留守番禁止条例案という愚案

埼玉県議が掲げて制定間近で廃案となった留守番禁止条例案
此れが埼玉県民に取て如何に暴政であるか
暴政であろうと一度制定すれば他の都道府県も例外ではないという問題が挙げられる
この事案は決して埼玉県だけの問題ではないのである

県議側と県民側の意見が対立したという課題に就いて以下のような類似事項が挙げられる

例えば自転車の追突事故に於いてドライバーがイヤホンをしていた為『だからイヤホンが事故の原因』だとする
しかし実際には聴覚の不用に因り招じる事故は死角からの接触だろう事が物理的に考えて判定出来る
聴覚の不用に因り死角からの音が聴こえず追突された場合のパターンにみられる原因である

だが正面の接触に就いての原因は聴覚ではなく、“死角を確認しても減速しない”など死角を無視し“周辺を意識しない”等、視野を含まれる動向である事が伺える
進行方向での追突事故の発生は視覚的な要因であり聴覚は関係ない事が判る
いわば自転車が加害となる衝突事故にイヤホンは関係ないのである

『追突事故に於いて加害側はイヤホンをしていた。だからイヤホンが原因だ』
この事例から埼玉県議の条例案に共通する問題は［だから……原因だ］といった目にした物のみを凡てかの様に、事案に就いてなんの考察もなしに断定する浅薄的思想が伺える

県議側に対し県民側が意見を対立させた要因は、物事の過程を無視した判定に起因した物と思われる
これは県議側の判定に不備があったとしか言い様のない事項だろう
県議側の案件の問題点に於いて少なくとも以下の事項が危惧される

一つは義務化に因り、精神的に余裕のない子育て中の親の精神に余計に負担が掛かれば
虐待など別の問題を招じる畏れを招くという事だ
真面目な人物ほど義務に対して敏感である事が挙げられる

又、置き去りといっても親が子供を放置してパチンコに行くようなネグレクト的な問題ばかりではなく
最近では『子供を園に預けた』という思い込みに因る過失で発生した置き去り事故が報道された
これは親の精神状態といった要因が関連する為、一概に虐待で片付く問題ではなく
何が正解であるかといった事は安易に語る事は為らない案件だ

事故例として比較的多くみられる“園がバスを確認しなかった”等の問題とも又似たようであり異なる問題である
業務に関していえば、確認を怠たという明確な原因が挙げられる
それは業務であり園全体の課題である事、逆をいえば園の職員が全員で考慮出来る問題であり、個人にのみ課題を伴う案件ではない為だ
故に方法として［確認事項の義務付け］といった処置で片付いた事案だろう

だが親が『園に預けたと思い込んでいた』という様に“思い込み”といった個々人の精神的な要因が絡む状況に於いては様々な要因が存在する
業務事項の様に複数人、専門家の集団で取組む課題とは状況が異なる事案だ
其れも配慮なく凡てを統一思想化し、個人単位で精神的負担を強いる事は、他の問題に対する影響を増加する要因となる畏れを伴う事態に起因する物だ

思い込みといった案件でいえば、園の送迎バスの置き去りに関しても『全員降りたと思ていた』という思い込みである事は同様だが
園には対価を得て子供を預かる利益がある
対価があれば無駄に迎合したり無理をする事など多少の事は堪えられる物だ

しかし仕事でもなく対価もない、況してや私生活だ
唯でさえ子育てで息を吐く間もない様な毎日に義務という政治圧力が架かれば自殺者を招く自体になろうと変しくはない
「罰則もないのだから構わんだろ」と割り切れる場合はいいが、真面目な人物にそうはいかない

保育のプロであっても職場環境の劣化に因る精神的なプレッシャーに追い詰められた末に虐待に走る事件が実際に起きている
虐待するほど子供が嫌いであればそんな業種に就く事はない
専門職として保育に従事する者が虐待などとんでもない噺だが、端から子供が憎くてやっている訳ではないのである

例えば全く関連性のない他人の愚痴や悩み事を延々聞かせられる事は精神的拷問に該当する
（「話を聞いて欲しいだけなのッ！」といって事項に関係性のない他人に精神的拷問を仕掛けて来るケースも世間ではみられる）
其れを毎日やっているのが精神科医やカウンターだが、曰く仕事でもなければ精神科医でも其れは無理な事だという
（自分の気晴らしに他人に拷問を仕掛ける類の輩は金を支払てカウンセリングを受けていればいいだろう
タダで気晴らししようなど腹の虫の良い事だ）

此れに比例し、精神科医でも精神的に無理な課題を埼玉県議は県民に条例という名のもとに強要を強いようとしていたのである
市民の生活や家庭に迄政治が介入する事は愚の真骨頂ともいうべき事案だろう

個人の過失に因る事故には様々な要因があり、事故に対して原因特定する事は困難を要する課題だろう
その背景に対して何が正解かなど一概に語る事は出来ない物だ
市民の私生活に政治が介入する事が、後に市民にどのような影響を及ぼす物か全く考えていない《サイコパス条例案》といって過言のない問題だ

この事案で何が一等の問題かといえば、県政が全く県民の生活を考慮していない事だ
埼玉県民の立場であれば、この様に制定後の事態を全く考慮していない暴政は許される物ではないだろう
「オマエラ県議は誰の為に其処で仕事をしているんだ！？」…と、県民から言及を喰らって至極当然だろう事はサイコパスでもない限り分かり切た件である
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