サイレンススズカの呪い
駆け抜ける馬の美しさ。
観客の熱気。
着順確定後に渦巻く歓声と怒号。
「お~い、か~しま~」
お昼休み。当時勤務していた営業所の先輩が間の抜けたような声でアタイを呼んだ。
『???』
「河嶋、競馬行ったことあるけ?」
ねえよ。てかチミたちが休憩室に散らかしたスポーツ新聞を片付けるだけでうんざりしている。
(休憩室の掃除は当番制で、公正なる抽選のもとアタイは金曜日の清掃当番になっていた。わかりやすくいうとババを引いた)
どうせ当日になったら新聞また買うんだから、無駄遣いしないでそのお金で馬券買えばいいじゃん位にしか思っていなかった。
「今度の週末にGⅠレースあるからみんなで競馬場行けへん?」
後から知ったんだけど、その先輩は『若い子同士で繋がりっつ~か絆?みたいなもんを持ってほしい』『青空の下、みんなで楽しくやろう!』という精神で営業所の若い子たちに片っ端から声をかけ、イロイロ段取りしてくれていたんだ。
てかお外でワイワイやるんだったらハイキングとかBBQとかあるだろうに。
で、何だかんだ言って声をかけていただいた若いもんたちは先輩の引率で、某競馬場へと向かった。(モチロン、営業所内の競馬評論家?コーチ屋まがい?みたいなのが数人混じっている)
電車ババ混み!
人混み凄え!
新聞に書いてある記号がわからねえ!※
馬券どうやって買うんだ?※
(※部分ではそういう意味でのコーチ屋が大活躍)
ビール美味え!(このへんからポンコツ河嶋は脱線)
フランクフルト美味え!
ターフィー超可愛い!(この辺は乙女チック)
お馬さんたちの気迫って凄い。
観光牧場やらにいるサラブレッドとは何か違う。
気迫?殺気?みたいなもんが半端ない。
で、半年後。
若い子たちは日帰り競馬ツアーから一人、また一人と去り。
先輩方とアタイだけが競馬場じゃなくて場外馬券売り場近くの喫茶店?居酒屋?みたいなところでウダウダやるようになっていた。
忘れもしない。アタイの最初で最後、唯一の的中がその時訪れた。
GⅠレース、天皇賞!
話題の中心はダントツの一番人気サイレンススズカ。先輩方での間では『サイレンススズカがどれだけ逃げるか』『コースレコード?』みたいな話のみ。全盛期のアイルトン・セナみたいな扱いだ。
「で、河嶋はどうするん?」
『サイレンススズカは、今日来ません』
何の根拠があったかは知らん。そんな気がしただけ。
「は?オマエ何いうてんねん」
「あほちゃうか」
それまで自分の誕生日とか新聞の意味わかんないマークとかでテキトーに馬券買ってた人間の言うことなんか誰も信用しない。
散々莫迦にされながら馬券買って居酒屋へ。
案の定、サイレンススズカが逃げる逃げる。先輩方はアタイのことなんかフル無視でテレビ画面に釘付け。
ここで大事件発生。
骨折でサイレンススズカ、まさかの競走中止。
(当時、骨折予後不良≒安楽死なんて知らなかった)
響めきが起こる中、アタイは不用意な一言を口にした。
『やった、ザマアミロ』
その場に居合わせたほぼ全員がアタイを睨み付ける。スミマセン。
サイレンススズカさん、命懸けで走っていたのにごめんなさい。
席の端っこにちょこんと腰掛けて俯いていたアタイに奇跡が起きる。
あのレース、荒れに荒れた。確か配当?が12,000円位ついたんだ。
「アカンわ」
「こんなん誰も取れんわ」
アタイのターンだ。
『よっしゃぁぁぁぁぁ!来たぁぁぁぁぁ!』
適当に買った馬券が何とまさかの的中!
「かーしま!いくら買ってたん??」
『千円』
恐ろしいもんだ。馬券を購入する機械に突っ込んだ千円が十二万円に化けたんだ。
「ええええっ!」
お店に怒号が渦巻く。何を言われようが的中だ。にわか小金持ちの誕生。
その日のうちにそのお金は全部使っちゃった。ご祝儀だとか何とか言って全部呑んじゃった。
問題なのはそれ以後。
先輩方に教えてもらってちゃんとした予想なりを教えてもらったんだけど、かすりもしない。連戦連敗。挙げ句、「河嶋の予想を外して買え」が先輩方の合言葉になっていった。
で、アタイを競馬の世界に誘ってくれた先輩が酷いことを言った。
「河嶋がこれだけ外すんは、サイレンススズカの呪いや」
それ以後、誰も誘ってくれなくなり、一人で行く度胸もなかったアタイは競馬界からそっと姿を消した。
今になって思う。
当の本人(本馬?)や騎手、調教師さんや馬主さん。みんな必死になってこの馬を勝たせよう!って頑張っているんだから、故障やらで喜ぶなんて失礼な話だ。何も知らなかったとは言え、いちファンとしてやるべき行為ではなかった。サイレンススズカさん、ごめんなさい。
反省しています。
もう二度と競馬はやりません。
ちなみにウマ娘でもサイレンススズカと相性は悪い。全然駄目。
うそ。
投票する方じゃなくて、乗る方はやってみたい。
どんなに遅くてもいいから、ターフを駆けてみたい。
素人に出来るはずもないし、落ちたら死ぬ。
でも、お馬さんに乗せてもらって走ったら気持ちいいんでしょうね。
自分の体重考えたら馬に申し訳なくて行けません🤣😭
体重絞ればいいってもんでもないらしいです
当方が競馬場や場外馬券売り場に居ても言いません(^-^;)
もっとも、当方は過去に🐴キセキ🐎の奇跡的な馬券絡み🏇で大敗が続いた期間が在ります…(T_T)
因みに、乗馬クラブに元競走馬がいるケースも有るらしいです🤔
やり始めでやめられたのもサイレンススズカさんの思し召しかも?
ばんえい競馬ならいけそう。
https://banei-keiba.or.jp/
「サイレン鈴」か。のろいのかな?
、、、、描いてて訳わかんなくなった。
競馬は付き合いで3回だけやりましたが、全く分かりませんでしたね💦
万馬券?が当たったみたいですが意味不明🤔
コロナ禍で自粛モードになってから、近所の乗馬クラブで資格を取ろうかと思ってます🏇
>> ギリアム・イェーガー・ヘリオス さん
あの時の周りの視線が怖かったです殺されるかと思いました(^^;)
>> 杏鹿@………………………… さん
あんなにビシバシ叩くのはちょっと…落馬は無さそうですが(^^;)
>> fsm さん
サイレンと鈴か?もの凄いうるさそうですね(^_^)
>> とんちゃん8282 さん
乗馬にも資格があるんですね競技会の成績とかだけだと思ってましたΣ(゚Д゚)
乗馬で思い出すのはスクール☆ウォーズの伊藤かずえ女史…格好良かったです
サイレンススズカの鞍上の武豊騎手は、『その日』の晩は泥酔するまで飲んだそうです。無論、桃さんとは違う理由で。
😅😅😅
サイレンススズカ、歴代で一番好きだった馬です。
誰にも追いつけない、何なら影も踏ませない本当に速い馬でした。
産駒を残せなかったことが残念でならない…。
馬とは天敵(肉食動物)から逃げるため、走る速度と走行距離が進化した動物。
なので、一度も前を走らせない逃げ馬が本当に進化の頂点。
という持論なので、サイレンススズカはその体現だったんですよね。
あのレースがショックで、少しずつ競馬から離れて今は全くやってません。
スミマセン、オチも何もないマジレスでした…。
12万円はおおきい😍😍😍😍😍
即飲みー笑笑
ポンちゃんらしいねー😍
お馬は私もちんぷんかんぷん。
>> うまちゃん@平常運転 さん
サイレンススズカの才能が、サラブレッドという身体の限界点を超えた誰かがそんな事言ってましたね…
>> niko6マーミー さん
払い戻しの時に手震えましたもん(^_^)>> ギリアム・イェーガー・ヘリオス さん
> 乗馬クラブに元競走馬がいるケースも有るらしいです🤔競走馬は、『馬場では走るものだ』と思っている(調教されている)ので、『走らない』ように調教するのは結構難しいそうです。
『モチ』という元競走馬は、大学の馬術部に引き取られたそうです。
>> うまちゃん@平常運転 さん
昔住んでいた近くの美浦のトレセンで先輩が働いていましたが、「仕事は超大変」って言ってました。競馬には興味無いので知りませんでしたが、人気の就職先なんだそうですね。
医療技術の進歩によって骨折の治療対象も以前とは違うと思いますが、
「骨折=大怪我=もしかしたら…」
の図式はそれ程変わらないのでしょうかね。
一頭の馬を走らせるために、多くの人々が日々全精力をつぎ込んでいる。
そんな事情を知っている人も知らない人も、同じように勝馬投票券は買えますが、最低限度の知識と競走馬に対して感謝の気持ちを持ってもらいたいものです。
>> 杏鹿@………………………… さん
ばんえい競馬場で騎手が輓馬に乗っているのを見ると比率が変……と思ってしまいます😅馬券買った事無いで〜す😅
今はTVでしか見てないなぁ〜
12万…今だったら何に使う❓
やはり…その日で終了かな❓
私の友人に競馬の先生がいます。馬券の買い筋は悪く無いのですが、その先生が買う馬はことごとく馬群に沈むですよ。それでもスズカは逃げ切ってました。並の馬なら先生の魔力で失速する所、スズカは走った。でも魔力も劣る事なく力比べ。そんな時空の歪はいつまでも続かない。最後に勝ったのは負の魔力。そして代償は大きい。命まで奪うことないのに・・・。
桃ちゃんは時空の歪で呑めて良かったね。
追伸 競馬場で青空の下飲むビールは美味いね。山を登りきったところで飲むビールの次に美味いよ。レースはどーでも良いけどビールが美味いから競馬場は好き。
>> じんで@肘の君 さん
> 馬券の買い筋は悪く無いのですが、その先生が買う馬はことごとく馬群に沈むですよ。まさか、杉本清 氏(元アナ)ではないでしょうね。
氏は、競馬の実況で自分の推し馬を言うことで有名でした。
しかし、氏が推す馬はことごとく馬群に沈むので、各陣営から「推し馬として名前を出さないでくれ」と言われたそうです。
(特に、テンポイント。バンブーメモリーのときも、「おおーっ! 私の夢がーっ(潰えた)!」と叫んでいました。)