう。
昔のスタイルはわからないですが、最近のは上手いこと飛び上がれるかどうかもポイントになっている気がします。
スラロームなど、回転?と思います😅
スキー上手な女子とスキーに行きたい😄
>> STうち さん
ダラダラな文章を簡略に要約していただき助かります。以後気を付けたいです。
コメントありがとうございました。
>> 電人 さん
「日の丸飛行隊」懐かしい言葉ですね。
仰せの通り「跳躍」というよりは「飛行」といった方がいいと思います。
ただ現在のジャンパーの飛行中の姿勢はスキー板とそれに沿うような低い姿勢で飛行機の翼のような形状に似せることで揚力を得て少しでも飛距離を伸ばす努力をしていますので「滑空」の方が適切だと思った次第です。
【(ノルウェー)slalom】はスキーの競技名として独り立ちしているようで辞書を見ても競技の内容を記したものが多いです。
語源は「傾斜したトラック」を意味する「sla」と「トラック」を意味する「lam」から成り立っています。所謂シュプールのことですね。
回転とはフィギュアスケートの回転ジャンプのようなものをイメージしていますのでスキーの回転に疑問を持っただけで否定はしていません。
私の中では「蛇行」「旋回」大分離れて「回転」といった順番です。
コメントありがとうございました。
>> Y. Daemon@ポリアモラス さん
>ジャンプ😄 飛び上がる感少なめですね。最近は踏切台を出たらすぐに揚力を得られるようにスキー板と一体になるような姿勢をとるようです。
>スラロームなど、回転?と思います
やはりそうですか
私の固定観念を修正しなければいけませんね。
反省
コメントありがとうございました。
>> hijiake さん
いえいえ、私も回転という言い方はあんまりかな?と思いますよ。回ってないし。転回というとクルクル180°以上は回って欲しい感じがしますから。
大回転という言葉からすごく回りそうな印象なのは同意しますw
スキーのジャンプですね。
雪国の小学生が競技を目指して練習する映像を見た事あります。
40~50cmの雪の台からジャンプして大人がキャッチして、飛行姿勢をとるという練習でした。人間がジャンプ(跳躍)しているのは間違いないです。
基本は、より高くジャンプできる人がより距離が出る競技らしいです。
高台にある我が中学校の校舎の脇にはジャンプ台(10mから15mクラスとの噂)があって、
とあるスキー授業の日(そう、雪国にはあるんですよ)に教師から「飛べるやつは飛んでみろ」と言われて、
肝試しのように何人かは飛んでいた。
(あたしゃ着地でこけた)
雪国のエピソード(2、蛇足)
中学校裏山のスキー場が札幌オリンピックのアルペン競技の練習ゲレンデに指定され、
ある日中学校が斜面圧雪の作業に動員された。
皆で急斜面を横向きに圧雪して登って行って頂上。
「先生、滑って帰っていいんですよね🥰」
「ダメ、下りも圧雪」
「そんな殺生なぁぁぁ😭」
(当時は圧雪車なんかなかった)
>> Y. Daemon@ポリアモラス さん
私の読み違いでしたか。申し訳ありませんでした。
>> かくいち さん
ジャンプは小学生の頃から練習を始めるのですね。その際実際に跳躍しているとは知りませんでした。
詳細なコメントありがとうございました。
>> 流しのモバイル人@また光回線無料 さん
スキーの授業があるとは九州南部で育った私には初耳でした。遠足もスキー場だったりしてゲレンデは新雪のままではダメで圧雪しなければならないのも初耳でした。
全員並んで麦踏みならぬ雪踏み傍目には楽しそうですね。
雪国ならではのエピソードありがとうございました。
>> hijiake さん
「スキー遠足」はありました。カントリースキーでもないゲレンデスキーを履いて、雪山を歩きます。海岸の学校が遠泳するのと似たようなもの、、、、>> 流しのモバイル人@また光回線無料 さん
エッ⁉まさかの「スキー遠足」
恐れ入りました。