副鼻腔炎手術
過去に副鼻腔炎の手術を2回経験している。
一回目は平成6年(1994年)
二回目は令和4年(2022年)である。
今回は一回目の手術の顛末について概略を記す。
私の副鼻腔炎歴は物心ついた頃からで70年程の歴史がある。
当時は蓄膿という呼称の方が通りは良かった。
いつも口を開けているので口中が乾燥している(特に寝起きの時はカピカピに乾いていた
)。
口呼吸のため呼吸音が大きい。
ボーッとしていて集中力がなく物事が続かない。
臭覚がなく食べ物の匂いが分からない。
青洟を垂らしている。
親も気付いていたが命にかかわることでもないと病院に行くことはなかった。
蓄膿に効くと言われる鼻の両側や眉間の間にあるツボを祖母が押してくれることもあったが所詮は素人の施術で痛いだけで何の効果もなかった。
その後数十年を過ごした。
30年程前、拉致されたり強盗に会ったりして猿轡を噛まされたら手足も縛られているであろうから確実に窒息死するだろうなと思い至り手術を受けようと考えた(当時そのような事件が実際にあった)。
当時の手術は歯茎の根元から口蓋を開いて副鼻腔を直視出来るようにしてポリープや粘膜を除去するというもので手術道具は鑿と金槌とかを使い大工並の技量を要するものであった。
内視鏡はまだ無い頃で奥の方は手先の感覚だけで手術をするというこちらも職人並みの技量を要するものであった。
又、手術後の顔面や歯茎の痛み痺れ腫れが長期間続くことも多く更に副鼻腔の機能も低下するリスクもあった。
このようなことを考えると恐怖心が先に立ち 手術しようという決心も鈍るものがあった。
次善の策として鼻詰まりの主原因である鼻茸だけを除去する方法があることを知った。
鼻茸とは鼻の中にできたポリープで茸のような形状をしているのでこの名前がある。
鼻の穴からリング状になったワイヤーを入れ鼻茸の軸に引っ掛けてワイヤーを絞り力任せに引っ張り出して除去するという極めて原始的な方法であるがこれなら我慢できそうだというので手術することにした。
只この方法は一時的に改善させる対症療法的なもので大元の炎症粘膜を除去できないためいずれ再発する可能性は大きいという。
手術は町の耳鼻科医院ではやっている所がなく徒歩圏内にある市立大学医学部付属病院で受けた。
当時は紹介状とか無くても直接行って診療してもらえた。
手術前日からの入院で最短で3泊4日は必要であると言われた。
手術は30分ほどで終わった。
局所麻酔のため痛みを感じることはなかったがポリープの根を骨からこそぎ落とす時の圧迫感や音は感じることが出来気持ちの良いものではなかった。
手術そのものの痛みより止血のため鼻の中にガーゼや綿球を鼻が裂けるのではないかと思うほど詰められた痛みの方がきつかった。
行き場を失った血は鼻の奥から口の方に出てきてその処理で一晩中眠れなかった。
出血は自然に止まるのを待つしかないというこれまた原始的な方法であったが2日後には詰め物を取り出して翌日には退院できた。
以上が30年程の手術の話である。
全てのものに匂いがあり、全ての食べ物にはっきりとした味覚がある。
鼻が通るというのはこのことかと感激したものである。
しかし所詮はその場しのぎの手術である。
徐々に鼻が詰まり始めてきた。
手術の効果は10年も続かなかった。
又鼻詰まりの日々を過ごすこととなった。
6年前に大腸がんの手術をしたがそれ以降毎年人間ドックを受けている。
3年前の検査ではCTスキャンを行ったが頭部の読影所見に「両側副鼻腔炎を認める」と明記されていた。
町医者にその旨を告げて診てもらったが鼻の中をちょっと覗いただけで「奇麗なもんです。何ともありませんよ。」と一蹴され通院を諦めてしまった。
70代に入って残りの人生や体力を考えると手術のことにも真剣に向き合う必要があると思い、いろいろ調べてみた。
手術は内視鏡を使って行い以前のように骨や皮膚を切り裂く事はなく民間の病院では日帰りでの手術もあるようだ。
日帰りといってもその後頻繁に通院しなければならないようで体験記をいくつか読んだが仕事を持っていて連続した休みの取れない人のための方法のようである。
私は時間はたっぷりとあるので何日か入院して確実に治すことにした。
(以下続く?)



私の場合、好酸球の副鼻腔炎で、再発するということで、難病指定されてるものでした。1年近く薬を処方してもらってましたが、ある時、医者から、デュピクセントという注射があって、4週間に1回の注射で、薬を飲まなくてもいい。
難病指定の申請をすれば、安く抑えられると勧められ、現在もそのおかげで、手術でも治らなかった匂いも回復し、鼻もスッキリし鼻づまりもなく、花粉症も軽症になりました。
ただし、デメリットとしては、高価な注射なので、今は自己注射にし、病院に行く回数を減らしてますが、それでも難病指定してて、年収にもよりますが、年10万近く掛かります。
再発するというのは、好酸球副鼻腔炎の可能性もありますね。
>> あまちん さん
詳細なコメントありがとうございます。一昨年の手術の前に好酸球副鼻腔炎についても説明がありましたが血液検査と生体検査の結果好酸球副鼻腔炎ではないと判定されました。
今のところ正常を保っています。
>> hijiake さん
医者からは注射を止めれば、必ず再発すると脅されてます。好酸球でなくてよかったですね。でも、再発は厄介ですね。
私の場合の手術は鼻茸が酷くなかったのか、内視鏡だけで済みましたし、全身麻酔でしたので、寝てる間に終わってましたから、苦痛もなにも感じませんでした。
3,4日の入院で済みましたが、口から手術が必要な場合は、1週間以上の入院になってしまうようです。
鼻詰まりは、呼吸がしにくいから、かないませんよね。両方詰まったときは、寝るのが少し不安でしたよ。
今回投稿した手術内容は鼻茸除去だけでしたが又鼻詰まりがひどくなってきたので一昨年内視鏡下の根治手術を受けました。
この時は全身麻酔でしたので5時間程経過して目が覚めるまでは痛みも記憶もなく術後も快適な環境の中で過ごせました。
入院期間は一週間でした。
その後通院を数回行いましたが後は町医者に診て貰うよう言われました。
町医者には自己判断で行かずに今も耳鼻科には通っていませんが今のところ何ともありません。
二回目の手術についても機会があれば投稿しようと思っています。