日本郵便子会社が違法iPhone転売取引未遂

　古物営業法違反が疑われる中古iPhoneの不透明な取引。
　取引を要請した日本郵便の元執行役員（当時現職）は問題発覚後に退任したが、約1年後に別の子会社の社長に就いた。

　子会社の郵便局物販サービスが2020年、古物営業の許可を得ないまま転売目的で中古のiPhone330台を業者から仕入れ。
　古物営業法は、公安委員会の許可なく古物の売買を禁じている。
　内部で違法性が指摘されたにもかかわらず進められた。

　日本郵便は許可なく取引が行われたことを認めた。再発防止に向け、子会社指導の徹底。

　郵便局物販サービスは2020年1月、日本郵便の元執行役員の要請を受け、都内の修理業者からiPhone330台を約2500万円で仕入れ、別の業者に約2700万円で売る取引を計画。

　内部会議では、古物営業の許可を得る必要があるとの指摘が出たが、物販サービス社の役員らは許可がないまま計画を進め、2020年2月に購入。

　iPhoneを保管していた物販サービス社は2020年5月、日本郵便社員も交えて対応を協議し、販売先を変更。
　古物営業許可を持つ別の子会社を介して、グループ社員向けに3台を販売。

　違法取引が行われているとの情報提供があり、日本郵便は2020年10月に内部調査を開始。

　2020年12月、物販サービス社は残る327台を業者に返品し、仕入れ代金を返金。