不肖ポンコツ河嶋姉弟の非日常生活

交流スペースフリートーク

2021.12.20 19:37

ポンコツ河嶋桃@🐢大洗女子カメ㌠🐢さん

SGマスタ

アタイの快気祝いおひとりさま旅行に同行すると言って聞かない弟を車に乗せ、いきなり山道を走り出す。
五條～吉野～川上村辺りまで来た辺りで、アタイはふと呟いた。
『かなり乗ってへん間に腕落ちたわ～』
「スピードは落ちてへんで💢」
とっ捕まったり、何かあっても回避できなかったりするような速度じゃないが弟は相当厳しい。アタイは彼をもっと自由奔放に育てたつもりなんだけど。（両親が忙しかったもんで、彼は粗暴な姉二人に揉みくちゃにされて育った）
「で、今日はどこに行くん？」
『熊野』
「本宮大社？」
『違う。三重県の熊野市』
「なんでそんなところへ？」
『アタイの隠れ家宿があるんよ。二ヒヒ』

『ここ』
弟が荷物を持って立ち尽くしている。
『ひと部屋ずつ離れてるから静かでエエんよ。物書きに集中したい時とか』
「桃姉、まだ小説新人賞の応募とかやってんの？」
五月蝿い。人を莫迦にするな！

しかしまあ、見方によっては……アレですな。

中はふつうに合宿部屋みたいな感じ。長期滞在者向けに物干し台もあるし共用の洗濯機もあり。
Wi-Fiも普通に使える。
台所は残念ながらない。臭いがこもるから食材持ち込み鍋パーチーは不可。夕食は近所のスーパーか飲食店で。
で、お宿一番の自慢は！

お～風呂～っ！
定員5人全員が入れそうな位広い洗い場に、アタイでも足延ばしてリラックス出来るような湯船。
「これって桃姉…」
いちおう宿の主人の為に断っておく。
ここは竣工当初から家族向けお宿として存在する。（主人が『よく間違われるんです』と言ってた。家族経営のユルいお宿だから、そっち系じゃない）

で、偽る～び～！
酔わねえ！

さて、晩御飯も終わり例のお風呂へ。
『アタイがここら辺片付けとくから、蓮（弟。仮名）は先にお風呂入っておいで』
最後はアタイだ。これだけ広い風呂を独占しても掃除とかしなくていい。極楽だ。
お風呂から上がって身体を拭いていたら、
「桃姉…」
『ナニ？』
何か不穏だ。返事をしながら扉を開けようとしたその瞬間！
「間違えても素っ裸で出てくるなよ」
ギクッ！アタイの昔からの悪い癖だ。風呂からそのまま出てくるのとお手洗いの扉を開けたまま用を足すのはずっと直らない。
『アハハハ…そんな事せえへんよ（うそ。やろうとしてた）。それともアンタ、なんぼ姉やいうても我慢でけへんか？』
「社会の常識や！あほっ」

がさつな姉でスミマセン。
でも、

ありがとね。