雨音

雨音で
目が覚めた
空を見上げて見ると
そんなに暗くはなく
やがて上がる雨なのだろう…
私は
此の雨に
想いが重なる出来事を
手繰り寄せた
その出来事から
明日で丸2年
由縁の人が
亡くなった日で
明日は命日
その人は
自身の寝床の中で
身体もよじらせずに
真っ直ぐ天井に向けて
亡くなっていた
そのまま
棺に入っていける様な
姿で死んでいたという
誰一人
一緒に居た訳ではないから
不審死にされた
けれども
室内に買い物のレシートがあった為
其れに時刻が記されていた為に
そこから推測を強引に行い
自然死にされた
其のレシートの日付は
12/5夜の5時半過ぎ
コーラ３本
チョコレート1袋
焼菓子1袋の3点
其れを
一滴も飲む事なく
食べきる事なく
死んでいた
2年前のその日の天候を
私は記憶している
その日は
肌寒く
重く感じる
霧雨の夜で
その日に
由縁の人が
亡くなった
今朝の様な
曖昧な雨が降ってた夜に
降っていても
止みそうな
そうした静かな雨の夜に
由縁の人は
自転車で買い物に出て
帰宅して
永遠の眠りの旅に出た
私は
曖昧な雨音に
今朝の
目覚めを促された
バチャバチャと降っては
いない雨音に
目が覚める事となった
由縁の人が
私を
ノックしたのだろう
…と思った
きっと
私の想像は
外れてない
由縁の人が
儚いとか
悲しいとか
寂しいとか
残念だとか
そういう事では
ないのだろうけど…
今朝は
私の元に
来てくれたのだろう
唯々
未だに憶うのは
何故あの日
買い物に行ったのに
其れ一つ食べずに
布団に入り
何故
静かな眠りの旅に出たの？
そうこうしてたら
雨が
止んだ
私に不毛の思考を
止めて､と
伝えているのだろう
そう感じ取った
雨が止み
唯々
明日の命日を
憶う朝となった