はじめてのチュウ。

https://king.mineo.jp/reports/156320
『みなさんのあるあるを教えてください。あるあるー☺️ないないのツッコミも歓迎ー☺️』
食いしん坊のヒロさんの掲示板にコメントさせていただいたネタです。

かの有名なクルーズ客船『RMS Queen Elizabeth 2』は、かつて港内で海上自衛隊の艦船にぶつけてしまうという失態をやらかした。お詫びのために訪れたQE2の乗組員に、艦長は『女王陛下のキスを賜り光栄です』と答えたという話を聞いたことがある。ほんまかいな。

さて、本日の舞台は高速道路。アタイがまだ２０代の頃、だから…まあ割と最近の話かな（←大嘘つき）
まだ技術屋さんだったアタイは、当時働いていた支社から本社へ出張を仰せつかった。
『荷物を届けてこい』と。
検査機器や試験結果のレポート（紙ベースで箱詰めされていた）で荷室を山積みにしたハッチバック車に乗り込み、アタイと上司の二人で本社へ向かって高速道路をひた走る…

とはいかなかったんだ。

『事故のため、○○出入口付近を先頭に１５kmの渋滞…』
この時間帯の渋滞なんてすぐ解消するだろう、と思って出口を通過しちゃったばかりだからどうしようもない。あとは運を天に任せて渋滞から抜け出せるのを待つだけ。
『この分だと、本社に到着するのは大分遅くなりますね…』
「しゃあないやろ」
いや、そう仰いますが…
予定ではお昼前に到着するはず。で、駐車場に車を放り込んだら上司と二人で一目散に社員食堂へダッシュ！限定のランチを戴く予定が…

その瞬間、上司の怒声が車内に響き渡る。こうやって怒るときは、いつもアタイが大きなミステイクをやらかそうとするときの声。
「か～しま～～っ！！前見ろ前っ！」
『へっ？』
ランチに気を取られていて完全に余所見をしていたアタイが慌てて前を見たその時、視界に飛び込んできたのはとんでもないものだった。

ごんっ！

明らかに何かにヒットした音。
そう、追突事故を起こしてしまったのだ。
『ご、ごめんなさいっ！お怪我はありませんか！？』
先行車から降りてきた男性二人は…
お巡りさんだった。

落ち着いて前をよく見ろ。
お尻にキスした相手は白黒の、どんなあほが見てもわかるパトカーだ。ご丁寧に赤色灯まで回していらっしゃる。
何故これ程『近寄るな』オーラを出している車両に追突したのか、今でもよくわからない。迂闊にも程がある。間抜けという言葉はアタイの為にあったのかも。
ひたすら詫び続けるアタイを宥めるように「誰も怪我していないし、損傷も大したことないから…あと、現場検証は当事者が出来ないんで他の者が来ます」とお巡りさんは繰り返していた。
そこら辺の道端で事故しても、交番からバイクとかで来るから時間かかるよ～、って言う話は聞いていた。
ところがどうだ。応援部隊の来るのがなんと早いことよ。
検分もマッハの勢い。
その日、本社で何をしたか（何を食べたか）は全く憶えていない。
お布団に潜り込んだものの、全く眠れなかったアタイはずっと事故のことを考えていた。
『クラウン（確かパトカーのベース車だよね？）のバンパーってメチャ高いんだろうな…会社で入っている車両保険使ったら顛末書もんだぞこりゃ』

暫くして、会社に書類が届いた。

『えっ？？？？』
クラウンのバンパーってそんなに安くないはずだ。てか特別仕様の塗装だぞ（ウインナーの『赤色５号』並みの原始的な色っぽいけど）。
あの時見たバンパーは
・ガリ傷（加害車両、つまりアタイの車のナンバープレートが擦ったからだ）
・若干凹んでいたはず（自分なら放置するか熱で戻すレベル）
なれど、通常の物損事故ならバンパー交換アタリマエの世界。
それがなんと！
修理費用一ケタ万円前半位だったのだ。
保険を使うとイロイロ手間なのと免責金額の関係で、結局アタイが志願して自腹することにした。だって手続き的に一番楽だったんだもん。

教訓。
安全確認は怠らないこと。
『油断の先に事故がある』。
もう二度とやりません。海の底よりも深く反省しています。
あの日以来、有責事故はやらかしていません。

悔しかったこと！
自損は自前で修理することになって、曲がったナンバープレートを固定して工具でギリギリ曲げたり、バンパー下ろしてテキトーに塗装の補修したりと悪戦苦闘しているアタイを皆が大爆笑しながら応援してくれたこと。
警察と喧嘩した、とかそのうち公務執行妨害で逮捕状が出る、とか面白がられたこと。
何よりも腹立ったんは、事故後にその車に「河嶋号」なる渾名が付いたこと。あと、トラックの後ろに貼る「追突注意」のステッカーをダッシュボードに貼られたこと！

と、面白おかしく言っていますが。
歳食うごとに判断力？反応速度？は衰えます。
その衰えを補えるくらい、慎重さとゆとりを持った運転を心がけます。

『想い出は賠償できない』です。