川柳を吐いてみませんか。

川柳はときに「吐く」と言われます。「思いを吐く」という意味です。
例えばこんな川柳があります。

　　「夾竹桃何が正義で何が悪」

一読しても意味がすんなり分かりません。でも「夾竹桃」が原子爆弾が落とされた後ヒロシマに最初に生えてきた草であると聞けばどうでしょう。「何が正義で何が悪」と言うフレーズが胸に迫って来ませんか。

こんな句もあります。
　　「ふるさとへ向かう夜汽車で背伸びする」

私が川柳を始めるきっかけになった句です。東京に5年間単身赴任していたころ、東京から大阪向かう新幹線の中で何度この句を思い出したことでしょう。子供はまだ上の男の子が小学４年下の女の子が１年生でした。その女の子が赴任する日の新大阪駅のホームで発車ベルが鳴った時においおいと泣きました。その熱い涙を思い出しながらいつも私は新幹線の中で背伸びしていました。

さらにこんな句もあります。短句です。
　　「別れた後のひとり駅そば」

昭和のころに作られた旧国鉄や私鉄、地下鉄の駅がここへ来てどんどん新しくなっています。それにつれ思い出のある駅の風景が消えて行きます。先ほどまで一緒に居た人と別れふと立ち寄った駅そばの思い出、誰にでもあるのではないでしょうか。こういう時間を人生の余白と言うのかも知れません。

　皆さんもご自分の思いを五七五の川柳に吐いてみませんか。
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