あぁ無情　2題

液晶テレビが壊れた。

テレビ台を掃除しようと手近な布団の上に置こうとしたら前に倒れて液晶画面が割れてしまった。
最近のテレビはベゼルレスで液晶画面が前に出ているのでまともにぶつかったようだ。
4Kチューナー内蔵なのでチューナー基板だけでも生かせないかと思うがそこまでのスキルが無い。
ジモティー行きだな。

倒れても液晶画面が接触しないからという訳でもないが湾曲画面のテレビに買い替えた。

リモコン本体もボタン配列も湾曲している。

本題はこちらの方である。　

今朝、投稿しようと下書きを出して続きを書いた。
完成寸前の所でページを移動して元に戻したが追加の部分が全て消えてしまった。
ガッカリである。
結構な文字数であったので同じ文を亦、書く気力もない。
今回は切れのいい所まで書いてお茶を濁す。


ギリシャのアテネ駅に着いたのは大晦日の夜11時を回っていた。
どこでもいいからホテルに泊まろうと町の方へ歩いて行くとバックパッカーのシルエットとユースホステルと書いた看板が目に留まった。
ベッドはあるというので中へ入ったが教室程の部屋にベッドが10個並べられている。
先客は2人いたが他のベッドはワイヤー錠に繋がれたバッグが置かれていて満室であった。
新年のカウントダウンのため外に出ていると思われた。
夜中に帰って来ても騒いでうるさいだろうと思い受付に行って個室はないかと訊いたらリネン室で良かったら移っていいというので部屋を替わった。
リネン室にはベッドが無くソファーを並べてベッドとした。
暖房も無く寒かったが毛布やシーツは山ほどあったので毛布を7枚程掛けて何とか凌いだ。
翌朝、早々にチェックアウトしてまともと思われるホテルを探した。
オモニア広場の近くにこじんまりとしたホテルがあったので入った。
対応に出たのは70代と思われる老女でギリシャ語しか話せないようだった。
私はギリシャ語は全く話せない。
さあどうする
ホテルのフロントに旅行者然とした外国人が現れたら先ず宿泊希望の客であろうと思うだろう。
私も泊まりたいとの意味を込めて部屋に通じていると思われる階段の方を指さした。
老女は先に階段を上がり2階の1室のドアを開けて私を中に入れた。
ベッドが2台置かれている結構広い部屋であった。
ドアの内側に1枚の紙が貼ってありこれを見よと指さした。
それは部屋の宿泊料金表で通常期と閑散期の料金が書いてあり観光局か何かの公的なハンコが押してあった。
1月は閑散期のようで若干安く表示してあった。
私は頷いてデイパックをベッドの上に置くことで宿泊の意思を示した。
フロントに戻りパスポートを見せ宿帳に記入して正式に泊まれることになった。
この間2人ともずっと無言であった。
部屋で2時間程休んで外出しようと降りていくと（老女の息子と思われる）男性がいた。
ちょっと観光してくると言うと今日は新年の祝日であるのでレストランは閉まっているからこれを食べてから行きなさいと2個のパンとジュースを出してくれた。
代金を払おうとするもいらないというので厚意に甘えた。

パルテノン神殿辺りを回ったが店だけでなく入場料の必要な遺跡や博物館も閉まっていた。
この日は街の概観を知るためだけの目的で歩き回ることにした。

途中、国会議事堂前にある無名戦士の墓で衛兵の交代があった。
又、国立歌劇場もありここはマリア・カラスがデビューした劇場であるので時間が合えば観劇したかったが初日が1月7日で演目も馴染みのないものだったので断念することにした。

ホテルに帰る途中の街角に間口1間程のテイクアウト専門のスブラキ屋が店を開けていた。
スブラキはギリシャの郷土料理で肉を串刺しにして焼いたものでるが持ち帰りの場合トマト、玉ねぎ、レタス等の野菜と串から外した肉をピザ生地のような薄いパンで包んでくれるので量が5倍ほどになる。
5本注文していたがこれを見て２本に変更した。

以下　消滅