別荘
車で3時間位行ったところに別荘を持っている。
別荘などといっているがその実はただの掘立て小屋である。
誰にも見せたことも、招いたこともないので言ったもの勝ちである。
建物を建てるにあたり全ての工程を一人でやろうと思ったが時間と労力を省くため整地と基礎コンクリートだけは業者に頼んだ。
上物は週1で通ってコツコツと建てた。
基本的に木造であるが枠組壁工法と在来工法との折衷案、屋根は強度と作業効率を考えてスチール折半という変則的な造りとなった。
屋根材のスチール折半
いつごろ建てたのか記憶は定かでないが、作業帰りに立ち寄ったサービスエリアでダイアナ妃の事故を報じていたので検索して1997年の夏のことだと分かった。
その年の内に大方は完成して、正月はそこで過ごすことができた。
土地を買う前と家を建てる前に管理会社に確認申請や土地の税金の事を訊ねたが地価も広さも大したことないので心配要らないというのでそのままにしていたが数年後の(人が訪れる可能性が高い)お盆の時期を狙って市役所の役人が調査に来て固定資産税が掛かると告げて帰った。
金額自体は大したことはないが事情があってもう行くことも無くなったので固定資産税を払わなくてもいいようにするにはどうしたらいいのか役所に相談に行ったところ、税制で言う家の定義から外れたら良いと教えてもらった。
具体的には壁1面を壊すか屋根を取っ払うかしたら良いと言うので屋根を取り払うことにした。
それから10年ほど経つが現状がどうなっているか分からない。
外した屋根材は風雨に晒されないように屋内に並べているがボルトを通す穴などはそのままにしているので下にある家具や(嫁の商売道具であった電子ピアノやエレクトーンやドラムセット等の)荷物はもう使い物にならないと思われる。
屋根のない家はどのように朽ちていくのかという実験をしているようなものである。
元気な内にきちんと解体撤去しなければならないと考えていたが70代半ばになって体力気力が急激に衰えてきて思うようにならない。
不本意ながら子供に託すことにするか...
さて、この家であるがグーグルマップの航空写真で確認できる。
掲載の画像がそうである。
剥き出しの梁が見える。
左上の白い物は後付のトイレである。
もうこの場所とも縁がなくなりそうであるが、敷地内に電力会社の電柱と支線があって僅かではあるがその敷地使用料が3年毎に入ってくる。
先日電力会社から振込先変更等の有無を確認する手紙が送られてきてまだ細々と繋がりはある。
山の中にポツンと一軒家、良いですね。
〇〇市の怖い家で有名だったりして。
今年、車の免許を更新しなかったので
もう一人では行けなくなりました。